2020年の寄付事情（6月編）

2020年12月26日 18:18

寄付に関する報道やインターネットの情報から2020年の寄付事情を探っていきます。今回は、2020年6月の寄付事情です。
2020年6月は、国内ではほぼ新型コロナウィルス一色でしたが、アメリカではBlack Lives Matter運動への寄付もありました。

１．寄付付き商品

ネットで検索した範囲ですが、新型コロナの寄付付き商品について、6月から実施されたものは34件でした。その他の社会課題をテーマにしたものは32件でした。
新型コロナ関連では、様々な種類の寄付付き商品がありました。例えば、ECストアの売上の１％を寄付にするなどがありました。
新型コロナ以外では、環境の取り組み、LGBTなどへの支援でした。海外では、ファッションブランドがBlack Lives Matter支援のチャリティTシャツなどがありました。
ちなみに、新型コロナ以前から子ども支援や福祉支援を行う寄付付き商品を企画していた場合、途中でそれに寄せた新型コロナ支援に振り替えているのかなと思います。一方で、環境やLGBTはそれに関連した商品を企画しているので、そのまま企画を進めているのではと推察しています。

２．企業の動き

企業の動きとして、5月に引き続いて、6月も新型コロナに関する直接寄付と物品寄付が中心でした。国内の企業では、1000万円～5000万円の支援が中心でした。
企業による寄付や支援について、国内外を問わず、1億円以上の大口のものをピックアップしました。

【新型コロナウイルス関連】
・オリンパス株式会社　新型コロナウイルス感染症対策としてグローバルで合計1億円相当の支援
・米ジェフリーズ　コロナウイルス救援慈善組織へ９２５万ドルを寄付
・ヤオコー　医療従事者支援で2億5000万円寄付（1都6県）
・Bytedance（TikTok運営会社）　地域医療機能推進機構に1億円を寄付、日本における寄付は総額2億円に
・三菱商事　10億円を寄付（国境なき医師団、ジャパン・プラットフォームなど）
・明治安田生命　あしなが育英会に１億円寄付
・日本郵政　感染症対策で日本赤十字社に1億円の寄付
・株式会社ミクシィ　「みてね基金」国内外で累計4億円を資金提供（新型コロナウイルスの影響で緊急支援が必要な子どもとその家族を支援）

【その他の支援】
・『ポケモン GO』の生みの親 Niantic　Black Lives Matter 支援のため5億円以上の寄付
・Facebook　人種問題に取り組む団体に11億円を寄付
・ディズニー全米デモで2億2000万円相当の寄付
・ポケモン　黒人の子どもたち支援へ　世界の非営利団体に500万ドル寄付
・イオン　2019年度レジ袋販売収益1億3,999万円を寄付

３．有名人の支援

ネットで検索した範囲で見つけた、寄付を積極的に行っていた有名人やスポーツ選手です（チャリティイベントを主催したり、参加しているケースはここで対象外にしています）。

【新型コロナ関連】
日本社会人アメリカンフットボール協会、BiSH、志尊淳、上沼恵美子、藤野智哉、JRA騎手クラブ、高梨沙羅（スキー）、ジェジュン、ロッテ（野球）、キアヌ・リーブス、キム・ナヨン（スケート）、中日ドラゴンズ（野球）、ジョコビッチ（テニス）、TEグロンコウスキー（アメフト）、シャキール・オニール（アメフト）、ニコ・ロズベルグ（F1）、フィオナ・アップル、ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文、キャリーCEO（F1)、ユ・ソヨン（ゴルフ）、イ・ミンホ（ゴルフ）、BTS、テベス（サッカー）、川崎ＢＴ（バスケ）、サザンオールスターズ、生島ヒロシ、アミューズ、巨人（野球）、セレーナ・ゴメス、ジャネール・モネイ、ビリー・ポーター

【その他】
M・ジョーダン（バスケットボール）、カニエ・ウェスト（デザイナー）、パッカーズ（アメフト）、RAIN、マイケル・ブーブレ、BTS、レオナルド・ディカプリオ、ナタリー・ポートマン、雅子皇后、BTS、KAWS、ラッシュフォード、リアーナ、ネットフリックスCEO夫妻、ローランド、ジョーダン・ピール（映画監督）、角中勝也（野球）、西武・山川＆森（野球）、ブラッド・ピット

４．新しい動き

6月の寄付動向について、国内は新型コロナウイルス、海外が新型コロナウイルス＋Black Lives Matter運動という流れでした。

国内の新型コロナウイルス関連では、オンラインによるチャリティイベントが増えてきました。サザンオールスターズやジャニーズによるオンライン・チャリティ・イベントが注目されました。
プロスポーツ選手、アスリート、芸能人が出品するチャリティ・オークションも多くみられました。
その他にも、多様な組織や団体、企業が様々な方法で新型コロナウイルス関連の取り組みを行っていました。
また、この頃から寄付や支援に関するおまとめサイトも増えてきました。

一方、海外では、新型コロナウイルス関連の取り組みよりは、Black Lives Matter運動の取り組みの方が注目されていました。

以下は、寄付に関する新しいプロジェクトをピックアップしました。

・"新型コロナによる生活困窮者などへの支援で「寄付する人」と「寄付される人」を直接つなぐプラットフォーム「キフミー」のサービスが開始
・ポイントを寄付して未来の災害に備える：ポイントドネーションシステム「BOSAI POINT」全国サービス開始
・コカ・コーラによるJOCオリンピック支援自販機の設置

最後に、2020年6月に公開された記事を気になったものをピックアップしました。

アクティビスト紗栄子が語るマスク寄贈や社会支援活動　「信念があるから、ネットの批判は気にしない」 https://www.wwdjapan.com/articles/1086524

米高額寄付者ランキング・トップ10、もっとも寛大な億万長者は？
https://forbesjapan.com/articles/detail/35114

コロナ危機が寄付と投資に与える影響
日本ファンドレイジング協会　代表理事　鵜尾雅隆　（聞き手：PHP総研　山田花菜）
https://thinktank.php.co.jp/kaeruhito/6372/

コロナ給付金寄付プロジェクト、10万円特別定額給付金に関する調査を発表
株式会社トラストバンク
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000578.000026811.html

コロナ禍で増える「趣味や生活を守る」寄付　なじみのない人も「みんながダメージ実感」し行動へ〈AERA〉
https://dot.asahi.com/aera/2020061700076.html

「今、メルカリができることは何か？」初となる寄付プロジェクト始動までを振り返る
https://mercan.mercari.com/articles/23479/

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