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自ら地方創生する町の人々の働きざま(西伊豆 戸田)

夏になると家族で西伊豆の戸田(へだ)という
小さな海の町に行くことが多くて、
今年は2年ぶりに伺いました。
伊豆半島も西側(駿河湾側)は観光客が少なく
大きなホテルは無くてレトロな雰囲気です。

寂れゆく古き良き町?

そのレトロ感が懐かしい感じで良いのですが、
年々寂れていっているように見えるのです。
オーシャンビューの廃墟のビル(元ホテル)や
2年前までは営業していたお店が閉店(残念!)、
更地になった住宅跡地などがあちこちにあります。

とても美しいビーチ(御浜海水浴場)は、
海の水は透き通って非常にきれいで、
波はなくて国内最高水準のビーチです。
因みに、水質調査では全国8位とのこと。
宮古島や石垣島のビーチと肩を並べています。

古い写真を見ると50年くらい前には
海水浴客が浜を埋め尽くす程でしたが、
今は家族連れ中心に程よい(?)少なさですw
5年程前までは3つあった海の家は2つに。
まぁ、寂れてきています。

昔ながらの海の家


ゴーグルで水中を覗くと沢山の魚たちが見えます。

遠洋漁業で年間100億円稼ぐ

キャリアコンサルとして(休暇なのにw)
仕事の側面から町を観察しましたら、
興味深い町の姿が見えてきました。

戸田の港は深くて良港と言われています。
で、漁師さんに話を聞くと、
ここには遠洋漁業の船団があって、
マグロやカツオなどを中心に
なんと年間100億円を稼いでいるそうです。

船団が帰ってくる時は港が大きな船で
一杯になるそうです。

私が訪れた時は、高足ガニなどを採るトロール船が数隻停泊していました。

店舗で働くおばさんに話を聞いた時も、
ご主人は船団でマグロ漁に出かけていると
仰っていました。
漁協の人々も、民宿の人々も、女性が中心で、
漁師町は女性が切り盛りしている様子が分かります。

おばあちゃん達の新たな取り組み

美しいビーチの近くに小さな小屋があって、
昔ながらの製法でおばあさん達が
塩をつくっています。
大きなフライパンの様な鍋で海水を
薪の火でグツグツにて塩を取っているのです。
これ、天然塩として販売されていました。

小屋の中で海水を茹でて塩を取っています。火をたく為の薪が積まれているのが見えます。

他にも、地元の民宿とか漁師さんのお家で
開発された(?)ソースや煮魚用のスープ等
新製品がお土産屋さんで売られています。
それが1種類や2種類でなく、
ぱっと見ただけでも5種類以上はあるのです。
(写真撮れば良かった…)

こうやってみると、寂れていると書いたのは
非常に表面的な捉え方でしたね。
正しくは、新しいものを生み出す底力のある
たくましさとしなやかさのある町なんですね。

港では釣りや動画撮影の人達も

また戸田の港や沿岸は釣り好きの間では
有名な人気スポットだそうです。
私の知人はアオリイカ釣りに行くそうですし、
港で多くの人々がソウダガツオ釣りをしています。

で、旅行中の朝に港を散歩した時は、
一般的な釣り客以外にはYouTubeでしょうか、
解説しながら釣りをする自分を撮影している人
もいました。
2年前には(私は)見かけなかった光景です。

地方(自ら)創生?

地方創生は日本社会の重要テーマの1つで、
私がご支援をする方々に希望する仕事を聞くと
地方創生に携わりたいとの気持ちを時々お聞きします。

ひょっとしたら戸田も外部の専門家の協力が
あるのかも知れませんが、
むしろ年長者から若手までが協力して
自ら地元を創生しているように見えます。

と言うのも、町にお年寄りは多いのですが、
その中で20代、30代などの働く若手の方々も
ちらほら。
釣り船を運転する女性、
車移動で御用聞きをしている男性、
海の家でバイトをしている地元の中高生達など。
上述した塩事業や新商品も、町の博物館も、
また、戸田観光協会のホームページも、
ベテランのノウハウと若い発想力が融合して
運営されていそうに見えます。
(すみません。ただの直感です)

寂れつつあるように見える町も(ごめんなさい)
変わっていこうとする意志ある人々が連帯すれば
アップデートされていくのですね。

変化する外部環境や時代の流れの中で、
自ら変わろうとして変わっていく街の姿から
自らのキャリア開発のあるべき姿を学んだ
気がします。

(2022年8月4日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
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