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「仕事だけでは幸せになれないの?」

個人のキャリア開発では仕事だけに焦点を当てても
完全な充足感を得ることは難しいかも知れません。
仕事に加えて、普段の生活なども含めて
人生全体として意味あるものだと思えることで
幸福感を持てるのではないでしょうか。

もしも、今、もっと働きがいある仕事をやって
人生を充実させたいと思っているのに、
どうも足踏みしていると感じるのなら、
仕事面だけでなく、人生の他の要素も問題ないか
検証することがお勧めです。

4つのポイントで自分をレビュー

自分の状態をレビューする方法は幾つかありますが、
お勧めの1つはサニー・ハンセンが提唱した有名な
人生役割の4つのLです。

キャリア開発や対人支援に従事している人々の間では
広く活用されているモデルです。

人生全体を計画していく上で、
自分の状態を検証すべきことに人生役割があり、
それは4つのLで構成されていると言います。
4つのLとは下記の通りです。

・仕事(Labor) 
・愛(Love)
・学習(Learning)
・余暇(Leisure)

尚、ハンセンの著書では1つ目に愛(Love)を
持って来ていることが多いですが、
本コラムのテーマがキャリアであることから
仕事(Labor)を1つ目に取り上げます。

では、4つのLについて、それぞれどの程度
自分自身が満足しているのか検証していきましょう。

仕事(Labor)

まず仕事からです。
あなたは自分がやっている仕事について、
どの程度の満足度がありますか?

最高に満足している状態を100点とした時に、
今の状態は何点でしょうか?

仕事の満足度:___点/100点

で、質問です。

・現在の点数と、100点満点とのギャップは何点ですか?
・そのギャップは、何が足りないのでしょうか?

この後も、それぞれ同じように分析していきます。

愛(Love)

ハンセンは愛(Love)について、家族と育児をあげています。
彼女はこの理論を考える時に夫婦を想定していたからでしょう。

ただ、日本人には愛はイメージしにくいですね。
恋のイメージが先行するかも知れません。

なので、欧米文化での愛について補足説明すると、
愛は3種類あると言います。
私なりに意訳していますが、下記です。

agape(無償の愛;家族、子供への愛)、
eros(男女の間での愛;恋愛)、
philia(友人間の信頼;友愛)

高校などで公民の教科書で勉強したかも、ですね。

よって、既婚者で家族を持っている人は、
そのまま家族や子供への愛について検証すれば良いです。
もちろん、信頼ある友人関係も。

他方、独身の方々の場合は、
恋人との関係や信頼し合っている友人関係などを
振り返ると良いでしょう。

この愛についても「100点満点のうち何点か?」
点数化してみましょう。

愛の満足度:___点/100点

そして、仕事と同じくそのギャップが何か確認します。

100点までのギャップは、何が足りないのか?
 あるいは、何があればギャップを埋めることが出来るのか?

学習(Learning)

学習とは学生時代の学校での勉強だけでなく、
社会人になってからの学びも含みます。

学習は色々とありますね。
仕事に直接役立つスキルや知識を得る為の学び、
人として、社会人としての教養としての学び、
趣味の学び、などなど。

人間にとって学びは大切で、学ぶことで
仕事も、プライベートも、広がり且つ深まります。

これも、同様に点数をつけましょう。

学習(学び)の満足度:___点/100点

そして、これについても、
「100点までのギャップは、何が足りないのか?」

考えて書き出しましょう。

余暇(Leisure)

人生は楽しまないと、ですね。
まず余暇で思いつくのは遊びや趣味などでしょう。
仮に仕事を人生の中心に置いたとしても、
働いて疲れた心身を回復させる余暇は必要です。

また、この余暇には仕事以外の活動も含まれます。
ボランティアでの社会貢献、
PTAなど学校の手伝い、
子供のサッカーやボーイスカウトなどの手伝い、
など仕事ではない、お金の為ではない活動も
人をリフレッシュさせるだけでなく、
充実感を持つことが出来れば、学びもあります。

この余暇についても100点中、何点か?

余暇の満足度:___点/100点

100点に足りないギャップは、
何があれば埋めることが出来るのか?
考えましょう。

4つが合わさって意味ある人生になる

仕事、愛、学習、余暇、
この4つが布(キルト)の様にタテヨコ上手く
縫い合わさって意味のある全体となると言います。

人生は仕事だけ、など、どれか1つだけでは
全体として幸せなものにはならず、
この4つが上手に縫い合わさって1つになることが
大切なのですね。

以上で4つを振り返る方法を示してきましたが、
時々、時間を取って4つのLをそれぞれ振り返ると
自分自身の状態が具体的に見えてくるのでお勧めです。

そして、それぞれに対する満足度を見える化して、
更に満足度を高めて意味ある人生にする為には、
各Lで何があれば良いのか、考えてみると良いでしょう。

皆さんがそれらを発見して、そのギャップを埋めて
満足度を高めるとともに、この4つを調和させて
人生が全体として意味あるものに、
そして、より幸福なものになることを願っています。

(2021年7月26日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
プロフィール
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