見出し画像

2020年の寄付事情(1月編)

寄付に関する報道やインターネットの情報から2020年の寄付事情を探っていきます。最初は1月編からです。

みなさん、年明け早々にネット界隈で大注目されるチャリティイベントをご存じでしょうか?

「埼玉政財界人チャリティ歌謡祭」
元日夜にテレビ埼玉で放映されているものです。
「しょっぱなから死んだ目をした社員たちが見れて最高!」29回目を迎える奇祭が今年も開催!#埼玉政財界人チャリティ歌謡祭https://togetter.com/li/1450147
ネット界隈でお正月の風物詩として有名なイベントになっています。
第29回を迎えた2020年の歌謡祭で寄付の累計は約2,800万円となっています。

さて、2020年の寄付は、前年の出来事から続いている寄付から始まりました。
・京都アニメーションの放火殺人事件(7月18日)
・台風15号(9月9日)千葉県
・台風19号・21号(10月12日)東日本
・首里城の火災(10月31日)

2020年で最初に注目されたのが、オーストラリアの森林火災の寄付でした。森林火災は2019年9月から発生していましたが、年明けに大きく報道されるようになりました。

オーストラリアではほぼ毎年のように森林火災が発生しているが、特に2019年は、平均降水量が観測史上最も少なく空気が乾燥していたのに加え、平均気温も過去最高を記録し、12月には記録的な熱波が到来するなど、火災が発生・拡大しやすい条件が整っていた。2019年9月頃から南東部のニューサウスウェールズ州を中心に頻発するようになった森林火災は、乾燥・高温・強風の条件が重なり全国的に猛威を振るった。夏季のピークとなる1月・2月を前にして既に被害は甚大であり、2020年1月11日には、類焼面積10,700,000ヘクタール(107,000平方キロメートル)以上、建物被害5,900棟以上(うち住宅2,204棟以上)、死者29名にまで拡がった。
(Wikipediaより)

オーストラリアの森林火災の報道が増えるとともに、森林火災に対する寄付の情報も流通してきました。1月10日頃から海外のアーティストやスポーツ選手によるチャリティが目立って報道されました。国内では、ロッテのコアラのマーチによる寄付や、ANAやサントリーの義援金がありました。ラッシュジャパンによる、売り上げが全額寄付になるコアラ型の限定チャリティ・ソープが発売開始になったのは1月29日でした。
1月21日には、YouTuberのヒカキンさんによる寄付の呼びかけもありました。
ヒカキン
#オーストラリア #森林火災 #募金
【拡散希望】ヒカキンと一緒にオーストラリア森林火災の被災地に募金しませんか?【コアラを助けたい】【寄付の方法】

2020年1月後半は、寄付の話題といえば、オーストラリアの森林火災の寄付でした。

一方で、1月26日頃から中国・武漢の新型コロナウィルス対応への支援が報道されるようになりました。個人の支援ではなく、国内外ともに企業の支援が中心でした。日本企業も中国支社を持っている企業の支援が注目されていました。
1月はオーストラリアの森林火災から始まり、1月末には新型コロナウィルスが寄付のテーマとして浮上してきました。

なお、季節性のものとしては、2月のバレンタインデーにあわせて、チョコレートに関する寄付付き商品のPRが1月後半から始まっていました。

注目されるトピックスはこちらです。

漫画家の末次由紀さんによる、ちはやふる基金の立ち上げ
百人一首のかるたをテーマにした漫画「ちはやふる」を連載していた漫画家の末次由紀さんがかるた界に恩返しできることはないかということで始めた基金です。この基金を立ち上げた経緯が漫画になっているのが面白い。創設者の思いが伝わってきます。

本田圭佑さんによる寄付サイト
NowDonationは、経済的に余裕がなく、だれよりも頑張って練習に励んでいる少年・少女が、クラウドファンディングという仕組みを使って支援者を探してお金を調達できる仕組みです。
本田さんの取り組みが可視化された寄付サイトですね。現在は、オーストラリアの森林火災の取り組みが掲載されています。今後、本田さんのソーシャルな活動はこのプラットフォームで寄付が集められるようです。

アメリカでは、ゲームイベントによるチャリティイベントも盛んになっています。特に、こちらのイベントが有名なようです。
米チャリティースピードランイベント「AGDQ2020」
寄付は310万ドル超で過去最高に
1月上旬に行われた「Awesome Games Done Quick」
GameBusiness.jp 2020.1.14

寄付の事例として特筆されるのは、国宝の購入のための5億円のファンドレイジングでした。
瀬戸内市、国宝「山鳥毛」購入へ 募金目標5.1億円に到達

最後に、寄付に関するオピニオン的な記事をいくつかご紹介します。

プロ野球選手集結するチャリティ実現の舞台裏~球団の垣根を越えたどんなイベントなのか(岡田 真理・東洋経済ONLINE 2020/01/04 15:00)
★NPO法人「ベースボール・レジェンド・ファウンデーション(BLF)」の代表であり、スポーツライターの岡田真理さんの記事です。プロスポーツのチャリティ活動の在り方を提言する良記事です。チャリティは単にお金を集めるためのものではなく、選手とファンが同じ思いを持つことが出来る仕掛け作りという視点が参考になります。

本田圭佑 寄付の公表に持論「偽善とか売名は積極的にどんどんしろ!」
スポニチ 2020年1月22日
★本田圭佑さんのTwitterのつぶやきからの新聞記事ですが、現在の日本の寄付文化を端的に表していますね。寄付をしたことをもっと称え合う文化を目指しましょう!

「共感」でお金を集める時代は終わった? 2020年代のクラウドファンディング論(READYFOR note 2020/01/28 )
★クラウドファンディングの老舗であるREADYFORのキュレーターによる記事です。READYFOR自体が「共感」という言葉を積極的に使っていたので、この記事は衝撃的に受け取られたかもしれませんが、SNSでよくシェアされていました。お金の出し手について、新たな視点で分析したものとして参考になります。
山田のイメージでは「共感」というものはそのまま残りつつ、違う見方の人たちも可視化されつつあるという感じです。

夫が寄付を続けてます(WOMENS PARK 2020/01/31)
★Webの悩み相談コーナーに寄せられたお悩みとその回答です。
寄付について、一般的な感覚を知ることができるので、一読をお勧めです。寄付をしている方で、家族が反対されている方に特におすすめです。

https://women.benesse.ne.jp/forum/zboca040?CONTENTS_ID=01830101&MESSAGE_ID=526152&SEARCH=no&TARGETPAGE=1

以上です。

【2020年の月別の寄付動向の一覧】
2020年1月
https://note.com/yasuhisayamada/n/n92303a7a1acf
2020年2月
https://note.com/yasuhisayamada/n/nd1a48bb41203
2020年3月
https://note.com/yasuhisayamada/n/n8a15d31ad2e9
2020年4月
https://note.com/yasuhisayamada/n/nbc22c29cd560
2020年5月
https://note.com/yasuhisayamada/n/necb973987aba
2020年6月
https://note.com/yasuhisayamada/n/n7e1eebb5b01c
2020年7月
https://note.com/yasuhisayamada/n/n0307ff834548
2020年8月
https://note.com/yasuhisayamada/n/n053330f62bf0
2020年9月
https://note.com/yasuhisayamada/n/n391c26018a2e
2020年10月
https://note.com/yasuhisayamada/n/n9aa61cc98eea
2020年11月
https://note.com/yasuhisayamada/n/n49b15d2cb899
2020年12月
https://note.com/yasuhisayamada/n/n35308bdbe02e

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?