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<35>業界研究・職種研究をして仕事を理解することは、転職にどう役立つのか?

興味ある仕事に応募する前にやるべきことして仕事を理解する為のリサーチなのですが、気になる仕事を理解する為の情報収集の方法は、①求人情報や書籍などの公開情報を確認するというパッシブな情報収集と、②対象となる仕事を経験している人にお話を聞くアクティブな情報収集があると以前のコラム<33>で説明させて頂きました。


仕事内容を理解したら次に出来ること

こうして仕事を理解することで「その仕事の目的や中身に自分が求める要素があるのか」、「その中に自分の価値観に合致しているポイントがあるのか」ということを確認して、それらの答えが十分にYesであればその仕事に就く為に転職活動を開始することが有力な選択肢となります。

また、同じ確認を現職の仕事でも行うこともお勧めです。上記の問いに対してYesの割合がどの程度か。100%満たしていなくても、例えば50%ほど満たしていればヨシとすると言う考えも有りです。

他にも、気になった別の職業と比較して、Yesの割合が少なければ転職を目指しても良いですし、逆であれば今の仕事を続ければ良いでしょう。

あるいは、現職では完全には満たせないことは受け入れて、副業やボランティアなどで満足度が足りない隙間を埋めるのも1つの手です。

他にも、上述してきた仕事のやりがいの面では自分の価値観を満たせている割合は(例えば)60%程だけれども、プライベートの状況や趣味を楽しめる自由時間を確保出来ること、スキルアップの為の時間を確保出来ること、など他の重要な項目での一定の満足度を確保出来るというバランスも重視してヨシとすることだってあるでしょう。

特に社会で担う役割が多い責任世代の人の場合は、仕事だけでなく他の事柄も含めて人生全体を考えて考えることが大切です。

自己理解+仕事の理解→ネクスト・ステージへ

このように考えてみると、自己分析に取組んで自己理解ができているなら、「仕事を理解すればその仕事の目的が自分の目的と合致しているのか」、「仕事の中身に自分が大切にしている価値観を満たせる要素があるのか」、といったことを見抜けますよね。自己理解がしっかりと出来ていると、自信を持って次の道を選べます。

そして、その仕事に就く為に必要なスキルや経験を理解することは当然必要です。その時に盲点になりがちなのが、仮に新しい仕事に就いた場合、その仕事で一人前になる為に人並み以上に出来ないといけないスキルを把握することです。

これについても本マガジンの過去のコラムで述べたスキルの棚卸を行った人は自分のスキルを確認していますから、何が出来るのか、何が今は出来ないのか、を理解できると思います。(自分のキャリアデザインに取り組みたいけれども、スキルの棚卸をやっていない人は是非取り組んでみて下さい)

こうして取り組んで得た自己理解を踏まえて、転職や社内公募の場合はその仕事に今すぐ応募出来るのか考えれば良いでしょう。副業やフリーランス、起業であれば、今すぐにその仕事を始めるのか、もっと準備が必要なのかどうか、判断するのです。 

面接にも合格できる

また、転職活動を行う場合だと、面接の会話事例で取り上げた公認会計士のAさんのケースのように面接で応募理由や志望動機を問われます。特に、応募する仕事の実務経験が無い場合や経験が浅い場合などポテンシャル採用の選考では、面接で合否の要となるのがその仕事を志望する理由である志望動機です。これについても、自己理解と仕事の理解が出来ていれば説得力ある回答を述べることが出来ます。また、その回答に対してどの様な角度から鋭く掘り下げる質問をされても、落ち着いて自信を持って答えることが出来るはずです。自己理解と仕事の理解は、転職活動を成功させる為の必須課題です。

転職後も納得感を持って仕事をやり抜ける

更に、面接に合格する為だけでなく、これら2つの理解が出来ておれば、入社後に大きなギャップを感じることなく納得感を持って新しい仕事に集中出来るようになります。

その仕事をやる理由、自分にとっての仕事の意味が明確で腹落ちしていますから、一人前になるまでの大変な時期も頑張りぬくことが出来るでしょう。

しかも、一人前になる為に必要なスキルのレベルと今の自分のレベルを理解していますから、一人前に到達するというゴールを設定して、そこへ向けてダイレクトに進むことが可能です。

転職の成功=新しい仕事で一人前になって活躍

自己理解と仕事の理解は、選考に合格するだけでなく、転職後に活躍が出来るようになる為に必要なことです。転職の成功とは、選考に合格して希望の仕事に就くことだけではなく、入社したその後に新しい仕事と環境に慣れて必要なスキルを習得し一人前になって活躍をするようになることです。活躍し始めて、つまりは会社や顧客に貢献するようになって且つ自分も充実感を持てるようになったら、初めて転職が成功したと言えるのです。 

(2024年8月19日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士

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