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今も昔もボクシングから学び、教え子から学ぶ事。

今も昔もボクシングは面白いが、自分の選手が打ち合いを演じると心臓に悪い。

ただ何故かこの試合は、何度効かされても心配せず見られて、尚且つ楽しめた。

この日は何故か絶対に勝てる、という予感がした。

しかし相手はキック経験者と後で聞き、ああそれでこんなに強いのかと納得した。

それでも安心して観れたのは、この國分の呑み込みの良さと、教えた事を2、3回でできるという、身体能力もあったと思う。

國分がプロテストを受けたのは4、5年程前だと思うが、ジムに来たり来なかったりの繰り返し。

しかしその間何をして、何故来れないか、については一つ一つ國分から聞いていた。

だからその間は、他の試合に出る選手を優先し、たまにしか来ない時には、そこまで指導しなかった。

理由は毎日来る子に取り、不公平だから。

しかしこの子の人生観、バトミントンで日本一になる過程を聞いていたので、試合が決まっても残業だらけで、まともに練習する日は多くはなくとも信頼していた。

まだ22歳。
先日食事に行き、将来を楽しく悩む國分に、敢えて私はアドバイスしなかった。

ボクシングと同じく、この子は浅い事を深く考える事が出来る。

だから余計なことは言わず、困って相談に来た時はヒントを出そうと思う。

待ち合わせにきた國分は手に、本屋で買ったという、マーケティングの難しい本を持っていた。

食事に行き、一つだけ教えたのは、何かの世界でトップになりたいなら、仕事は一つに絞れ。

何個かの事をしたければ、トップは無理だが、それが世に役立つ事なら楽しい。

どちらが良いという事はない。

そう言うと「はい。ただ僕は社会人として駆け出しです。まずは勉強をして下積みを重ねながら、本を読み勉強したいです」。
そう言った。

なかなか22歳の言う事ではないが、こういう普段からの心がけが所が今回の試合に対し、私の不安が無かったところのように思う。

将来何になるか分からないこの年は、言い換えれば何の道にも行けるという事である。

そういう勘というか、おさえるべく所が、この子は15,6歳の入門の時から優れていた。

素直だから、どんな道に行っても成功すると思うが、成功はする前に必ず奈落に底に落ちてから、耐え忍び掴むことが出来る。

もっともっと辛い経験をし、それを乗り越える。
それが人生で、死ぬまで続く。

教え子が伸びるのを見る事は、本当に嬉しい。

これからもボクシング一本で行く子、起業を目指す子、サラリーマン、番頭タイプと色んな子がいるが、幸せとは自分が掴んだものに花が咲く事だと気付き、皆んな幸せになってくれたらいいな。

そう思う。

私はやり残した事がある。

それが何かはこの際書かないけれど、22歳も54歳も、やり残した事を置いて逃げて送る人生は、つまらないし幸せではない。

取り敢えず今回、プロボクサーとして一番大切な、お客様に喜んでもらえる試合をした。よく頑張った。

國分は常に金を追わず、ロマンを追う。
それを忘れなければ、金は必ず後からついてくる。

人を相手にせず、天を相手にするような人物になってほしいと思うのは、教え子全員に願うことである。


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