マガジンのカバー画像

光に堕ちた涙 -もしくは運命に踊らされた悲しみの系譜

21
私の回顧録。 不定期で更新。
運営しているクリエイター

#お酒

最終章 "人"という字に"夢"が寄り添って"儚い"と読みます

最終章 "人"という字に"夢"が寄り添って"儚い"と読みます

あの北新地220万の乱から嘘のように静かな日々が流れていました。
出稼ぎから帰ってきた風俗嬢とカロリを飲み、職業不詳の男性客とシャンペンを軽く飲み、全裸で踊れば着物姿の初老の女性に箸で"息子"を掴まれる。
ざっくり言えばこんな感じの毎日を過ごしていました。

この日もいつもと同じく"貧"と"富"を結び、資本主義の縮図を見せつけるかの如く走る阪急電車に乗り込みました。
握り締めたエナジードリンクがひ

もっとみる
第19章 昼は大学生、夜は水商売!あたいはちょっぴり哀しい魔法少女なの!

第19章 昼は大学生、夜は水商売!あたいはちょっぴり哀しい魔法少女なの!

飛び交う高級酒、パラパラを踊る従業員、知らぬ間に消えた黒人とフリーザ様。
この異様な雰囲気の中、席の片隅で悪魔のような眼差しで飲酒する大学生、それが私でした。
黒人からの告白を受けたフリーザ様が消えて以降の数十分間は記憶にございません。
(※ただ単純に悲しく悔しかったので、目の前のシャンペンをひたすら飲み散らかす妖怪と化していた)

せっせと酒を注ぎ、オオスズメバチの巣みたいな髪型のホステスが歌う

もっとみる
第18章 社畜って哀しいね。だってみんな優しい。

第18章 社畜って哀しいね。だってみんな優しい。

私とフリーザ(最高級のキャバ嬢)の高貴すぎる時間を無惨に奪い去った黒人(付き人の男性)。

私はその場の空気に耐えきれず、洗い場の奥に逃げ込みました。

ハイライトを口に咥え、火をつけました。
辛めの口当たり。
肺に流れ込む重厚感たっぷりの煙。
"労働者階級のタバコ"を肺全体で感じました。

「クヨクヨしてても何も変わらへん。切り替えよ」

私は清潔で健やかな花王のような人間なので、落ちた気持ちを

もっとみる
第十七章 金持ちはアスベストより有害

第十七章 金持ちはアスベストより有害

A社長の席には取っ替え引っ替えキャバ嬢が次々にやってきました。

北新地の高級クラブのナンバーワン、ミナミのキャバクラのナンバーワン、某有名ゲームに登場したキャバ嬢も来店。

当店はお客様が1番!!の姿勢を貫く、良心的公共酒場なので、来店された一人一人のお客様のチャージ料金をきっちり計算しています。
(※実際は搾れるだけ搾り取れ、売り上げが全ての反社会的暴力酒場)

チャージ料金を計算したところ、

もっとみる