お調子者は得をする

1993年 Jリーグが発足した年、
自分は高校3年生でした。


ある時、放課後の遅くまでなぜか残っていたら誰かが
「今、ディドが来ているらしい」
と言った。


いや、ディドって・・誰だよww


って、いや、あの、グランパスにいるディド?
GK兼任コーチのあのディド?
おいおい、ガチのJリーガーだぞ?

と、ばりばりの田舎者根性で
本当に本当なのか?と何度も疑いながら、
教室に残っていたみんなでグラウンドに
いっせいに繰り出した。


◇◇◇


既に照明もついている暗さのグラウンド、
そこには確かにディド・ハーフナー選手がいた。
(まだ帰化前なのでディド・ハーフナーですが、
この後、帰化されてハーフナー・ディドに変わってますね)

どうやら英語教師のクッシー(久代先生👩)のつてで
来てもらえたらしい。すごいぜ!クッシー!
背高でパーマで黒縁メガネで堅いイメージだったが、見直したぜ!
次からはちゃんと授業受けます!とその時は思った。

っていう話はさておき、ディド選手がサッカー部の練習に
参加し、指導をしていることにすっかり感動してしまった。
いやぁ、全く強豪校でもないうちの高校に来るなんて!!

(バリバリの1軍なら絶対来ないと思うが、コーチ兼任で
交代しながらの起用だったことが幸いしたと思われる)


◇◇◇


ディドからの提案だったのでは?と思うが、
サッカー部全員との1回限りのPK勝負が始まった。


サッカーのPKの確率とかって知らないけど
だいたい決まるよね?って思ってた。

確かに強豪校でもない学校のキック力って知れてるとは
思ったけど驚異のセーブ率でどんどん止めていく。

9割ぐらい止めてたんじゃないかな?
体がでかいのもあるが、やはりプロの技術が半端ない。

目の前で見られることにやっぱり感動する。


◇◇◇


うちのクラスのサッカー部員は3人ほど。
最後に蹴ることになったのは、
クラス1番のお調子者 武士(たけし)

いつも赤点を取っているヤバいやつw
あー、どうだろう、これは・・・


と思ったら、華麗なシュートを繰り出して
ゴールネットを揺らした!

当然とばかりに指を突き上げ、お調子者らしく
すこぶる激しく調子に乗っていたww


ときに調子に乗る男に天は味方するね。

後でディド選手から、いいモノをもらっていたようだけど
なにをもらっていたのか自分は覚えていないww


この時ばかりはサッカー部が羨ましかったなぁ。


終わり


#サッカーの忘れられないシーン

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