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野菜を売るのは難しい【生産者と消費者にとっての正解を探す】


こんにちは。




これから沖縄県内で農家さんから野菜を仕入れて、仕入れた野菜で移動販売を行って、地域に野菜を届けていこうと思っています。




この事業を行おうと考えている身として思うことは、野菜を売るというのはシンプルな事業に見えるが、かなり難しいということ。




過去の記事に書かせてもらいましたが、僕がこれから行おうとしていることは現在の野菜の販売ルートを一本化して消費者に届けるという試みです。


まだ誰もやったことがない新しいビジネスというわけではなく、すでに個人で行っている方も多くいます。

【現在の流通】
【生産者 → JA → 物流会社 → 卸売 → 仲卸 → 小売店 → 消費者】

【これから】
【生産者 → YASAI BIYORI → 消費者】



現在、5つほどの事業者が間に入って消費者に届けている野菜の販売ルートを"一本化"することで、農家さんへの利益還元を目指し、移動販売事業を画策しています。




とはいえ、日々効果的な販売方法や農家さんへの利益分配をどうしていけばいいのかを熟考していますが、その答えがなかなか出ません。
(※移動販売はスーパーとは違い、大量仕入れの大量販売が難しいこともあって)





なぜなら、利益を求める生産者と1円でも安く買いたい消費者側にはどちらにも、それぞれの"正解の価格"があるからです。




野菜を作るための生産コスト(肥料や資材)は、年々あがり続けるにもかかわらず、販売する野菜の価格は上がらず、利益が生まれにくい状況に苦戦する生産者。




そして、物価高騰により生産コストがあがっているのは何となくわかっているものの、チラシを見て数円でも野菜を安く買える店を求める消費者。




たとえば、消費者側の目線に立ってみると、いくら生産コストのことに理解があるとしても、1本300円でナスが販売されていたとしたら、消費者としてはそれは「高いな」と感じるはずです。



野菜の価格が上がらない理由

いつの時代も野菜の価格というのは、ほとんど変化しません。



平成の時代と現代の令和とで、大幅な価格変動はないと思います。




というのも、野菜というのは競争が激しく、同一の野菜に対してそれを供給する生産者(農家さん)が複数いるため、毎日価格競争が行われています。





つまり、販売側(バイヤー)から「入札で仕入れ先を決めます」と言われているような状態。




そんな簡単に収まる話ではないですが、競争が多いことが価格が上がらない原因の一つでもあると思います。




スーパーから言わせてみれば、沖縄のAさんのナスを仕入れるなら単価100円かかるが、熊本のBさんなら単価50円で済むなら、仕入先は熊本のBさんに決まるというわけです。




だから農家さんに還元される利益は安売りによって、必然的に少なくなるというわけです。




作った野菜を売りたい…でも、高い値段にしすぎると売れない…仕方がないからこの値段で我慢しよう…というように、本当は労働と割に合わないけど、販売してくれているスーパーには頭があがらないという状況です。




なので、もし仮に日本に農家さんが10人ほどしかいないとなると、ナスの売値が1本300円どころか3,000円ぐらいになってもおかしくないですね。


販売側にとっても死活問題

これまで、生産者側の目線で話を進めてきましたが、小売店(販売者側)が悪いなんて思っていません。




生産者側が利益を求めるように、販売者側だって利益を求める権利があります。




販売者側はお客様に商品を提供するのと同時に、"これから先も店頭に呼び続けなければならない"という重圧も抱えています。




利益追及のために、高く販売しすぎるとお客様は他店に流れて行きますし、安くしすぎると逆に利益が減ってしまいます。




そのジレンマと戦いながら販売を行っていかなければなりません。



野菜の値段は需要と供給で決まる

知ってる方も多いと思いますが、野菜というのはいつ何時でも安いというわけではなく、高値で取引してもらえる時もあります。



それは悪天候が続いたり、他県で災害があったり、台風で野菜が品薄になった時には、通常ではあり得ないほどの金額がついたりします。




理由としては、小売店のみならず、飲食店やお弁当屋さんなど野菜を必要としている人(事業者)が多くいるため、悪天候などが続くと需要に対して供給が追いつかない状況になってしまいます。



野菜を買う人(事業者)は、毎日仕入れをしなければなりません。




悪天候が続いてしまうと、市場に出荷される野菜が減ってしまいますので、野菜の争奪戦が起こり、通常よりはるかに高い値段で取引が行われます。




逆に天候に恵まれ、豊作だったとき、それは残念ながら他所の農家さんも同じ状況のため、市場に野菜が溢れかえります。



そうすることで起こってしまうのが、暴落です。




需要に対して、供給過多に陥り、通常価格の3分の1まで落ちてしまったりしてしまいます。




なので、沖縄の冬は夏に比べて野菜が作りやすいこともあり、冬のスーパーで販売されている野菜は比較的低価格で販売されています。




僕個人としては、スーパーで100円を切った野菜を目にすると「おいおい、これだと農家の手取りはいくらだよ」って思ってしまいます。




とは言っても、消費者にも正解の価格があるのは理解できるので、これから先も手探りではありますが生産者と消費者、"両者の正解の価格"を探し続けていこうと思います。

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