見出し画像

<33>求人を探す時の注意点3か条

転職を考えている場合、関心がある仕事(業界、職種)が明確になったら、その仕事の求人が世の中にあるのかどうか探します。転職をギャンブルにしない為には仕事の情報をリサーチする必要があると<32>で述べましたが、このことは求人のリサーチでも同じです。


求人を探す方法

求人情報を収集する為の初期的な情報収集方法をざっくりと3つ述べると、求人サイトやSNS、人材紹介会社、企業の採用ページ、などの公開情報をリサーチすることです。 

ただし、上記の①から③の様な公開されている求人情報をサーチする場合は気をつけるべき注意点が3つあります。求人情報収集の注意点3か条です。

求人を探す時の注意点①(求人サイト、SNS、企業の採用ページ)

求人サイト、SNS、企業の採用ページ、等で発信されている求人情報は、人材を募集する企業が自社とそのポジションを最大限魅力的に見せる為に出したい情報を出していると認識して読むことです。

考えて見れば当たり前なのですが、ついつい求人広告の内容を鵜呑みにして入社後に大きなギャップに直面してしまう人は多いです。求人広告やSNSでの求人情報の発信は、人材を募集したい企業が自社の募集ポジションに募集要件に合っている人々を集客する為に出来る限り魅力的に書いています。

ですから、基本的には良いことだけが書かれていることは多いですし、少なくとも都合が悪いことは書かれていません。そこに記載されている仕事の情報は、仕事を探している個人にとって知りたい情報と言うよりも、人を探している企業側が伝えたい情報が書かれているのだと認識して読む様にしましょう。

求人を探す時の注意点②(人材紹介会社)

人材紹介会社が取り扱う求人情報についても、初期的には求人広告と同じで募集企業が伝えたい情報であることが大半です。大切なことは人材エージェントから自分が求める情報を引き出して、それを踏まえて自分で考えて判断することです。

人材紹介会社のサービスとは、求人企業と転職を希望する個人を仲介する立場のエージェントが、相談者の希望やスキルにフィットする求人案件を、自分たちが取り扱う求人情報の中から相談者に提示して、その相談者が応募を希望すれば募集企業へ紹介するというものです。

一方通行で求人情報が発信される求人サイト(求人広告)とは異なり、相談者としては分からないことがあれば仲介している立場のエージェントに質問出来るというメリットや(自分のことを理解してくれているエージェントからは)自分に合うと思われる求人を紹介してもられる為、入社後にギャップを感じるミスマッチの確率は下げることが可能です。

ただし、繰り返しますが、募集企業とその企業から依頼されて候補者を探している人材紹介会社から出てくる情報ですから、基本的には募集企業が伝えたい情報がもとになっています。

そこで大切なのは、その情報を基に知りたいこと、疑問などをエージェントに質問して確認することです。また求人情報を検討する際には、自分の仮説を検証することも大切ですので、例えば「これだけ年収金額が高いということは、通常の正社員とは異なる賃金体系なのでしょうか?」などと「ひょっとしてこうなのかな?」と自分なりの仮説を検証する質問をしましょう。

加えて、特定の分野に特化した専門の人材紹介会社もあります。求人サイトでは得られない案件を持っている会社も探せばありますので、その中で信頼出来そうな会社と人(エージェント)を見つけて活用することは有益です。

求人を探す時の注意点③(アクティブな情報収集)

求人企業側から発信される情報以外に、自分自身で必要な情報を収集すること。これは当たり前の様に思えますが、どういうことでしょうか?

注意点①で求人広告やSNS、企業の採用ページでの求人情報は企業側が伝えたい情報であると書いたことと対ですが、人を採用したい立場の企業が伝えたい情報だけだと、個人としてその仕事を選ぶのかどうか判断する為には情報が不足しています。

自分がその仕事や会社を選択しても問題がないのか。公開情報(①求人サイトやSNS、②人材紹介会社、③企業の採用ページ、等)では得にくいリアルな現場の情報など、あなたがその仕事を選択するか否かを判断する為に必要な情報を自分で集めることも必要です。

入社してから「思っていた仕事内容や職場環境と違った…」と後悔することは、残念ながら頻繁に発生しています。この様なことを避ける為には、発信されている情報を集めて読み解き理解を進めていくというパッシブな情報収集だけでなく、自ら人に会って生の情報を聞き出すなどアクティブな情報収集も行うことがお勧めです。

具体的には、関心がある仕事や業界で実際に働いている知人(先輩、友人など)がいる場合は、自ら話しを聞く機会を作ることです。また、そのような知人がいない場合は、信用できる友人に紹介を依頼しても良いでしょう。

そういった知人・友人がいない場合、あるいは、転職という極めてプライベートな事柄ですので他人には内密にしたいということも多いでしょう。そのような場合は、興味ある業界・仕事に精通していて信頼ができる人材エージェントから話を聞くこともお勧めです。(その際に心掛けることは注意点②で述べた通りです)

以上、今回は求人情報の収集における注意点3か条をご紹介しました。多少なりとも、転職を考えている方の参考になれば幸いです。

(2024年7月29日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?