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半導体は市場2分化へ進むのか

従前から投稿していますが、米中対立下における、半導体業界の分断ですが、去る9月の米政府がファーウェイなどへの輸出規制をかけたことに加えて、今回もっと分断が鮮明になりそうだ、というお話しです。

過去の米中対立(特に半導体)の投稿に関しては、下記をご確認ください。
ファーウエイ規制に対する中国の対応(半導体)
漁夫の利(サムソンに関して)
SMICの上場
対中政策の強化の予感
ファーウエイ包囲網
米国の半導体産業支援
静かな業界再編
中国の華為技術(ファーウェイ)が外部委託する形で半導体の生産ラインの新設を検討していると報じた。ファーウェイは米政府の輸出規制で半導体の調達が厳しく制限されており、米国の技術を使わない半導体の生産体制を築き対抗する。…ファーウェイ向けの半導体生産ラインは、上海市の上海IC研究開発センターが立ち上げる。同社は2002年に上海市政府などによって設立され、オランダのASMLなど海外の半導体製造装置メーカーと人材育成や研究開発で連携実績があるという。新設するラインでは、まず回路線幅45ナノ(ナノは10億分の1)メートルの技術を使う半導体を生産する見通し。回路線幅は小さいほど性能が高まり、45ナノは15年前の先端水準とされる。ファーウェイは21年末までに28ナノ、22年後半には20ナノの半導体を生産したい意向という。20ナノの半導体を安定生産できれば、ファーウェイは高速通信規格「5G」の通信網で使う基地局などの通信機器の生産を継続できるとみられる。ただスマホでは、より高性能な半導体が必要となる。ファーウェイを巡っては米商務省が9月15日、米国の技術が関わる半導体の輸出を原則禁じた。

上記記事とFTの報道によると、ファーウェイが自社なり少なくとも純中国製に近い形で、半導体製造が可能になるやり方を模索し、それをベースに今後の通信機器などの製造販売を進めていくとのこと。ですので、従来の米国企業の技術を使わないくても、半導体製造で対抗できます、というところを見せる、といった具合です。ここで書かれていないのは、15年前の技術と言われる45ナノから、最先端の20ナノの製造技術が、世界で15年かかったのに、中国なら2年ぐらいでできる、とみられる点の可能性、についてです。これは時間が証明してくれるでしょう。

ファーウェイ独自(もしくは中国政府も一丸となって)の対抗措置は理解できますが、以前はファーウェイの上客であった欧州の通信市場も、米中対立のファーウェイ包囲網の政策の影響を間接的に受けた結果だと思いますが、ファーウェイ以外の会社、所謂ノキアやエリクソン、アジア勢だとサムソンやNECという会社に商機が出てきた、と上記記事には書かれています。ですので、ファーウェイは従前の欧州や北米よりも、中国政府の政策『一帯一路』のエリアのマーケットに今後はフォーカスする必要が出てくるのでしょう。

半導体製造工程は様々なプレーヤーが複雑に絡んでおり、私も正確には理解していませんが、下記動画などを利用して勉強しています。もしよろしければ、ご確認ください。


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