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オクトパストラベラー2全曲楽曲解説まとめ

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今までに投稿した楽曲解説をこちらのマガジンにまとめていきます。
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最後に

さてさて、4月からお休みも挟みつつまったりと連載してきたこの楽曲解説企画ですが、無事皆様のおかげで完走する事が出来ました。 頂いたリプライなど大したレスポンスも出来ずに申し訳なかったですが、しっかり原動力になっておりました。またエゴサも相変わらずモリモリやっているので、その中で頂いたお声もいつも大変励みになっております、改めてこの場で御礼申し上げます。 最後にちょっとだけネガティブな感じになってしまうかもですが、音楽を言語化するのって本当は野暮な事だよなぁと思っていて。本来

オクトラ2質問回3

Q:西木さんが作曲の際に使用しているソフトやどのパートから作成し始めるのかなどテーマ決定から作曲〜編曲までの流れを知りたいです! また今回の曲の中で1番難産だった曲はどの曲なのでしょうか? A:使用しているソフトはCubaseです。 大体はピアノでスケッチを書いて、一旦それで全ての尺を完成させてからそれに肉付けを行うような形でアレンジをしていきますね。 ピアノのソロの段階だと気に入らない場合は後戻りしやすいですし、その段階でメロディがあまり魅力的なものじゃ無い場合は、大体ア

オクトラ2質問回2

Q:日本語を勉強しているので、下手ですが、日本語で質問するのをトライしたいです!(悪い日本語ですみません!) オクトラ1のサウンドトラックの中で、あなたの一番好きな曲は何ですか(音楽で言えば)?どれが一番努力しましたか? A:オクトラ1では「悠然たる山腹の街」がお気に入りです。 一番努力したのはメインテーマですかね! Q:1と2でキャラテーマを作る段階の情報量やオーダーが、どのくらい違うのか知りたいです。1のテーマは地域性を、2のテーマは人間性を強く感じます。(オーシュッ

オクトラ2質問回1

長い事お付き合い頂きましたオクトラ2楽曲解説も、いよいよ終わりが見えてきました。 あくまで作曲者の視点からの解説なので、皆さん的にもっとここが知りたかった!というところがあれば出来る限りフォローしておきたいなと思い、ここではTwitter上で募集しました皆さんからの質問に回答しようと思います。 色々な大人の都合上採用が難しかった質問もあるかもしれませんが、その際はご容赦頂ければ幸いです。 Q:Octra 2について質問があるのですが、インスピレーションや楽器の選択にはどの

旅人たちへ

Tr6-27 旅人たちへエピローグ後、8人全員集合のエンドカードをバックに流れる、正真正銘ラストの楽曲がこの「旅人たちへ」で、8人のトラベラーに贈るべく、メインテーマをしっとりピアノアレンジで演奏しています。 この曲、宮内Dからの発案で、 絵画など完成の際に直筆のサインを入れる事で作品を締めくくる、そんなイメージで、この最後のエンドカードのバックに、作曲者本人の手によって直筆のサインを入れるようなそんな締め括り方を音楽でもして欲しい、と要望があり、しっかりその約束を守って、

異界より来たりし者

Tr6-26 異界より来たりし者本作の真の裏ボスとして、圧倒的難易度で戦う事になるガルデラですが、当初このアレンジは発注リストには含まれていないものでした。 どこかのインタビューでも答えてたと思うんですが、本作の音楽を全て完成しこれで納品です!とした後に、実はガルデラと再戦する事になりそうで、でも音楽はもう制作を終了しているので、1のものを再利用しようと思っている、という連絡が来ました。 結構ゲーム制作あるあるな話で、当初計画していたものを作っていった結果、どうしても新し

きぼうの唄 -Piano Solo-

Tr6-25 きぼうの唄 -Piano Solo-きぼうの唄は元々ギルからプレゼントされた曲という設定で、そのメロディを初めてギルがピアノで弾いてくれた時のピアノソロver.がこの曲です。 そのメロディに歌詞をつける為に、アグネアは更なる旅に出る事になります。 しかし、まだこの段階では単純にアグネアのテーマをピアノソロにしただけにすぎないんですよね、きぼうの唄のメロディはここには入っていません。 そうしたのも2つ理由があって、 まずはシンプルにラストバトルでのきぼうの唄のイ

あなたへ全てを捧げる/喝采を求めて

Tr6-23 あなたへ全てを捧げるアグネアのシナリオは音楽関連のイベントが多い為、特殊楽曲が色々ありますが、世界一のスーパースター、ドルシネアの圧倒的タレント力を表現する為にはやはり専用曲が必要だろう、とこの曲が作られる事になりました。 踊り子なのに歌まで上手いのか、というツッコミはどうかご勘弁ください(笑) アグネアが田舎感のあるふんわりとした、しかし芯の強さも感じるような楽曲が多いのに対して、ドルシネアの音楽に関してはとにかく圧倒的な存在感を表現する為に、オペラ音楽をフ

朱曲 -心の灯火-/ギルのアドリブ

Tr6-21 朱曲 -心の灯火-ヒカリとアグネアのクロスストーリーで、琵琶弾きが月夜をバックに演奏する曲です、背景に大きく浮かぶ満月がとても印象的なシーンです。 タイトルの「朱曲」というのは実在する言葉では無いですが、この楽曲のタイトルを宮内Dと考えた時に、その曲があたかも古くからク国に存在し、人々に演奏され引き継がれてきた曲だという事を感じさせるようなものにしたい、という話になりました。 そこでこの曲は「朱曲」というク国に古くから存在する曲の1曲であるという設定を作る事で

キャットリンのテーマ -Piano ver.-/キャットリンのテーマ -Guitar ver.-/キャットリンのテーマ -Violin ver.-

Tr6-18 キャットリンのテーマ -Piano ver.-オクトパストラベラー2では蓄音機でちょっとしたゲーム内サウンドテストのような機能をお楽しみ頂けるようになりました、このキャットリンのテーマの3つのver.はクエストをクリアしレコードを集める事により、その蓄音機でだけ聞けるお楽しみ要素になります。 このver.実はレコーディング直前に急遽その蓄音機用のアレンジを用意して欲しいと発注があり、割と急ごしらえで作ったものでもあります(笑) 基本的にはメロディとコードと、

エピローグ/明日への旅路

Tr6-16 エピローグ本作のエンディングスタッフロールでは「エンディングテーマ」が終わった後に、この「エピローグ」が再生され、そのままトラベラー達のエピローグイベントに移っていきます。 そのエピローグイベントとスタッフロールを繋ぐ為の曲として作曲しました。 エピローグシーンでも継続してこの曲が流れ続ける為、ループする楽曲なのですが、1周目のループと2周目のループで展開が違う事に気付いた人っているでしょうか? 1周目はまだあくまでスタッフロール中に流れる部分なので、ある程

エンディングテーマ

Tr6-15 エンディングテーマ楽曲解説もついにここまで来ましたね、感動のスタッフロールで流れるエンディングテーマです。 オクトラ1の時から踏襲した、各ボスとのバトル映像を振り返りながらのスタッフロールで、楽曲も1に引き続きフィールド音楽のメドレーになっています。 1の楽曲解説の際にも書いたのですが、このエンディングで旅を振り返りながら流す楽曲は、やはりトラベラー達が旅してきた各フィールドの音楽で締めくくるのがオクトラらしいかなと思い、今回もこういった構成になっています。

明日を求める者たち/明日を望まぬ者

Tr6-13 明日を求める者たち第一形態を倒した後、いよいよ最後の戦いが始まるぞ、という時に流れる、「明日を望まぬ者」の前奏的扱いの曲です。 楽曲解説とは関係ないですが、第2形態の8人での総力戦は胸熱でしたね。 この曲が「明日を求める者たち」という主人公達をフューチャーした曲名になっていて、次の「明日を望まぬ者」がヴィーデ側をフューチャーした対をなす形になっているのも趣ポイントかもですね。 Tr6-14 明日を望まぬ者いよいよ物語の最終盤、本作の中でも一番心が燃え滾る楽曲

夜の目覚め/暗黒の神、ヴィーデ

Tr6-11 夜の目覚めいよいよ楽曲解説も大詰めという感じになってきましたね、この曲は各キャラのシナリオボスを倒した末のエクストラストーリーのボスとして戦う事になる、謂わば真のラスボス的な立ち位置のヴィーデ戦の前奏として流れる曲です。 楽曲としては、その前段階のダンジョン曲として流れる「暗黒への誘い」をベースモチーフとして、次曲の「暗黒の神、ヴィーデ」に繋げる為の中間曲という内容になっています。 Tr6-12 暗黒の神、ヴィーデ本作のラスボスポジションの楽曲で、ストーリー