顧客生涯価値を理解する〜マーケティング・マネジメント第16版を読む
第19章 顧客ロイヤルティの構築の第4回は顧客生涯価値(CLV Cusotomer Life time Value)についてです。
定義は以下の通りです。
顧客生涯価値は、一人の顧客を獲得して維持するのにかかるコストとその顧客が生涯にわたってもたらしてくれる収益の合計から計算される価値のことを指します。
また、顧客生涯価値は、カスタマー・エクイティとも呼ばれています。
ブランド・エクイティとの比較
なぜ、顧客生涯価値が注目されるのかを考える際に、共通点も多いブランド・エクイティと比較するとよくわかります。
上の表にあるように、サービス中心型のビジネスにおいては顧客生涯価値を重視することが理にかなっています。
サブスク型のようなビジネスにおいては、サービスの利用の継続が重要となりますので顧客との長期の関係性を重視する顧客生涯価値の指標が重視されます。
一方で、ブランド・エクイティを重視する企業にとっても、顧客生涯価値の重要性は高まってますよね。
サービスは重要なブランドの価値の一部ですし、生涯にわたってそのブランドのファンになってくれるような関係構築が必要とされています。
一例をあげると、メルセデス・ベンツのAクラスですね。
Aクラスは、ベンツの中でもエントリー・モデルで比較的若い人をターゲットにしています。若い人でも手を出せる価格帯でベンツオーナーになってもらい、良い経験を提供し長期の関係を築くことを狙っているそうです。
顧客生涯価値を高める方法
企業やブランドを信頼して長期間の関係を構築するための3つの重要な要素があります。
コンピテンス(能力)、誠実さ、善意の3つです。
コンピテンス:必要なスキルを持っているか、期待に沿う、もしくは期待以上の成果を上げることができるかが問われます。
誠実さ:一貫して真実のみを語り、約束を守ることです。
善意:正しい取引を実施していること。従業員が顧客ニーズを明確に理解していることが重要です。
顧客が「信頼している」企業でも3つすべてを兼ね備えているとはいえません。
自社がどこが良くてどこを改善すべきなのんかを具体的に把握しなくてならないです。
顧客とのタッチポイントのすべてにおいて価値の構築をめざす
顧客と企業やブランドが接する場所のことをタッチポイントといいます。
目に触れる場所、実際に経験する時、質問するときなど、ありとあらゆる場面での顧客との接点において顧客が価値を見出すことができるように努めることが顧客生涯価値の向上につながります。
まとめ
今回は、顧客生涯価値の重要性とその高め方について説明しました。消費が”モノ”から”コト”へと変化が進むと言われる中で顧客生涯価値を重視したマーケティング活動はより一層注目されることでしょう。
ぜひ、自社の顧客生涯価値がどのくらいあって、どうすれば高めることができるか検討してみましょう。
顧客生涯価値の重要性について下の記事にまとめています。
最後までお読みいただき有難うございました。
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