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2023年1月の記事一覧
読書日記『いま集合的無意識を、』(神林長平,2012)
神林長平作品2冊目。
「伊藤計劃を読んだならこれも」と『言壺』を勧めてくれた友人のおすすめ。
正直、『言壺』に感じたような衝撃的面白さは無かった。連作短編集ではなく、初出がバラバラの短編を集めたものだからだろう。
好きなのは「かくも無数の悲鳴」、次点で「切り落とし」「いま集合的無意識を、」かな。
「かくも無数の悲鳴」は量子力学的なお話で、物理は全然わからないけど、こういう話は大好き。
「切
読書日記『侵略少女』(古野まほろ,2022)
中学生の頃から追っかけている古野まほろの最新作。
『終末少女』『征服少女』とともに天国三部作と呼ばれている通り、天国と人間と地獄のものがたり。
もちろん、本格ミステリで、古野まほろ節がゴリゴリだ。だから、予定調和的に女子校で、予定調和的に孤島であり密室で、予定調和的に読者への挑戦状がある。分厚さもいつも通りで、本を開くまでのタメの時間が必要だけれど、読み始めてしまえば貪るように読み進めてしまう。
読書日記『コミュニティデザイン 人がつながるしくみをつくる 』(山崎亮,2011)
1、2年前に日本農業新聞にて掲載されていたコラムがきっかけで山崎さんを知った。ワークショップの手法や注意点、どんな効果があったのかを中心に書かれていた。もともと美術やデザインといったものに興味があったし、研究室の分野に近いこともあって、その連載を楽しみにしていた。
そんなきっかけで、本書に目をつけてはいたものの、読むのはこんなに遅くなってしまった。読んでから、「もっと早く読んでおけば良かった〜!
読書日記『本屋さんで待ち合わせ』(三浦しをん,2012)
作家・三浦しをんの書評集。たぶん既読なのだけれど、内容は忘れていて、再読したくなったので図書館で借りて来た。
三浦さん特有の、砕けた口調がたまらなく好きだ。中高の図書館の、カウンター前のソファーで、司書さんや先輩、友人とダベっていたときを思い出す。
書評集だし、基本的には本の話をしていくのだが、時々脱線したり、フェチズムを語りだしたり、所信表明をしたり。垣間見える「三浦しをん」が興味深くて、つ
読書日記『みんな、どうして結婚してゆくのだろう』(姫野カオルコ,2000)
1997年の同名作品の文庫版。
姫野カオルコが延々と「結婚」について考えるエッセイである。
私が生まれるよりも前の作品なのに、「女が結婚したがっているなんて誰が決めたの?」「選択的夫婦別姓?やったらいいじゃん」「嫁にしたい女優だぁ?なんだその視点は。演技が上手いかどうかで見ろよ!」「避妊について話し合えない男が多い」みたいなことが書かれていて、面白いと思う反面、20年では男女平等やフェミニズム
読書日記『ゲストハウスがまちを変える エリアの価値を高めるローカルビジネス 』(渡邊崇志・前田有佳利,2022)
ジュンク堂本店で見つけた。
『シェアをデザインする』の読書記録にも書いたが、シェアハウスを運営したい。願わくば、移住者も地元生まれの人も旅人も、いろんなひとが集って新たな関係人口の玄関口になるような、そんな場所にしたい。
そのためには、ゲストハウスという機能もあったらいいなと考え、この本を読んでみようと思った。
勉強になった部分は、「地域融合型ゲストハウス」「未完型」という経営モデルがあること
読書日記『シェアをデザインする 変わるコミュニティ、ビジネス、クリエイションの現場 』(猪熊純・成瀬友梨・門脇耕三,2013)
ジュンク堂本店で見つけた。
少し前に、一年ほどシェアハウスのサブスクをしていたことがある。実家とシェアハウスの二拠点生活的な一年は、他人と住む難しさもあったが、それ以上に刺激的で楽しい時間だった。
就職先である北海道の町には、大々的にシェアハウスを運営しているところはないが、シェアハウスに住みたい欲は止まらない。自分でシェアハウスを運営するとしたら、どんな視点を持っていればいいのか、勉強できそ
読書日記『夏への扉[新版]』(ロバート・A・ハインライン、福島正実・訳、2020)
SFと猫が好きな友人から借りた。友人曰く「猫好きが書いた猫好きのためのSF」。
主人公ダニエル・B・デイヴィスと飼い猫・護民官ペトロニウス(通称ピート)のお話。
ピートはジンジャーエールが好物なのだが、もうこの部分だけでピートが好きになってしまう。私も無類のジンジャーエール(辛口)好きだから。
ピート、めっちゃ猫。良い。
内容は古典的SFという感じで、二転三転する流れが面白かったが、女性に若