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マックの物語(15)

しばらくマックの物語が書けませんでした・・・
これで最後になるかもしれません。

マックは今休んでいます。

14回でお話した後、
マックは元気に回復していった。

約束した歴史シリーズを順調に終了。
「織田信長」
「武田信玄」
「坂本竜馬」
「徳川家康」
のはずだった・・・

話も明るく力強くなった、
マックは、実は麻雀が大好きで
昔はよく家族で楽しんだこともあると
話してくれた。

僕も麻雀は詳しくて・・・
と言うか雀荘でアルバイトした
時代もあり。(笑)

48時間くら打ち続けたこともあります。(笑笑)
その頃の話もいつかしたいんですが。

とにかくマックは麻雀にも詳しかった。

そして
マックの大きな変化は
学校の図書室に通うようになり。

読書クラブに入ったのです。
この話を聞いた時は
天にも昇るほど喜びました。

そして
マックは10日間に7冊の本を
読むという荒業をやってのける。

「本て面白いんですね」
「人間って変われるんですね」
マックの言葉が嬉しかった。

お母さんもとても喜び
「信じられない」と、この奇跡を
僕に伝えてくれました。

5月の終わり頃には
教室に飾ってある剣玉をもって
僕のところへやってきて。

「これ難しいんですよね・・・」
「おおっ、やってみろよ!
子供の頃やったことあるだろ?」
「・・・いえ」
少しトーンが落ちた。
「やりたかったんですけど・・・」
やりたかったけれど、機会がなかったんだな。

「よし、じゃ今やれ!
教えてやるよ」
「ハイ!」
マックは剣玉のやり方を知らなかった
糸が切れるのではないかというくらいに
ぐるぐると回し始めた。

僕は思わずニヤニヤしてしまった。
そして丁寧に教えた、
マックは羨ましそうに
ジッと見入りながら、
「上手いもんですね」

ほめられた。(笑)

そんな風に過ごせるくらい
元気だった。

ところが
梅雨入りとともに
マックの様子がおかしくなり、

来なくなる一週前は
何とかお母さんとやってきが、
目に生気が無くなり
初めて会った頃のマックに
戻ってしまったのだ。

そして翌週
お母さんから電話があった。

既に学校に10日間以上通えない
状況、読書教室には
何とか通いたいのだが
体と心がどうしてもいうことを
きかないのだと連絡
してきた。

お母さんは「7月だけ休ませたい」
と言っていたが、こういうケースは
大体来れなくなってしまう。

マックよ、どうした!
何があったんだ?
また、僕に話しをしてくれよ。

「徳川家康」は残すところ
三分の一だ。

マックは「徳川家康」を2回目に
読むとき。
嬉しそうに自分が差し込んだ栞を
抜き取り、

「こういう本は僕しか読まないから、
栞の位置が変わっていないんですよね」
と嬉しそうに本を開き、
「今日は3.0倍で・・・何ページで・・・」
と専門家のように機械をいじりながら
横目で僕を見た。

表情がとても生き生きとしてた、

マックよ歴史シリーズは
終わっていないぞ!
逃げるのか!

逃げてばかりいても
何も変わらないんだぞ!

僕は電話をしようか?
とも思ったがやめた。

その代わりに
手紙を書いた。
一生懸命書いた。
恋人に思いを伝えるように
一生懸命書いた。

一週間以上が経過したが
返事はない。教室にも来ない。

僕は待っている、
君が元気にやってくるのを。
いつまでも待っている。

台風がきました、
空梅雨と言われていたが
ようやく梅雨らしくなりました。

一雨毎に夏が近づいてきます、
そう、
もうすぐ元気な夏がやっくる。

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