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2回目の転職をすべきか?敏腕セールス・マネージャーがむかえたキャリアの節目(1/2)

キャリアチェンジを真剣に考えていたインターネット系広告会社の営業マネージャーの例を紹介します。会社の中で順調に昇進し評価も高かった営業マネージャーがある日「このままで良いのか」と自分のキャリアに悩み始めました。何に悩んで、キャリアチェンジを検討して、どの様な判断をしたのでしょうか。2回に分けて配信します。

営業マネージャーとしての順調なキャリア

羽田さん(仮名)は都内の私立大学卒業後に広告代理店で営業職を5年ほど経験した後、現職に中途採用で営業担当者として入社をして9年目。入社後は中途入社社員で同社史上最速の1年でマネージャーに昇格したやり手の営業パーソンです。マネージャーに昇格後は5名程のチームでプレイングマネージャーとして自らも営業の最前線で営業活動に従事していました。チームメンバーと同じように自らも営業活動を行い、結果と働きぶりを行動で表すリーダーで、メンバーと一緒に走りながら、皆を鼓舞して士気を高めて、必要に応じて背中を押したり、手を差し伸べたりして、メンバーを引っ張っていくスタイルで社内トップクラスの成果を上げて活躍をしていました。彼は常にモチベーションが高く、自分の仕事に誇りを持って取り組み、その姿勢や考え方がメンバーや他部署の人々にまで良い影響を与えているインフルエンサーでした。羽田さん自身も自分の仕事が天職だと思って毎日が充実していました。チームの業績も、会社の業績も、とても良くて右肩上がりで成長していて、周り人々からは輝いて見えていたことでしょう。

現在の年収や労働環境

因みに、年収はベース年俸が700万円で業績賞与が150万円~200万円(会社業績と個人評価で0円~200万円程度で変動)という水準でした。忙しいものの労働時間は残業含め1日12時間前後で週末はほぼ休めて、リモートワークも柔軟に活用出来るなど、労働条件や環境には不満はありませんでした。

中途入社8年後の悩み

しかし、入社してから8年ほどが経過した頃から違和感が生じてきました。心の内側から「このままで良いのか?」との疑問と漠然とした不安感が広がってきたのです。きっかけは他のチームでマネージャーをやっていた同僚の転職です。良きライバルでもあった同僚が退職し2年以内にIPOを目指しているベンチャー企業へ営業部門の執行役員として転職をしたのです。羽田さんはこの出来事によって良い意味で張り合う仲間と一緒に働くことが自分にとって思っていた以上に大切であった様にも感じました。そして、その仲間が自分に正直にやりたいことに向けて次の一歩を踏み出したことも、自らのキャリアを考えるきっかけとなったようです。

心がざわつきながらもやるべきことに集中しようと思って今まで通り頑張ろうとしているのですが、ふと自分を振り返り、自らの働く環境を見渡すと、自分のキャリアについての疑問と不安が湧いてくるのです。でも、具体的にやりたいことがある訳ではありません。疑問と不安感だけがある状態です。

自分の気持ちに向き合って考えてみたら

そして、立ち止まって自分のことを見つめてみると、今まで順調であった陰で気持ちや状況に色々と変化があることが見えてきました。

例えば、今まで疑いなく興味を持っていたことに興味を持てなくなり、また勝ちパターンが確立していた仕事のやり方が逆に柔軟性の無い同じパターンの繰り返しになりつつあることも目立ち始めたのです。「もっと新しいスキルを身につけるべきか」、「新しい市場を攻めるべきか」、「でも、今の会社でそれらをやるのは何か違う気がする」、「別に自分がいなくても良いのではないだろうか」、「けど、子供が生まれたばかりだし生活の安定が必要かな」、などと頭の中で独り言がぐるぐると回っていました。答えは出ないのですが、自分にとって何かが終わった感じが漠然としていました。

どんな判断をするのか?

興味の変化や今まで機能していたことが機能しなくなるなど、慣れ親しんでいたことが終わりつつあることだけは何となくはっきりとしている気がするのですが、これからどうすれば良いのか、という結論は全く見えていません。羽田さんは深い森に迷い込んだ様な気持ちでした。

転職すべきか?今の仕事を続けるべきか?
それとも、この2択以外に道はあるのか?
そもそも何をやりたいのか?

最終的に羽田さんはどんな判断をするのでしょうか?

今回のコラムではここまでです。

この先のストーリーについては後日アップしますが、皆さんも想像してみて下さい。

(2022年5月9日)
1級キャリアコンサルティング技能士
山本恵亮
プロフィール 

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