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往復書簡

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画家 小河泰帆とタシロサトミの往復書簡。制作について、日々思うことについてやりとりしていきます。
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#絵画

続、野望のおはなし 往復書簡#46

続、野望のおはなし 往復書簡#46

画家・小河泰帆さんとの往復書簡46回目です。
前回はこちら、美術史と野望のおはなし。

小河さんがすごくいい文章を書いてくださったので、お応えすべく私も正直に、野望について書きます。野望という言葉のもつメラメラした感じに見合う感情は、持ってる時期とそうでない時期がありますよ。私は来年で作家活動10年なのですが、ムサビ卒業したての2014年頃の野望は、いつか品川の原美術館で展示したい、でした。

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noteの効果と思ったこと。小河の場合 往復書簡#33

noteの効果と思ったこと。小河の場合 往復書簡#33

画家・タシロサトミさんとの往復書簡33回目です。
前回はタシロさんのひとり年末反省会と、違うということでした。

料理中に絵が見えて火加減調整のタイミングングを逸するってあるあるですよね。
私も家事をしてる途中で絵を描きに行ってしまうことは多々ありです。その確率が一番多いのは洗濯物かな。洗濯機回してる間に絵のことに集中してしまい、干すのを忘れちゃう。家とアトリエが一緒で制作の合間に家事ができるのは

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舞台芸術を鑑賞すること 往復書簡#20

舞台芸術を鑑賞すること 往復書簡#20

画家・小河泰帆さんとの往復書簡20回目です。
前回のお話は絵画作品以外の、影響を受けたり参考にしているもののお話でした。

やはり小河さんにとっては演劇が柱なのですね。「才能というのは、夢を見続ける力のこと」、いいセリフですね。

私、第三舞台はみたことないのです。劇団☆新感線と演劇集団キャラメルボックス、大人計画、ナイロン100℃はそれぞれ1.2回だけ見たことあって、なんとなく雰囲気がわかる程度

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SNSのマイナス面、著作権とか 往復書簡#18

SNSのマイナス面、著作権とか 往復書簡#18

画家 小河泰帆さんとの往復書簡18回目ですよ。
前回に引き続き、作家活動とSNSについてのお話です。

SNSはいろいろな使い方ができるので、悩ましいですよね。
私自身、確固たるポリシーがあるわけでもなく何となく日々使っているので、小河さんの文章を読んでだいぶ整理できた感じがしました。

マイナス面として挙げられていた著作権トラブルは、巻き込まれると本当に面倒だし深刻なので、できることなら一生煩わ

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事務仕事のスイッチ 往復書簡#16

事務仕事のスイッチ 往復書簡#16

画家・小河泰帆さんとの往復書簡16回目です。
前回は絵を描くことの快感についてでした。

特に快感なのは描き出しとのこと、よくわかります。むちゃくちゃ気持ちいいですね。

あの気持ちよさの一番古い記憶はどれだろうと記憶をたどると、小学校にあがる前くらいの頃カレンダーの裏にしたお絵かきで、月の終わりに母親が壁掛けカレンダーを一枚破いて渡してくれて、お絵かき帳よりも大きなサイズの紙なので嬉しかったのを

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不定形パネルと触覚について 往復書簡#14

不定形パネルと触覚について 往復書簡#14

画家・小河泰帆さんとの往復書簡14回目ですよ。
前回は完成を決めるタイミングについてのお話でした。

完成を決める難しさ、本当にそうだよなと思いました。

自宅の壁に飾っての検証は、時間が許すかぎり私もよくやります。
この作業、私は作品を忘れないとできないので、数日のあいだ絵を隠しておきます。
描いたばかりの作品は、自分と一体化してしまっている感覚があります。たっぷり絵具を含んだ筆を滑らせた時の快

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混色する理由、唯一無二性 往復書簡#12

混色する理由、唯一無二性 往復書簡#12

画家・小河泰帆さんとの往復書簡12回目ですよ。
前回は色彩について伺いました。

小河さんのモノトーン作品、7回目の往復書簡で「戦ってる絵」って表現されてましたけど、本当にそういう感じ。ヒリヒリするような絵ですね。すごいな。かっこいい。

学生時代の無彩色があり、9年間のお休み期間を経て、復帰後に色が出てきたというのはなんとも不思議で面白いです。やっぱりそのタイミングでしか描けない絵があるというか

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