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異界より来たりし者

Tr6-26 異界より来たりし者

本作の真の裏ボスとして、圧倒的難易度で戦う事になるガルデラですが、当初このアレンジは発注リストには含まれていないものでした。

どこかのインタビューでも答えてたと思うんですが、本作の音楽を全て完成しこれで納品です!とした後に、実はガルデラと再戦する事になりそうで、でも音楽はもう制作を終了しているので、1のものを再利用しようと思っている、という連絡が来ました。

結構ゲーム制作あるあるな話で、当初計画していたものを作っていった結果、どうしても新しい要素を追加する必要が出てきたり、そのタイミングが制作の終盤のギリギリになったりする事があり、そればっかりはゲームを作ってみないと予見出来ないもので、いいゲームにしようと思えば思うほど不確定要素が出てくる事になります。

まさにこのガルデラ戦楽曲はその例にあたり、僕自身としても最初はそれでもしょうがないかと思いかけたのですが、ガルデラという存在のオクトパストラベラーでの重要性や、難易度的にもプレイヤーの方々が多くの時間を投入して育ててきたトラベラーで臨む戦いだということを考えると、既存曲を再利用するのはどうしても避けたい、という気持ちになり、ワントライしてみていいか、と高橋Pに相談する運びとなりました。

異界から来たという設定を聞いていたので、原曲のガルデラ楽曲とは少し違った雰囲気にしたいなと思い、シンセのアルペジオと疾走するリズムループ、ハリウッド的なパーカッションと、異次元から来た異質感が前面に出るようなイメージでアレンジを進めました。

こういった最後のワントライってゲーム会社の中にいるコンポーザーであれば割と臨機応変に動けたりするんですが、僕のようなフリーランスの外部のコンポーザーは、当初想定したものから路線変更をするのって何かと大変だったりします。
しかし、オクトパストラベラー 1の制作を経て、制作チームの方々との距離もだいぶ縮まって、その結果こういう最後のワントライが出来て、悔いなく作品を作り込めた事はとても幸せな事だと思います。

まぁ、だからと言って、ゲームの中でのこの曲の価値が変わるわけでもなんでも無いですし、ゲームをプレイされる皆さんにとっては関係の無い情報だったりもしますが、折角のこういった機会ですので、エピソードとしてご紹介させて頂きました。
楽しんで頂けてれば幸いなのですが。


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