40代は第二のキャリアを始めるチャンス~まずやるべきはスキルの棚卸~
ある上場企業の子会社が早期退職者を募集して、
その対象者は40歳以上でした。
その40歳以上の社員のうち大部分の人々に
個別に声がかかって応募を促されたそうです。
因みに、なんと早期退職のパッケージは、
基本給*×定年までの年数+退職金だったそうで
生活に支障が無い給与を貰える転職先が見つかれば
だいぶ良い条件ですよね。
*基本給:賞与等を除いた月給
(48歳課長クラスのケースを見積もると、
500万円×12(年)+約1500万円で合計約7500万円)
まとまったお金を得て、
この機会に興味あること、やりたい仕事、
より快適な職場を求めて転職活動するのは
十分ありです。
40代からは自由になるチャンス
一昔前は40代や50代はピークを過ぎて
引退に向けて消化試合をするイメージを持っていた
人は多かったでしょう。
今でも40代や50代になって
これから新しいことなんて…と
元気をなくしている人がいるかも知れません。
部長へのラインから外れたり、
やりたくない仕事や合わない職場だけど
家族の為に稼がないと、、、と思って
我慢して仕事を続けて疲弊している人もいるでしょう。
ですが、40代前後の中年期は第二の社会人を
始める絶好のタイミングでもあります。
内面的には「自分は〇〇だ」という
アイデンティティが変化、転換する時期
がアラフォーからです。
また上記の早期退職の例の様に
外部からの出来事が従来のアイデンティティを
変化させることもあるでしょう。
(リストラでなくても、管理職への昇格や、
配置転換、役割変化等、自分に求められることが
変化する年代でもあります)
それに何よりも、今は空前の人材不足です。
しかも、実際に転職をした時に年収が最も上がる
世代は40代とも言われています。
参考:40歳以上の転職者が急増!~その理由とミドル世代がやるべきこと~
確かに、ハードスキル、ソフトスキル、
それに人間力なども、経験・知識が蓄積されて、
一定の完成された水準に到達しているのが
アラフォーあたりです。
まずやることは、スキルの棚卸
ただ、自分にどんなスキルがあるのか、
きちんと把握している人が少ないのも
40代50代の特徴です。
そして、能力は高いのにも関わらず、
自分には市場価値が無いと思い込んでいる
人も多いですよね。
そう思ってしまうのは、自分自身についての
理解が不足しているからです。
自分は何が出来るのか、強みは何か、
きちんと把握していないから、
不安になって自分に悲観的になっているのでしょう。
新卒入社時からパートナーシップ型の雇用で
ローテーション人事の会社で勤務してきた為、
自分自身のスキルアップやキャリア形成に、
今の20代や30代前半の人々ほどには
向き合ってこなかったから、
そう思うのも仕方がないかも知れません。
まずは、スキルの棚卸をしましょう。
スキルの棚卸の方法
自分は何が出来るのか、
どんなスキル、能力があるのか、
どんどん書き出して棚卸をしていきます。
その時は、漠然と考えるのではなく、
大きくは、ハードスキル、ソフトスキルの
2つの項目に分けて考えるのがコツです。
・ハードスキル:専門知識や理論、業務ノウハウやツールを使いこなす技能などです。
・ソフトスキル:自分や対人関係に関するスキルです。例えば、コミュニケーション力、リーダーシップ、主体性、柔軟性、ストレス耐性といった性格の強みなどです。
この2つの項目で、それぞれ分析します。
それらを単に考えて書き出すのも良いですし、
または職務経歴書を作成しながら考えると、
過去の業務経験を振り返るのでスキルを
イメージしやすくなります。
加えて、自分のことを良く知る人、例えば、
一緒に働いた同僚や親しい友人などから、
意見を聞くこともとても役立ちます。
キャリアチェンジは自己理解から
自分のことを知らずして、
自分がやりたいことなど見つけようがありません。
自分は何が出来るのか、どの程度出来るのか、
自分のコンピテンシーは何か、
そういったことを把握出来ておれば、
自分は何を打ち出していくと良いのか、
他の経験豊富な同世代のビジネスパーソンから
自分を差別化するポイントは何か、
そういったことも見えてくるでしょう。
繰り返しますが、今は空前の人材不足。
従来のこだわり(社格、立場、東京勤務、等)
を一旦カッコに入れて、
視野を広げて機会を探せば(中小企業、
成長企業、地方企業、非管理職、等)、
自分が必要とされる場所はあるものです。
アラフォー、アラフィフは、
第二の社会人をスタート出来るタイミングです。
その為にまず自己理解、特にスキルの棚卸から
始めましょう。
(2022年12月19日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士