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「三井寺」制覇!唯一無二の黄不動/如意輪観音など【滋賀】【湖西】

元々は大和朝廷の武・大友氏の氏寺で、壬申の乱の後に大友与多王によって建立された。西国三十三ヶ所霊場十四番札所になっており観音堂には本尊「如意輪観音坐像@秘仏」が安置されているが、古来より三十三年に一度しか開帳されない。が、2014年に智証大師円珍生誕1200年記念、2020年では令和・西国三十三カ所1300年の記念で御開帳した。その他、レアな仏像が多く見どころ満載!!最後に、三井寺と言えばゆるキャラ「べんべん」ですね!?デビュー初日の初絡みは(たぶん)私たち夫婦で、いきなりホラ貝を吹きびっくり・・。

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変更履歴
2022/05/12 ▼仏像展に『最澄と天台宗のすべて』をリンク
2021/10/17 初版



▼HP

▼アクセス

※後述「▼見どころ」参照

▼本尊と脇時

※後述「▼見どころ」参照

▼見どころ

三井寺と言えばゆるキャラ「べんべん」ですよね!?ほら貝吹けるんんすよね。「るろうに剣心」の撮影場所でもあります。この寺は広く自然豊かですが、やっぱ、仏像ですね。境内をすべて回ってみます!

▽大門

大門は1601年に徳川家康によって甲賀の常楽寺@湖南三山(私のNOTE)から移築されたもの。常楽寺ほ本堂と三重塔が国宝です!

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▽三井寺釈迦堂@重文

 室町時代の釈迦堂@重文は福井・中山寺や京都・千本釈迦堂などと同じ素晴らしい佇まい。本尊は「清涼寺式釈迦如来立像」が安置されており、なかなかの大きさがあり見ごたえがある。左に宝厳寺を意識したか弁財天が池の真ん中に祀られている。

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▽金堂@国宝 絶対秘仏「弥勒菩薩」

豊臣秀吉の正室「北政所」によって再建されたもの。本尊は絶対秘仏で住職でも見仏出来ない。。

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 三井寺の本堂・金堂には、本尊として「弥勒菩薩」を安置している。本尊は身丈三寸二分で絶対秘仏となっており、天智天皇の御念持仏と伝えられている。

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 本堂内の奥には様々な仏像がおり、絶対秘仏は絶対見れないですが、それ以外の仏像があります。

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 仏像宝庫です。獅子に乗っていない「文殊菩薩坐像@文殊堂本尊」、「金剛界式大日如来坐像@勧学院本尊」、「普賢菩薩坐像@普賢堂本尊」など期間限定で公開されるときがある。3体とも腕のある仏師が作成したことがわかる出来栄えで、近い場所に座ると目が合い、表情が和らぐ美仏。

2018年「あお若葉共演」
石山寺とのコラボ企画で、大日如来坐像、文殊菩薩坐像、普賢菩薩坐像や「金堂@国宝」の内陣&仏像3体が初公開された。西国第十四番札所の観音堂でも本尊脇侍特別公開!!そして、鬼子母神も公開!!とお祭り3発がある日。

 4名ずつ内陣に入り、御香のようなパウダーを額、顎、手に擦ってお経をあげてから見仏。獅子に乗っていない「文殊菩薩坐像@文殊堂本尊」、「金剛界式大日如来坐像@勧学院本尊」、「普賢菩薩坐像@普賢堂本尊」が公開された。3体とも腕のある仏師が作成したことがわかる出来栄えで、近い場所に座ると目が合い、表情が和らぐ美仏。普賢菩薩坐像が持っている剣が蓮華の上に乗っているのが面白い。内陣拝観は9:00開始でしたが、8:20に入らせていただけた!!

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2019年『国宝・金堂内陣参拝「秘仏結縁」』
三井寺で秘仏公開続き!作例数が少ない黄不動こと「不動明王立像@重文」と「護法善神立像@重文」が金堂で特別公開!って、見仏して思い出した「両像とも個別で見たことはあるな」と。。

 天皇陛下御即位を記念し、国宝金堂の内陣の開祖・智証大師ゆかりの秘仏「黄不動尊立像@重文」と「護法善神立像@重文」が開扉された。黄不動は護摩堂、護法善神立像こと鬼子母神は千団子祭りのお堂に安置されているが、今回は金堂で夫婦でデートしている設定!?

 その他にも智証大師ゆかりの仏像や宝物が秘仏として大切に安置されているお堂でもある。 国宝・金堂内陣特別参拝!!相変わらずの仏像宝庫です。金堂は豊臣秀吉の正室北政所によって再建されたもので国宝!!

『国宝・金堂内陣参拝「秘仏結縁」』の時は金堂に幟が・・・。

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▽三井の晩鐘

 南東側には、特に音色が美しいとされる除夜の鐘、近江八景「三井の晩鐘」をつるす鐘楼がある。京都宇治・平等院、京都高雄・神護寺と合わせて日本三名鐘で有名。本寺にある弁慶鐘にならって新鋳しており、弁慶鐘と大きさが同じで、撞座と龍頭の位置を直角にするなどの奈良時代の形式を踏まえているそうです。

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 京都の鞍馬、滋賀の石山寺、三井寺といい、ここにも弁慶の足音が残っています。

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 なんか水みくじ(占い)アトラクションが出来ていた。三井の晩鐘横の小屋で水みくじは頂ける。また梵鐘は300円で打てる。

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▽閼伽井屋@重文

天智、天武、持統天皇の産湯に用いられた泉が湧くところ。今でも湧いている音が聞こえる。正面上部には寺の彫師でおなじみの左甚五郎作の龍の彫刻がある。ちなみに、石山寺にもあります。

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今でも水が涌いています。現在の閼伽井屋は桃山時代の再建で、この閼伽井屋の軒下には左甚五郎作とされる龍神の彫刻があり、建物の周囲に配された石組みは現存する日本最古の石庭とされています。 

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▽熊野権現社

 金堂を後にし、立て看板にある順路通り進むと開祖に所縁が強い「熊野神社(熊野三山のお堂)」があり、階段を登ると孔雀が3羽飼われていた。美しい!!結構、隠れスポット!!

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▽霊鐘堂

 金堂を出て左手が順路で、霊鐘堂に弁慶鐘がある。

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霊鐘堂は弁慶鐘とも呼ばれ、 昭和初年に古鐘堂の古材を生かして改築したもの。堂内には重要文化財の霊鐘「弁慶の引摺鐘」として名高い大鐘と「弁慶の汁鍋」が安置されている。

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そしてここから、さらに山側には生きた孔雀明王が安置されている!?いえ、孔雀が飼育されています。ここが隠れた名スポットです。

▽孔雀園

桜はまだまだです・・・。夜桜推奨だが、2020年度はコロナのため夜間拝観中止のようだ。綺麗な孔雀で我慢した。

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▽一切経蔵

 金堂から天智、天武、持統の三天皇が産湯に用いられたという泉・閼伽井屋と弁慶鐘、孔雀を観た後は「一切経蔵」になる。

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 ここは一切経を安置するための堂で、 内部には一切経を納める回転式の巨大な八角輪蔵が備えられている。ちなみに、一切経蔵は1602年に毛利輝元によって山口・国清寺から移築されたそうです。

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▽映画撮影スポット

この寺は映画の撮影でも使われているらしく、いたるところに撮影スポット紹介がある。写真手前の橋は『るろうに剣心』や『武士の献立』に使われたらしい。

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▽塔婆三重塔@重文

実はこの塔は、奈良吉野・世尊寺の東塔からの移築である。1594年に豊臣秀吉によって伏見城に移され、さらに1601年に徳川家康によって移建されたもの。

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三重塔奥の大師堂には唯一無二の黄不動明王立像が安置されている。この黄不動を気に入ったら、京都木津川・神童寺の白不動明王立像@重文を見るべし!!この2寺でしかない不動明王立像である。塔内の須弥壇には、木造・釈迦三尊像が安置されています。

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▽唐院(塔婆三重塔@重文+大師堂@重文)

 最も神聖な場所である大師堂と三重塔などを纏めて唐院という。太子堂は開祖である大師の遺命そのままに、唐院の奥深くの大師堂に厳重なる秘仏「智証大師坐像(御骨大師) 」と「智証大師坐像(中尊大師)@国宝」を安置している。「智証大師坐像(中尊大師)」は10月29日に開帳する。また、黄不動こと金色の「不動明王立像@重文」も安置されている。

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2018年 大津市歴史博物館『神仏のかたち』
 常時展に唐院三重塔内部に安置されている「釈迦如来坐像」と「文殊菩薩坐像」と「勢至菩薩坐像」が展示されていた。室町から江戸時代の作で、ぱっとみ顔は慶派の肥後定慶の流れを感じる三尊。 その他としてシュッとしている平安時代作「地蔵菩薩立像」で正法寺と見比べると平安時代でも作風が違うんだとわかるお地蔵さんが展示されていた。 最後の追い込みとして牙の上下左右が異なる「不動明王立像」含め「五大明王」が展示。東寺、醍醐寺、三十三間堂など鎌倉時代に慶派が完成させた彫刻としても評価される仏像たちが展示されていた

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「智証大師坐像(御骨大師) 」と「智証大師坐像(中尊大師)@国宝」は2022年「最澄と天台宗のすべて」で出開帳されました。が、京博は無しでした。。。orz

▽映画撮影スポット2

一切経蔵、映画撮影スポット、三重塔、大師堂、最も神聖な場所である唐院を経て、今回のメインスポット、関西三十三所特別公開の観音堂へ進むと映画撮影スポットあり。

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▽文化財収蔵庫

 東寺、醍醐寺、法隆寺などと並び、国宝・重要文化財は100以上を数える。文化財収蔵庫は別途500円が必要。
 「べんべん」の初日デビューは私たちが相手をしました。いきなり法螺貝を吹きだしてびっくりしたのを思い出す。それから数回来たが、それ以降いないですね。

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見仏好きの見どころは、古刹に多いズングリムックリ系の「十一面観音立像@重文」と鬼子母神こと「訶梨帝母倚像@重文」ですね。鬼子母神はこの後に行く、千団子堂にも安置されているが、こちらは優しい母の顔になっているので、要見比べ!!

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▽微妙寺

べんべんと会える「園城寺文化財収蔵庫」前のお堂。

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本尊は「天智天皇」の御念時仏といわれる「十一面観音」で、貴重な「黄不動の御朱印」が頂ける。前回、バカぼんの作者・赤塚不二夫がデザインした十一面千手観音がいたのだが、異動させられた?

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▽三井寺力餅本家

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▽三井寺力餅本家から観音堂

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▽毘沙門堂

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▽十八明神社

文化財収蔵庫と微妙寺から坂を登って、三井寺観音堂に向かう途中にある。本来は伽藍を守護する神だが、 一般には「ねずみの宮さん」と呼ばれ、人々に親しまれている。

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▽観音堂横:百体観音堂

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▽観音堂 如意輪観音坐像@33年に一度

 西国三十三箇所観音霊場の第十四番礼所で、本尊は「如意輪観音@重文」で、天皇即位に伴い、2020年3月から6月に特別開扉された。

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 本尊は一面六臂で、寄木造、彫眼、漆箔像のバランスの取れた美仏で、脇侍は大阪・歓心寺周辺の多い毘沙門天立像と愛染明王坐像の所謂「歓心寺式三尊」(勝手に命名)である。


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 本尊は秘仏「如意輪観音坐像@重文」で、両脇侍としては「愛染明王坐像@重文」、「毘沙門天立像@重文」。

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内部には多くの絵馬が奉納されています。 その中には観音堂再建の様子を描いた「石突きの図」や、その「落慶図」も残されています。

西国三十三所草創1300年 三井寺 観音堂内陣諸尊特別拝観・特別展
秘仏「如意輪観音坐像@重文」の両脇侍として祀られている「愛染明王坐像@重文」、「蓮如上人坐像@重文」など諸仏を見仏。また、江戸時代を通じて観音堂に奉納されてきた絵馬など観音信仰の歴史・美術が紹介されていた。京焼の陶芸家・永楽保全の「三井御浜焼」や「大津絵人形」も初公開らしいが、こちらは良さがわからなかった。。勉強不足だな・・。

 さすがに33年に一度の公開である本尊「如意輪観音坐像@重文」は非公開だったが、お前立と写真集が置かれていた。脇侍は「愛染明王坐像@重文」と「毘沙門天立像@重文」で、本尊公開されたときの記憶が甦る。で、思い出した。この前行った大阪・観心寺地域が本尊・如意輪で、脇侍に愛染&毘沙門だったことを。宗派的なものか?何か繋がりがあるのか?最後に、石山寺も如意輪観音が本尊だが、こちらの脇侍はこことは違う。

掛仏です。本尊と似ているかどうかはさておき、秘仏の場合は、お堂の外陣上を見上げると、本尊を模したものがあります。これを見て秘仏公開日にGOすると、おお~となります。寺によっては、御前立ちと違う本尊が出てきますが・・・。

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▽水観寺

 西国薬師四十八番札所です。チーム薬師が揃っており、本尊・薬師如来立像と脇侍の日光・月光菩薩立像は金ピカすぎて、新しいのかと疑う。十二神将は護摩焼けしており、古いのだろうと思わせる。それはさておき、チーム薬師左手に「黄不動明王立像」を発見!!「黄不動の掛け軸」と唯一無二の「黄不動明王立像@秋公開」は秘仏なのだが、ここに小さなものがあった。もしかして、モックアップかも。

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▽護法善神堂

この日は千団子祭で護法善神堂の本尊「護法善神立像@重文 」が御開帳。

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 護法善神は智証大師が子供の頃と入唐後にその姿をあらわした訶梨帝母(鬼子母神)。ヒノキの一木造で彫りは浅く抑揚が控え目で京都・浄瑠璃寺のアイドル「吉祥天立像」に通じるものがある。 ただ、この大きさの一木で造ったとすると結構な大木で造ったことになりますね。宝物館の鬼子母神と見比べると平安(公家)と鎌倉(武家)の時代の違いを感じる。

三井寺千団子祭
どこだろうかと思っていたが、有料境内にはなく駐車場から左側にある護法善神堂で開催されていた。周りには屋台が並び、子連れでにぎわっていた。横には福引景品場所があり、氏子は毎年来るのかなと思った。

▽円満院門跡・庭園

 門跡なので、皇族の出身者が代々の住職を務める寺院となる。987年に村上天皇の第三皇子・致平親王(むねひらしんのう)により「三井平等院」として建立。宇治平等院はこの寺から名を頂いている。話を戻すと、三井寺(みいでら)の隣だが、驚くほど観光客が少ない穴場で、ほぼ人はいない。

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 池泉式の優美な名庭を眺めつつ一休みすることをオススメする。室町時代の造園家・相阿弥の作と伝えられる池泉観賞式庭園である。昼食時に行ったのだが、なんと待ちが発生している「そば屋」があった。もしや、皇族繋がりの方の店??

▽勧学院客殿@国宝

三井寺と大津市立博物館の間にあり、国宝です。原則、非公開で令和元年は特別拝観となっていたので行ったのだが、10月1日から20日限定だった。。残念・・・。

▽新羅善神堂

 訶梨帝母倚像は鬼子母神とも呼ばれ、元々は近所の子供を食らう女性だったが、釈迦によって改心し、子供の守護神となった女神。

▽水尾神社

琵琶湖疏水をトンネルに突き当たり右手に鎮座し、「みおじんじゃ」と読む。明治維新までの神仏習合においては各寺々は守護神社を祀り、逆に神社では神宮寺が設け、三井寺でも出雲系、伊勢系、異国に起源を持つ神々などが祀られており、ここはその一つ。

▼セットで行くところ(旅行記)


▼仏像展

▽2022年 京都国立博物館『伝教大師1200年大遠忌記念特別展「最澄と天台宗のすべて」』

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