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オクトパストラベラー2全曲楽曲解説まとめ

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今までに投稿した楽曲解説をこちらのマガジンにまとめていきます。
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2023年4月の記事一覧

開拓の町オアーズラッシュ/独白

Tr3-8 開拓の町オアーズラッシュ「枯れた」町オアーズラッシュに対して「開拓の」町オアーズラッシュ、という事で、パルテティオの活躍により再び活気を取り戻したオアーズラッシュの様子を表現した楽曲です。 こちらに関してはマカロニウェスタンではなく、実際のアメリカ西部のいわゆるカントリーミュージックをイメージして作曲しています。 「枯れた」と同様にブルースハープやスネアの音は入っていますが、メロディを演奏するフィドルが特徴的だと思います。 おや、フィドルってケルト音楽を紹介する

キャットリンのテーマ/枯れた町オアーズラッシュ

T3-5 キャットリンのテーマオクトパストラベラーに於いて、いわゆる「はぐれメタル」的な立ち位置のキャットリン、エンカウントした時の背筋がビクーっとなって、どうするどうする、逃さずに倒せるか!?っていうハラハラと、倒した時のレベルが一気にガーっと上がる感じ、このドキドキ感ってやっぱり何回体験してもいいですよね(笑) そんなキャットリンにいよいよ専用テーマがつく事になりました。 大陸の覇者をプレイされている方は、キャットリン=「なんて滑稽な」なイメージがだいぶ定着していたかと

勝利のファンファーレ/敗北のレクイエム

Tr3-3 勝利のファンファーレ2の音楽はなんだかんだでモチーフなどを1から引き継いだ楽曲って数少ないのですが、このジングルはタイトルもそうですし、内容もほぼそのまま1のものを持ってきている曲です。 ジングルってやはりIPの中で統一されている事に安心感を覚えますし、もしかしたら一番変えてはいけない部分なのかもしれませんね。 しかし、ファイナルファンタジーの勝利ジングルもそうであるように、色々遊んだりアレンジ出来る部分は残っていて、そこをどう変化させるかが腕の見せ所と言えるの

仄暗き洞窟/ノーマルバトル1

Tr3-1 仄暗き洞窟オクトパストラベラーのダンジョン曲は主に作曲者の趣味趣向で過剰に叙情的なものが多くなっております(笑) ダンジョンってやはりフィールドと比べて光が閉ざされた場所なので、必然的に音楽も暗く怪しい、怖い感じにする方向が一般的なのかなと思いますが、僕自身がやはり幼い頃から叙情的なダンジョン曲に胸をときめかせて育ってきたので、その影響が色濃く出ていると思います。 この仄暗き洞窟はまさに自分の中の叙情系ダンジョン曲の王道といったイメージで作っており、冒頭のメロデ

ちょっとひと休み

Tr2-21 ちょっとひと休み1からお馴染みのちょっとひと休み、同じフレーズですがこちらも新規で作り直してます。 楽曲解説的にもここでちょっとひと休み、また次の曲をお楽しみにしてください! サントラ購入はこちらから!https://www.jp.square-enix.com/music/sem/page/octopathtraveler2_OST/

希望なき極寒の地/軋む心

Tr2-18 希望なき極寒の地 昼/夜ウィンターランドの楽曲解説でも書いたように、2の雪の地方は雪や寒さが与える過酷さを表現する事をテーマにしています。 エレキピアノによる一定のリズムを刻む伴奏は、淡々とした雰囲気で寂しさを表現し、加えられたメロディもどこか救いようのない雰囲気を演出しています。 ただそれだけだと、音楽としては少しつまらない印象を与えるため、中間部分では少し感情的な部分が加わり、オズバルドの持つ宿命やその背景を感じさせるような演出が取り入れられています。

華やかなる都会/無頼のメロディ

Tr2-15 華やかなる都会 昼/夜この曲は、まさにオクトパストラベラー2の世界において、文明がここまで進んだんだなぁということを感じさせてくれる代表的な曲だと思います。都会的でおしゃれな雰囲気があり、いかにもイケイケな文明感を感じて頂けると思います。 ジャンルとしてはいわゆるジャズの括りで考えてもいいと思いますが、弦楽アンサンブルがサウンドを下支えしていたりと、ちょっとクラシカルな要素も入ったような、ジョージ・ガーシュインのような楽曲を意識しました。 そもそも、こういっ

うつろな記憶/不穏

Tr2-13 うつろな記憶キャスティが自分自身のうつろな記憶をたどり、そのかすかな記憶は浮かんでは消え、また浮かんでは消えと、今にもどこか遠くに行ってしまいそうな雰囲気、そしてそれを掴もうとしても掴めない、そんな不安定な気持ちを曲で表現してみました。 キャスティのテーマ自体がそもそもそういったコンセプトを持った曲ですが、この曲では更に消え入りそうな、テンポもどこか辿々しい、メロディ自体も細切れになってしまった感じでそれを表現しています。 音色はエレクトリックピアノを使い、夢

呑気な日常/潮騒の鳴く街

Tr2-10 呑気な日常さてさて、まったりやっております楽曲解説ですが、今日からはイベント曲も登場ですね。引き続きお付き合いよろしくお願いします。 この「呑気な日常」という曲は、オクトパストラベラー1における「平穏な日常」に相当する曲です。 まさにどちらも当たり障りのない曲名!という感じですが、汎用的日常曲として使えるように作った曲で、基本的にはどんな日常的なシーンでも合うように、という音楽的意図があります。 こういった汎用的な日常曲って、実はとてもテンション感をコントロ

分かつ大海/ケモノ達の古里

Tr2-7 分かつ大海 昼/夜オクトパストラベラー2では、西と東の大陸を隔てる形で海が追加され、そこを船で自由に行き来出来るという新要素が加わりました。 RPGにとって船(もちろん飛空挺とかも最高ですよね!)、や所謂乗り物という要素は冒険感を盛り上げるのにとても重要な要素なので、もちろんここにも曲つけたいよね、という流れになりました。 新しい未開の地に旅立つワクワク感や、海のキラキラと輝く美しい様子を音楽で表現出来るよう色々頑張りました。 そこで活躍するのが金管楽器のサウ

クレストランド地方/ヒノエウマ地方

Tr2-3 クレストランド地方この曲は個人的に特にお気に入りの一曲です。 クレストランド地方は、山々にさす夕日と紅葉、そして何よりも赤とんぼ!エモい要素をこれでもか!と詰め込んだ非常に景色の美しい地方です。 夕日や紅葉というのは、夜、そして冬へと向かう黄昏のものですから、やはりどこか物寂しい印象が音楽に必要になりますよね。 しかし、その奥にはしっかり太陽や紅の暖かさが有り、優しく包み込んでくれる、そんな曲調を目指しました。 クレストランド地方にはフレイムチャーチという聖

ワイルドランド地方/リーフランド地方

Tr1-19 ワイルドランド地方 昼/夜ワイルドランド地方は、風荒ぶ荒野、そしてパルテティオの旅の出発点でもあることから、どこかウェスタン音楽をイメージさせる楽曲にしました。 メロディラインですが、荒野の風が吹き荒れる寂しい情景を表現するため、パンフルートを使っています。 パンフルートというとフォルクローレというアンデスの民族音楽で使われているイメージが強いと思いますが(有名な曲だと「コンドルは飛んでいく」とかありますね。) どこか物寂しげな音色は、赤土の荒野にピッタリだな

ブライトランド地方/ウィンターランド地方

Tr1-15 ブライトランド地方ブライトランド地方は緑の木の葉舞う光あふれる爽やかな雰囲気が特徴的な地域で、またニューデルスタのような都会の雰囲気を持つ大陸でも一番発展している地域でもあるので、そういった爽やかさと煌びやかさを表現できるように心がけました。 象徴的なサウンドとしてはピアノのキラキラした音色に、ストリングスの温かみのある音が折り重なったような雰囲気が言えると思います。 今回フィールド曲は1の頃と比べて少しスケールが大きい風に感じている人も多いかもしれません。

トト・ハハ島/ハーバーランド地方

Tr1-11 トト・ハハ島 昼/夜さてさて、キャラテーマゾーンを抜けまして今日からフィールド楽曲の解説に突入いたします! フィールドとタウンの楽曲に関しては、メインテーマの際に解説した昼夜切り替えの仕様により、全てに昼と夜の2バージョンがあります。 語りたい事はたくさんありますが、後々スタミナ切れにならないよう昼夜バージョンを一つにまとめた形式にしようと思っています、引き続きお付き合いくださいませ。 トト・ハハ島の曲に関しては、オーシュットのキャラクターテーマにも入れたパ