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「ツタンカーメン堂の新春秘宝展」インタビューその②木彫担当者

白白庵企画・ツタンカーメン堂presents
「ツタンカーメン堂の新春秘宝展」
初日である2021年1月23日。正体非公開のはずのツタンカーメン堂が取材快諾。白白庵公式アカウントにてインタビューが配信されました。
(アーカイブはこちら)
当記事はそのインタビュー書き起こしに若干の加筆修正を施したものです。
第二弾はツタンカーメン堂・木彫部門の製造担当者。
物腰柔らかな言葉の端々から、その仮面の下に潜む仏師としての確かな意志を感じました。


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--準備が整った様子ですね。木彫担当の方でお間違いないでしょうか?

そうです。見た目が大体いっしょなので分かりにくいですけども。

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「千手スプーン観音」

--では早速「千手スプーン観音」から。格調高く美しいお顔ですね。

僕の好きな仏像のひとつが観心寺の「如意輪観音」。
そのお顔を少し意識した作りとなりました。

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--背中にスプーンが付いているとは言え、仏像そのものは本格的な作りになっているように見受けられますが、何かそういったお仕事にも携わっていらっしゃるのでしょうか?

そうですね。
仏像を彫ったり、時にお寺のお仕事をさせて頂いたりもしてます。

--こちらに仕込まれたいろんなギミックについてもお話ください。

ちょっと不謹慎ですけどね笑
十一面ですのでその本数、ワインオープナーとかストッパーが仕込まれています。ちょっと生首みたいですね。

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--出るとこ出たら怒られそうですね。

仕事柄、顔出したらマズいですね。笑

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--背中のスプーンがガンダムみたいです。

エイリアンっぽくも見えますね。映画「エイリアン」の幼虫みたい。
千手観音の腕は略式で合計四十二本が一般的ですが、スプーンの大きさの都合で背中は十八本となってます。

--白白庵はすぐそばが青山霊園ですが、実は設営してたらお墓参りの方が外からこちらを拝んでまして。

一応「千手スプーン」で掬う(救う)ものとかけてまして。そうしたコンセプトがあって作る中、コロナ禍になってしまいました。世界を救うと言うと恩着せがましいかもしれませんが、明るい話題を提供できたらな、という思いもありますし、拝んで頂けるのは嬉しいですね。
霊園の方はこれをどう見られてるかわからないですけども笑

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--そうは言ってもパーティー用ですよね。蓮のスパイスポット付き。

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「仏手ハンガー(金箔)」

--ありがたい作品ばかりですがこちらのハンガーについて。

大日如来の印を模したもので。智拳印というんですけれども。
その人差し指の曲がり方がちょうど引っ掛けるのに良さそうに思いました。

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これに服をかければ外で拾った悪霊とか邪気とかコロナを祓ってくれるのではと思います。

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「仏手ハンガー(オイルステイン)」


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「仏手フック」

--「仏手フック」も今回の新作ですね。

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形がちょうど良さそうだな、と思いまして。
仏像もいろいろ手に持っていることが多いので、こうやって壁にあったら引っ掛けるのにちょうど良さそうだな、と。まぁ短絡的な発想ですけどね。ありがたい仕様です。


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「秘仏ロウソク」

--変わり種がこちらの秘仏ロウソク。


これも一押しですけれども。火を付けると溶けて中が徐々に見えてくるのですが、火をつけてしまうと売り物にならないのでお見せすることができません。
(小声で)実は仏像が隠されています。
どんな仏像が隠されているのか期待と想像を膨らませて頂きたいですね。
匂いも白檀のいい香りです。
最近ロウソク作りにハマってまして。全部、木型の作成から担当しています。


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--ロウソクはもう一種。仏手ロウソク

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「仏手ロウソク」


火のつく場所が二箇所で二倍明るい。
ありがたいロウソクなので使うのに躊躇うかもしれませんが、仏教の教えで「形あるものはいずれ滅びゆく」と言われますし、使って頂いた方がありがたいですね。


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「秘仏マスク」

ーこちらの「秘仏マスク」は波津あゆ子さんとのコラボ作品ですね。

檜で作った小さな仏像が入ってます。覗いてはいけないです。
マスクをつけると檜の甘い香りがふわっと拡がりますし、檜自体に抗菌作用もあるのでコロナには効果バッチリではないでしょうか。

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「秘仏マスク」


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「獅噛タオル掛け」

これはもう定番ですね笑
四天王像のお腹で帯を噛んでいる「獅噛」というのがありまして、帯を噛んでいるならタオル掛けにちょうど良さそうで同じようなものですし。

--2018年の白白庵個展で初出品でした。

日に日に腕は上がっているので作りは良くなっているかな、と思いますね。
いまやツタンカーメン堂定番商品です。


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タコフック

--タコフック。もはやツタンカーメン堂と言えば!というアイテムで。

これはブレずに続けていますね。タコ、好きなので。

--その発展として新作がこちら。

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「ツインタコフック」

ふたつ掛けられるようになったらなんてありがたいんだろう!と思いついて。
以前に発表した八本足のタコハンガーだと大きくて邪魔ですからね。二本なら小回りが効きますね。


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「管狐箸」

「管狐」をモチーフに制作しました。自在に手が動く変わった箸です。

竹の筒に住む妖怪というか式神ですね。持ち主に富をもたらすけれども、油断すると増えすぎて食い潰すとか。2匹なら安心ですね。

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--木彫作品は以上ですね。

ええ。千手観音で力尽きました。フルスイングでやっちゃいましたので。

--ぜひご自宅で拝んでいただきたいですね。

是非。お迎え頂きたいですね。この世にふたつとありませんのでね。

ーでは最後に皆様へ〆のメッセージをどうぞ。


今回、オンライン限定での開催となってしまいましたが、作品はこうして展示されオンラインで全てご覧いただけますので、是非手に取って頂いて、これはつまり「買って手にしてください」という意味ですけれども、たっぷりと「ツタンカーメン堂の新春秘宝展」をお楽しみください。

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