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<28>キャリアの目的とビジョンの実現に向けた目標設定

働きがいある仕事をやって自分のキャリアを成功させたい場合、本マガジンでこれまで述べてきたように、自分探しの旅を行って、納得感ある自分の目的とビジョンを描くことが出来れば8割がた成功したようなものです。


自分にとっての成功

「何を満たすことが出来ると、自分にとっての成功と言えるのか」という自分が成功したと思える為に必要なポイントを把握しているということは、自分が目指すべきゴールがはっきりとしているということです。

「これと、これと、あれを満たすことが出来たら、自分は幸せで働きがいもあって成功!」と分かっていたら、あとはそれらのポイントを満たす為に行動するだけですよね。

例えば、私であれば、「支援した人々が、自己実現をする」「それによって、その人々の人生が輝く」「そして、『あの人のおかげで人生が変わった』とその人々の思い出にちょっぴり残る」ことを実現出来れば成功です。

これらを1000人くらい実現出来れば大成功で、100人くらいならひょっとしたら実現出来ているかも知れませんが成功で、一人でも実現出来たらそれも成功です。

だから、毎日の取り組みが成功に繋がっており、支援している人が一歩だけでもその人の成功に近づければ、それも小さな成功です。自分にとっての成功に日常の1つ1つの取り組みが繋がっていると言えます。

ゴールに向けた合理的な歩みを妨げるもの

逆に言えば、目指すべきゴール(目的、ビジョン)が明確でなければ、当然そのゴールに到達することは出来ません。当たり前と言えば当たり前なのですが、自分のこととなると案外おろそかになってしまいます。毎日の仕事をしているだけで忙しく考える時間も気力もなくなってしまいますし、そもそも生きていくだけでも家族を養っていくだけでも精一杯な訳ですから。

しかも、ゴールを設定してそれに向けて合理的に行動するという考え方は、日本社会では一般的なことではないですよね。そうすれば良いのだろうと頭では分かっていても、いろいろな人々の思いに配慮して、気遣いをしているうちに自分自身のゴールに向かう最短距離からは遠ざかり、そのうちに自分のことよりも他人のことや社会の“空気”を優先して自分にとっての成功や幸せが結果として犠牲になっていることが多いのではないでしょうか?

しかし、一度だけの自分の人生ですから、自己犠牲だけでは残念すぎます。
例えば「他人に迷惑をかけない」という一定のラインを設けて、それに抵触していなければ、あとは自分の為に生きて、自分の為に働いて、自分にとっての成功を目指して良いでしょう。

大抵の成功者は目的志向

世の中で、起業して成功する人、仕事で卓越した成果を上げる人、スポーツや芸術などでも成功する人々は、大抵は目的志向です。

ゴールを設定して、それに向けてクリアすべき小さなステップ(目標)を設けて、手前から1つ1つクリアしてまっすぐにゴールに向かっています。そうすれば、ゴールに到達することが分っているのですから、成功者は成功する前から自分が成功すると分かっています。

例えば、私の友人の起業家も事業を立ち上げた当初に一人でやっている時から「成功すること自体はもう分かっている」と言っていました。で、数年後、事業は拡大して立派な上場会社になっています。

ゴールを設定し、道のりを小さなステップに分ける

このように、今はまだ手にしていないことを手にして自分にとっての成功をする為には、ゴールを設定することが必要です。本マガジンを始めから読んでご自身のキャリアデザインに取り組んでいる方は、これまでのコラムを通じて、人生全体や次の人生ステージのゴールである目的とビジョンを描いていている人もいるでしょう。

そして、目的とビジョンが明確になっていれば、次はそのゴールまでの道のりを小さなステップに分けていきます。その1つ1つのステップがゴールへのマイルストーンである目標です。これら目標の内容を具体的にしていきましょう。

それさえ出来れば、あとは一番手前の目標をクリアする為に行動を開始するだけです。もう成功したのも同然です。あとはやるだけです。

納得感を持てる道を選ぶ

また、ゴールに到達する為には、どの様な道を通るのか。一昔前と違って、色々な道がありますので柔軟に考えてみましょう。働く形態についても、現職の仕事を(新しい考えを持って)続ける、現職を続けながら副業やボランティアをする、別の会社に転職をする、フリーランスで仕事をする、起業する、など多様な手段を選ぶことが出来ます。

あなたが目指すゴールに到達する為にはどの道を通るのが相応しいと思いますか?

また、仕事だけでなくプライベートの事情も踏まえると、どの道がフィットしていそうでしょうか?

それぞれの道を選ぶ場合も、特にフリーランスや起業を選択しようと思う場合は、その道にいきなり踏み込むのか。そうではなく準備することがあるのか。あるいは、別の道を経由してから、飛び込むのか。固定観念にとらわれずに、オープンに考えましょう。

ただし、「清水の舞台から飛び降りる」気持ちで新たな道を選択するのはお勧めできません。それではギャンブルになってしまいます。大事なのは自分の中に納得感があるか、ということです。そうであれば、他人から見たら大胆な選択であっても、本人は自然と無理なくその道に進んでいるものです。新たな道を選ぶ時には、自分が素直にそれをやっていきたいと思う腹落ちした感覚があるかどうか、静かに自分に向き合って確認することです。

既に自分のキャリアの目的とビジョンを描いた人は、それを実現することを目指して、そのゴールに至るまでの目標を立てていきましょう。

(2024年6月10日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士


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