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建築に込められた想い。時代をこえて受け止めたい

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建築には、それらを作った人の思いが詰まっている。そんな思いを感じることができればと、建築を見に足を運びます。
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#隈研吾

建物は軽やかに素材をまとう

JR奈良駅から建物をたどり、また次のデザインへ はぐくみホールを後にして、しばらく進むとJR奈良駅 の近くに、軽やかに素材をまとう建物が見えてくる。 ガラスのカーテンウォールの外側に設置されたのは、 デザインされた木調のアルミのルーバー。それらは 一つ一つが踊るかのように、動きを持ち連続している。 この建物の名前は、DMG森精機奈良商品開発センタ。 最先端の金属加工技術を持つという同社の開発拠点が 2022年竣工した。設計は隈研吾建築都市設計事務所。 ルーバーで覆われた建

次は木のパネルに覆われた建物へ

今回は北摂地域を自転車でめぐる旅。豊中市に位置 する箕面船場から西へと県境を越え兵庫県伊丹市へ。 日本海につながる広い兵庫県へは、まずは伊丹市から。 伊丹市は、兵庫県の中でも尼崎市と並びもっとも大阪 に近い位置にある。面積は25km2と、兵庫県の中でも 小さくコンパクトな街に様々なものがつまっている。 伊丹市は大阪市、神戸市へも近く、空港も有している。 その大阪国際空港は伊丹にあることで、伊丹空港とも 呼ばれている。電車以外には、バスの交通網が市内を 覆い、自転車のネットワ

反復によってデザインされた建物へ

昨年10月に関西に戻って始めた旅。九州にいた頃の ようにきままな旅は控えつつ、週末の旅を楽しもう。 九州に単身赴任となる前まで、京都の街にはときおり 訪れていた。次には京都の街をめぐる旅の続きへと。 この反復するデザインにはなじみがある 隈研吾氏によりデザインされた古今烏丸 2004年と2021年の2度に渡り手掛けられた つみきは連続して様々な形へと テクタの猫と羅工房の京雑貨の猫 今回リニューアルされたのは光が満ちるアトリウム これからの建築は、閉ざすのでなく

その空間には風が吹き抜けて

エースホテル京都を楽しんだ後、あらためて新風館へ。 新風館とは、1926年に竣工した旧京都中央電話局が 建築家リチャード・ロジャースにより外観はそのまま に改装され、京都に新しい風をという意が込められて 2001年にオープンした商業施設。時は経ち、2020年、 伝統と革新の融合を目指して新たに生まれ変わった。 隈研吾氏により受け継がれた新風館の歴史 コンパクトな4つのスクリーンで構成されている 関西にある名和晃平氏の作品もめぐっていこう ここは植物、器、食、ARTを展

竹田の街もめぐってみよう

竹田の街で竹田市歴史文化館を訪れた。手がけたのは 隈研吾氏。今回は隈研吾氏の建築に出会う旅でもある が、そこは家族には詳しくは説明していない。家族旅行 では建築はおまけで、限られた時間で手短かに楽しむ。 高知県の梼原町にも、いつかまた訪れよう 竹田の城下町がよい感じ 竹田にはまだまだ訪れたい所があるが いつかまたゆっくりと訪れよう 今回は隈研吾氏の建築に出会う旅でもある 荒城の月は岡城跡がモチーフに こちらで岡藩とキリシタンの歴史がよくわかる 素敵な竹田の街の

階段状の屋根を持つ戸畑区役所

八幡から戸畑までの歩きの旅では 途中、磯崎新氏の設計の美術館にも訪れた 八幡駅から、いろんな所に立ち寄って、のんびりと歩く 北九州の旅。意外に徒歩でもいろいろと回れるものだ。 念願の北九州市立美術館の空間も楽しんで、建築家の 思いにふれることができた。そしてようやく戸畑まで やってきた。そして道沿いには特徴的な外観の建物。 戸畑祇園大山笠の観客席となる。驚きの建築だ この特徴的な建物の設計は隈研吾氏によるもの。 戸畑に氏の設計の建物があるとは知らなかった。 隈研吾氏

大分県で思い浮かぶ建築は

昨日の記事で取り上げたComico Art Museumは大分 の湯布院にある隈研吾氏が設計した美術館。また大分 の竹田市に、氏が設計した歴史文化館・由学館がある。 おんせん県である大分県。竹田市も魅力的な町だ。 2020年に開館した歴史文化館・由学館。 九州は魅力的な場所であふれている。まだ佐賀と長崎 の旅の途中であるが、次なる目的地は熊本や大分方面。 今は博多に住んでいるので、大分県は日帰りの旅行が 可能な距離にある。少しずつ旅の下調べをしていこう。 だいぶ前に大

素材が語りかけてくる建築

面白い対談の動画を見つけた。建築を設計するって ダンスに似てると思うんだよね。森山未來さんと 隈研吾氏の対談ならではのコメントだ。その理由に、 公共建築を設計する場合には、観客が多いことが あげられている。その場所で最高のパフォーマンスを 行い観客から愛される建築を作るという視点がある。 また隈氏はあたたかく、質感のあるものに惹かれると いう。木や石がしゃべってくれる、質感のあるものが 語りかけてくるという感覚を持ち設計を行い、建築に 生き生きとしたものを関わらせたいとの思

隈研吾氏の建築に出会う旅

2016年の東北の旅で、アオーレ長岡という隈研吾氏に より設計された建物を訪れた。ランダムに配置された 木のパネルは、ダイナミックな空間を作り出していた。 回遊性のある建物の中を歩いてみると、ガラスと木の パネルで構成された空間は、目まぐるしく変化する。 現代的な建築の中に、ぬくもりを感じる建物でもある。 2016年の東北の旅で出会った一場面だ。 世界で一番、隈研吾建築にふれられる。とは、ゆすはら 雲の上観光協会のホームページに記載された言葉。 また、高知県梼原町は隈研吾

東北への旅を振りかえってみる

過去に訪れた建物を振りかえるのは楽しいものだ。 また、その中で昔の旅の光景がよみがえる。写真に 切り取られた情景に、旅の思い出がつまっている。 写真を見返すともう一度、旅をした気持ちになれる。 建物を振り返る中で、何度か登場した東北の旅の風景。 2016年に旅をした懐かしい思い出で、小さい子ども たちを連れてのレンタカーでの旅行。それまで一泊や 二泊のレンタカーでの旅行には、何度か行っていたが お盆休みを利用しての、初めての五泊六日の東北旅行。 お盆休みなので、少し早めに

反復によってつくられるかたち

九州芸文館は楽しい所だ。周囲の建物やアート、それと どこまでも広がる空と、のどかな山並みの風景がある。 建物の配置はアートのようにも見える。広い敷地には もうひとつの付属建物のアネックス2が建っている。 こちらは九州芸文館と同じ隈研吾建築都市設計事務所 による設計。この建物は三角形の板を組み合わせて、 拡張、縮小が自由にできるワークショップスペースと なっている。小さな部材の反復で全体が作られている。 建物の美しさは反復される素材や形にかかっている。 部分から全体へ、反復