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今月の短歌 23年7月1日~7月15日

1991年登場の餅に包まれた魔法の足元

柔らかいシャンブレーシャツ羽織る前グシャッと掴みシワ増やしていく

泳ぎ方の上手下手で競ぶなら街の灯りは黒に染まりて

君のその真新しさに溶け込んで学を楽しめ才を取り込め

吐瀉物や目眩さえ慣れしこの頃眠りは封され鎖が見える

アドラーの思想が受け入れられずに7年寝かせる「嫌われる勇気」

キラキラの集合体が海ならば多岐にわたる航路とは何?

文月のはじめは白鉛筆取り30°ほど価値傾ける

もう二度と研がなくなった6インチのシザー眺め刃毀れ探す

其処は彼となき蒸し暑さ薄暗き宵に燃ゆる赤い立葵

パリ在住流石パリだねパリ最高他を知らずして何故パリなのか

杞憂かな七月六日のパイオニア本音溢れる固定ツイート

0と100で構成される人と人憂い彷徨う「優しい世界」

乱雲に恋咲くベガとアルタイル実は会えない遠距離恋愛

眠れぬ日「insomnia…」と囁いて宴始めいつか終わる毒

片足でジャンプしてみて少し浮くそんな日の君艘見ゆ牛若

容赦無く顔を踏んではご満悦あなたに教えて貰った「抗い」

王様よ始発のこだま乗り込んで一両貸し切りセレブな気分

空覆うグレーのマント脱ぎ捨てて誰が為の散歩天使の梯子

夏蝉鳴き夢幻の時に浸りつつ中天を越え残り五ヶ月

淡々とミルクパズル解いていく君との過去をゼロにしたくて

重過ぎた「精神の鎧」外したら赤子の如く激しくがなれ

熱帯の南が良いかなバイクの旅 島と島を理想で結んで

「ミサンガって知ってる?」って聞いてみたい恋のまじないにもなるみたい

謎のカーゴパンツファッションブーム到来し「待ってました」とクローゼットが言う

透かしたり曲がりくねった物もある役割ありその刃に幸あれ

25時左の腕(かいな)に刻む針明かりを消して三日月を探す

プリザーブドフラワーの微香の中融解するはセピアの誇り

広瀬すずの滑らかなシュートフォームからの一撃周囲どよめく

視界ぼけ現も見えぬ今日という幻のやうに息を吐き、夜

何処までも泳げてしまう君達が遠浅で舞う水の祭典

亡き祖母が古い愛車に「バーゲンのボロ」と言う癖クスッと笑って

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