グルテンフリーとか低糖質とか〜意識高い系の食トレンドを振り返る
グルテンフリーとかローカーボとか、ベジタリアンとかビーガンとか、
最近何かと、”体に良さそう”な、横文字系が乱立している。
私は、ずっとそういう業界にいるからか、あれなんだっけ?どういう意味?とよく聞かれるので、
ちょっと、感覚的にまとめてみようと思います。
歴史を振り返る〜自然食運動からオーガニックへ
私の昔いた会社は、自然食のパイオニアで40年ほど前から、
世間に逆行したこだわりの商品を製造・販売していた。
それ以前は知らないけれど、1970年頃からの自然食運動に連動する感じで、
大手メーカーが、量産や効率化のために、添加物を多用していたことに逆行し、
無添加や本来の製法で作る”自然食品”に挑戦していた。
量産出来ないし、日持ちもしないから、原価率は高く、
もちろん売価も1.5〜2倍くらいする。
お客様の層としては富裕層と、私のようなアレルギー、
ベジタリアンなどが中心で、友達とか普通の人は買いに来ない(知らない)。
でも、それから有機農業や食の安全が少しずつクローズUPされる時代になり、
ダイエットや美容にこだわる層や、体のメンテナンスを気にする層、
妊娠・出産期など、子供の食育にこだわる層へ、少しづつ広がった。
市場が広がると参入企業も増えるので、
そこまでこだわり強くないけど、価格は抑えめだったりする商品も増えてきた。
アレルギーやベジなどの思想系の人しかいなかったような、自然食カフェに、
親子連れや見た目が派手なママとか、普通の層が来るようになった。
こだわりの幅が広い、美容の人たちも入ってきたから、
市場がグンと広がった感。(※自分の体感調べ)
(感覚的に図にすると、こんな感じ。)
食のトレンド〜ローカーボ、グルテンフリー、ビーガン
では、市場規模はさておき、感覚的なトレンドはどうか、を見てみると、
意識高い系食生活5つのキーワードは、概ね右肩上がり。
(※これあえて、過去にめちゃ流行ったけど、今はダウントレンドなキーワードは入れてません)
低糖質/グルテンフリー/ファスティング/ビーガン/ケトジェニック
一つ一つのキーワードを説明すると、
・低糖質
その名の通り、糖質が低いこと。糖分や炭水化物を抑えた商品だったり、繊維質を入れることで、血糖値が上がりにくくさせるような商品。お菓子だったり飲み物だったり。
人工的なものが食べられない体質の私には、糖質は抑えたけど、代わりに人工甘味料が入っていたりするので、手放しに喜べないトレンド。
昔流行った低GIと似ている商品も多く、何が低糖質なんだろう?と思ったら、雑穀や全粒粉などの繊維質を取ることで、低糖質!とうたっていたり、各社こだわりがバラバラ。
Dean&Delucaさんのランチでは、グリーンサラダを選ぶと、ご飯とか炭水化物抑えて、穀類はキヌアだけの低糖質、ローカーボなサラダ丼みたいになったような気がします。
もう一つ似たようなトレンド、ローカーボ(低炭水化物)の、炭水化物を抑えた商品とも、こだわる部分がかぶるので、ややこしいですね。
キーワードとしては、低糖質がだいぶ市民権を得ているような。
炭水化物を控えるという点では、次のグルテンフリーとごっちゃになっている人もよく見かけます。
・グルテンフリー
小麦に含まれるグルテンを摂りたくない人向け、グルテンや小麦は入ってない製品ですよ、ということ。
また、小麦を使うあらゆるもの、パン・麺・ケーキ・クッキーなどを摂らない、控えること。
そもそもは、小麦のアレルギーや病気の人がやっていたことだけど、ブームに。
なので、普通の人には、小麦そのもの、グルテンがどうかというより、
日常の小麦製品の摂りすぎや高カロリーな(ことが多い)小麦製品を控えることで、体調が良くなったり、ダイエットにも良かったよ、ということだと思います。
グルテンフリーと書いてある製品には、米粉やトウモロコシの粉などを使用するので、低糖質にはならない製品も多いです。(大豆の粉で砂糖控えめだったら、グルテンフリーかつ低糖質の可能性もあり。)
海外のお菓子で、グルテンフリーのものを私はよく買うけれど、
「これ、ガーリック味のおかきやん。」と思うことが多いです。
そうです、つまり、日本が誇る米原料の”おかき・煎餅”は、小麦不使用のグルテンフリーなので、そういう主義の海外の人にあげると、美味しいし喜ばれます。
・ファスティング
断食のことです。断食にはいろんなやり方があるけれど、多くが、酵素飲料を飲んだりするので≒酵素・発酵のトレンドも右肩上がりなのかな、という少々こじつけな感じで出したキーワードです。
酵素や発酵というキーワードも伸びているんだけれど、他のキーワードと並べると、大きすぎて比較にならないから、"酵素飲料を使うファスティング"も意識高い食生活にしました。
(増加の主はダイエットや美容の層だと思われますが、プチ断食したり、食べすぎなんじゃないかな?という、食意識・健康意識が高い層が増えてると思います、というのを語りたかった個人的な他の用途のためのデータなので、悪しからず。)
腸内環境を良くしましょう、という時にも、果物を砂糖と一緒に発酵させた酵素飲料が活躍している模様。
あとは、”コンブチャ”という逆輸入トレンドにも酵素飲料は関係してます。海外で”紅茶キノコ”が”コンブチャ”として流行り、ファスティングの人はもちろん、朝ごはんの置き換えとかダイエットとしても、日本でブームとなりました。
"コンブチャ"の作り方は、茶葉と砂糖を発酵させて作ります。
・ビーガン
ベジタリアンとして、主に野菜を食べる人たちの中でも、
動物性のものは食べない主義の食生活です。
ベジタリアンの中には、卵や乳製品は食べる、魚は食べる、四つ足の肉以外は食べる、などなど一部動物性タンパクも食べるいろんな主義があります。
そんな中、動物性のものは一切食べないのが、ビーガンです。
だから、ビーガン対応、ということは、卵や乳製品(チーズやバター)、お肉や魚はもちろん、魚の出汁とかも入っていないものです。
そして、忘れがちですが、ビーガンはハチミツも食べませんし、
着るものや持ち物に動物性の素材は使用していないものを選ぶので、
ウール(羊毛)や毛皮、本革製品などは使用しません。
なので、ビーガンは、食生活にとどまらず、思想に近いのかもしれません。
私の友人にもビーガンな人はいて、とてもいい人ですが、最近、思想や主義を押し付ける過激派な人たちだけが、ニュースになっているのが残念だったりもします。
ビーガンの人たちの主張の一つ、
「動物を育てるための餌の穀物を栽培する耕地面積は膨大だから、
こぞってお肉を食べる選択よりも、たまにはお肉以外の選択肢があったら、
環境問題に少しは配慮できるかも知れないよ。」みたいな発想は、私も賛成です。
というか、私は個人的に野菜が大好きなので、もっとみんなが野菜を食べるようになったら、美味しい野菜を作る農家さんもどんどん増えていいな、と思っているので、
野菜を美味しく食べられるメソッドが詰まったビーガン料理はとても好きです。
じゃ、ビーガン料理って何?どんなの?という方は、
ベジタリアンレストランガイド「Vegewel」で、近くのお店探してみてください!
ビーガン料理というのは、決して、サラダやポテトフライだけじゃないのです。
・ケトジェニック
これはあんまり聞かないかも知れませんが、急上昇中のキーワードです。
炭水化物を抑えて、良質な脂質などをたくさん摂ろうというものです。
ちょっと前に、シリコンバレーとかそういうのを意識する人たちが、こぞって飲んでいた”バターコーヒー”とか、CMでもやっている”MCTオイル”を取り入れた食生活です。
これは私の想像ですが、ターゲットとしては男性が多く、体鍛えたりして健康意識の高い層で、経営者とか影響力強めの人が多いから、グンと広がってるのかな、という印象です。
前職のベンチャー企業のムキムキの社長や幹部は、お昼にサバ缶食べていたり、明らか炭水化物を抑えたり、鍛えまくったりして、それを社内に情報発信したりしていたので、多分ケトジェニックとかパレオダイエットとか意識していた系だったんでしょう。社内での影響力は大でした。
ブームになった”ココナッツオイル”も、良質な植物性の脂質なので、この層の人たちは大好きです。
ダウントレンドになったけど個人的に推したいもの
一時期めちゃ流行った”スムージー”。
コンビニとかでも普通に買えるようになったから、ブームが去ったというより、定番化した、とも言えるのかも知れませんが、
今の”スムージー”は、フルーツ入りの青汁みたいな位置なので、本領発揮ではない気がしてます。
元々は、ローフードの人たちの食生活の一部、スムージーが独立してブームになったもの。
ローフードとは、raw、生、非加熱の状態のものを摂ることで、酵素もたくさん摂りましょう、ということ。
だから、いわゆる普通のジューサー、ミキサーで、ガガガっと作ったのでは、酵素は壊れてるし、駅前のジューススタンドやコンビニのパックで飲んでも、
もはや、酵素はいない。
ローフードの人たちが推すのは、コールドプレスで絞る、作るスムージー。
もう、これ全然味が違います。
次いで、自分ん家で作るスムージー。ミキサーだったとしても、小松菜とかバナナとかで、作り立てを飲むやつは、格別です。
そういうのが、本来のスムージーだったので、なんか新しくオサレな青汁になって、人気者にはなったけど、美味しくしようと、結構糖質が多かったりもするので、体にいいのか、どうなのか、微妙な気分がしています。
ちなみに大阪ですが、ASAKARA GOOD STOREさんでは、コールドプレスで絞るので、本来のスムージーが体験できますよ!
ここは追熟したバナナを使用するので、お砂糖も不使用。超意識高い系です。
アレルギーがもたらした意識高い食生活
私はVegewelというベジタリアンレストランガイドで、
ライターとして記事を書いています。
ベジタリアンではないですが、元々のアレルギー体質から、
お肉を控えた食事の方が体調が良いのです。
そのアレルギー体質故に、食べられないものが多すぎて、
苦労も多かったのだけれど、よくよく振り返れば、
そんな体質が、私にいろんな体験をもたらしてくれています。
お仕事として、自分の体質でも食べられる食品・化粧品を製造販売していた
オーガニックフード・コスメのお店の店長として、何年か働いてみたり。
ライターの仕事もそういう体質、業界の経験あってこそです。
オーガニックやベジタリアン、無添加、みたいなキーワードが、
こんなに流行するずっと前、昭和の時代から生活の一部になっているため、
ちょいちょい私に仕事を運んできます。
最近は、某大手食品メーカーのマーケ担当の人から、そういうトレンドを教えて欲しい、と言われたり、前の会社では、企画部門ではないのに、ナチュラル系商品の開発チームに入っていたり。
自分では 利己的なベジタリアン として、環境とか動物のためとかではなく、自分の体質に引っ張られただけのことなので、不思議な感じです。
ということで、今回はこの辺でおしまい!
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これ、ちょっと前の記事だけど、結構読まれています。
グルテンフリーやビーガン(卵・乳製品不使用)なお菓子などを、
特に人にあげても喜ばれるくらい美味しいものだけ、厳選しています。
自分用に、贈り物に、どうぞご活用ください〜!
いつも応援ありがとうございます♡