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華やかなる都会/無頼のメロディ

Tr2-15 華やかなる都会 昼/夜

この曲は、まさにオクトパストラベラー2の世界において、文明がここまで進んだんだなぁということを感じさせてくれる代表的な曲だと思います。都会的でおしゃれな雰囲気があり、いかにもイケイケな文明感を感じて頂けると思います。

ジャンルとしてはいわゆるジャズの括りで考えてもいいと思いますが、弦楽アンサンブルがサウンドを下支えしていたりと、ちょっとクラシカルな要素も入ったような、ジョージ・ガーシュインのような楽曲を意識しました。

そもそも、こういった楽曲でどこにジャズっぽさを感じるのか、いくつか要素はあると思いますが、大きな特徴として言えるのは「スウィング」という独特のリズムだと思います。
スウィングというのは、本来リズムをイーブンで均等に進めるところを、3連のリズムを使った跳ねたリズムを使って音楽を構成する事です。

この曲ではまさにそのスウィングのリズムが全体的に使われており、その土台のグルーブの上に、ビブラフォンやトランペットなどジャジーな雰囲気を感じるような音色でメロディを奏でる事によって、全体のサウンドを構築しています。

さらに、この曲の夜バージョンでは、トランペットの音色に「ミュート」と呼ばれる弱音器をつけて演奏しています。
この弱音器は、普段トランペットの大きな音量を抑えるために取り付ける装置なのですが、取り付けると音量だけでなく音色も変化します。
この音色の変化を得るために、あえてこの弱音器をつけて演奏してもらっているわけです。

さらに、この弱音器には種類がいろいろあり、ストレートやプランジャーなど、その弱音器により音色が変わるため、求めている音色に合った弱音器をつけて演奏してもらったりします。

そしてそして、この夜バージョンではドラムが先ほどのスウィングのリズムを、本来スティックという木のバチで叩くところを、ブラシという箒状のものを使って演奏しています。
スティックで叩くのとはまた違った表情が出て、都会の夜のなんともいえない怪しくムーディーなシチュエーションを演出していると思います。


Tr2-17 無頼のメロディ

オクトパストラベラーの世界では、巨悪だけでなく、どこかドジっぽい要素もある悪役が登場します。
いわゆる小悪党と呼ばれるようなキャラクターたちが登場するシーンで流れる曲なので、悪い企みやひどい行いがされているシーンではありますが、あまり恐怖感を感じないような楽曲に仕上げました。

曲の中に入っている通称「指パッチン」の音は、正式には「フィンガースナップ」と呼ばれる楽器の音で、これも今回生で収録しています。
こういった音は一人で多重録音(何度も録音を重ねて1人で複数人分の音を出したりすう効果を狙って行われます。)することも可能ですが、フィンガースナップって人によって全然音色が違うので、そういう違う音が混ざり合うからこそ効果的なフィンガースナップの音になるんですよね。
なのでスタッフ総出で、もちろん僕も参加して収録をしています(笑)

そんな小さな苦労も感じながら、この曲を聴いていただけると楽しいと思います。


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