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反復によってつくられるかたち

九州芸文館は楽しい所だ。周囲の建物やアート、それと
どこまでも広がる空と、のどかな山並みの風景がある。
建物の配置はアートのようにも見える。広い敷地には
もうひとつの付属建物のアネックス2が建っている。



こちらは九州芸文館と同じ隈研吾建築都市設計事務所
による設計。この建物は三角形の板を組み合わせて、
拡張、縮小が自由にできるワークショップスペースと
なっている。小さな部材の反復で全体が作られている。


建物の美しさは反復される素材や形にかかっている。
部分から全体へ、反復のルールにより作られた形は、
場合により、秩序が失われることもあるかも知れない。
隈研吾氏といえば、それらをたくみに操り美しい空間
を作りあげていく。木の素材が持つ心地よさがある。

高知の梼原町にあるギャラリー。朝のおだやかな光と影
太宰府天満宮のスタバでは、木材の連なりが独特の空間に
アオーレ長岡でも木材が反復される。新潟は芸術とお酒の聖地





そして反復といえば、この存在を忘れてはならない。
1970年日本万国博覧会のお祭り広場の大屋根である。
できるだけ単純で、無方向性、かつ増殖可能性などが
求められていたようだ。結果、幅108m、長さ291mの
大屋根は太陽の塔とともに、万博を象徴する構造物に。
そして太陽の塔はこの屋根をぶちやぶるように建つ。
それを実現させたのは技術者の努力の賜物だと思う。




部分から全体へ。ひとつの形が繰り返され、全体像が
作りあげられていた過去の風景を思い浮かべてみる。
そこには秩序と無秩序が入り混じり、おもしろくて
不思議な光景が広がって。反復を恐れることはない。

ステンレスのパイプとヒノキの枝材が作る形は全体へ広がる
六甲枝垂れは三分一博志氏が手掛けた自然を体感できる施設
箱根の彫刻の森美術館のシャボン玉のお城。部分が増殖して
同じく彫刻の森の交差する空間構造。秩序と無秩序の間にある



最近、8人組のバンドである片想いの3rd Albumの
「LIV TOWER」をよく聞いている。ファンクのような
楽しいリズムとゆったりとした心地よさが融合された
音楽は、ただただ楽しい。その曲の中で歌われる言葉に
は奥行きがあり、しんみりとした情景が描かれている。

反復を恐れるな! しんみりとした曲の中にも希望が
垣間見える。この反復は、部分から全体という意味では
ないが反復という言葉が印象的だ。環境という曲も
よい。それでも始まるああ今日も。日々を繰り返そう。


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