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<25>キャリア・ビジョンを描く時に考えるべきこと:「自分にとっての成功とは?」

本マガジンの前回<24>までは従来の自分の人生やキャリアを気持ちの上でリセットして、「自分とは何者か?」「そもそも自分が大切にしていることは?」といった自己理解を深める為の取り組みを紹介してきました。
<24>次のステージで成功する為に、やり残しを解消する』では自分のお葬式のスピーチを考えて、現在の自分が人生でやり残していることは何か?考えて明らかにする自己分析法を紹介しました。

これまでにご紹介してきた過去をリセットする自己変革法とそもそもの自分を理解する自己分析法を実践したら、最後に取り組む総仕上げはゴール設定です。


次の人生/キャリア・ステージのゴール設定

本マガジンで紹介してきた自己変革と自己分析の方法に取り組だとしたら、自己理解が深まっていることと思います。こうして自分探しの旅を終えると、次は新たな人生の旅の始まりですね。

「よーし、出発するぞ!」と言いたいところですが、新たにスタートするには何が必要でしょうか?

「自分はどこに向かうのか?」目的地ですね。

スタートするということは、ゴールも必要です。これが決まっていなければ、それに向かうルートも決まりませんし、どの様な装備を準備しておくのかも決まりません。

ただし、この時点ではこれからの人生におけるゴールである目的を明確にするのであって、目的を達成する為の手段や目的に至るまでの道に設けたマイルストーンである個別の目標を考える訳ではありません。

キャリアデザインでは「何の仕事をやって(手段)、どのような価値を世の中に生み出して働きがいを得るのか(目的)」という問いに取り組みます。
また、その目的を実現した時の自分の気持ちや様子をクリアにイメージしたビジョンを描きます。

そして、それが出来れば次に、目的までの道のりを小さなステップに分けて、ステップ毎に目標を設定します。これが目的(ゴール)までのマイルストーン(目標)になります。

因みに、目的、目標、ビジョンとの言葉は非常に似ていて同じ意味に捉えられがちですので、それぞれの意味を簡単に説明しておきます。

・目的: 目指す的。
・目標: 目的を達成するまでのプロセスに設けたマイルストーン。
・ビジョン: 目的を達成した時の気持ちや様子を想像して心の中に描いたイメージ。

ゴールを設定する意味

これまでのコラムで述べてきた自己理解の各要素である人生を振り返って明確にした自己認識、現在の人生への満足度と足りない事柄、自分が持っているスキルや誰にも負けないという強み、自分が働くうえでも生きるうえでも大切にしている価値観、やり残していること、等に取り組んで自己分析をしてきたとすれば、自分に対する理解がかなり深まっています。

ここまで自己理解を深めていれば、例えば、人から「あなたは何をやりたいのか?」と問われても、自分の考えを整理さえすれば、納得感ある自らの思いを述べることが出来るはずです。

そして、自分が腹落ちする目的をはっきりとさせて、明確なビジョンを描くことが出来ると、自分が何をやりたいのか分からずモヤモヤしていた気持ちが晴れます。更に、次のステージに進んで、新たなスタートを切った後に忍び難い苦労や耐えがたい試練があったとしても、頑張りぬけます。

また、これらのメンタリティの部分だけでなく、何よりも、目的を設定出来れば、その時点から逆算をして目的に到達する為のマイルストーンである目標を設定して計画を立てることが可能になります。

そうすると、今から自分は何をやるべきか明確になり、目的に向かうプロセスの一番手前にある目標を攻略する為の行動を今すぐに開始することが出来ます。人は夢に向けて頑張っているプロセスにある時が最も幸せだと言います。自己理解を踏まえた納得感ある目的を設定して、その達成に向けて行動を開始することは、今すぐに自分が幸せになる第一歩とも言えますね。

挑戦し続ける情熱を得るコツ

目的に向けて行動を開始して挑戦をし続ける原動力を得る為にはコツがあります。目的に到達した時の状況をリアルに言葉で表現してその時の気持ちや情景をイメージ出来るビジョンを描くことです。

かつて、コロンブスが荒海に船で乗り出して新大陸を発見する為の大航海に出た時のことを想像して下さい。中世の小さな木造帆船で限られた水と食料で大西洋を横断しようとするのは命がけの過酷な旅です。

その過酷な旅に従事する船員達を「新大陸を発見する」という言葉だけでまとめ上げて目的地(ゴール)に向かうことが出来たでしょうか?

きっと、それだけでは足りませんよね。「海の果てにある黄金の国ジパングに行くぞ!」「その地では宮殿や家は黄金で出来ていてご飯も美味しい。そんな豊かな黄金の国で暮らす」あるいは「金銀財宝をどっさり持ち帰って家族を幸せにする」「王様から勲章もらう」というイメージがあればどうでしょうか?

コロンブスがそう言って船員を鼓舞したかどうかは分かりませんが、少なくともそう表現するとワクワクして頑張れそうに思います。(俗物的発想ですみませんw)

自分にとっての成功とは何か?

目的を設定してビジョンを描く為には、まず「自分にとっての成功とは何か?」を考えましょう。これは少し抽象度の大きいもので構いません。

その上で差し当たって次のステージとしてこの先10年程を想像して、10年後に達成する具体的な目的を立てます。

更に、それを達成した時の自分の姿(気持ち、状態など)をリアルにイメージ出来るビジョンを描きます。

因みに、これは就きたい職業を考えるのではありません。職業は目的を達成する為の手段です。職という手段によって自分が達成したい目的が何かを考えるのが今やるべきことです。

これまで述べてきたゴールを設定する為に考えるべき3つの問いを以下に改めて書いておきます。

・自分の取っての成功とは:

・次の10年で達成する目的:

・その目的を達成した時の自分の姿(ビジョン):

次の10年の人生で達成する目的とビジョンについて、納得感あるものを描くことが出来れば、自分探しのモヤモヤ期が終わります。

この4月で新たなステージが始まる人や自ら過去の自分を終わらせて新しいステージで挑戦を始める人は、これらの3つの問いに答えを出して、目的とビジョンを明らかにして、次のステージを新たな自分として挑戦をスタートしましょう。

(2024年4月1日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士

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