最近の記事

『アイデアがあふれ出す不思議な12の対話』

  クリエイティブな人になりたいと思っても、どうしたらいいのか分からない。  クリエイティブであれと言われても、何から始めたらいいのか分からない。  そんな普通の私たちに、クリエイティブという言葉の代わりに、アイデアという言葉を多用してみましょうという提案です。  偉大な大発明ではなく、日常の不便を「ちょっとましにする」どこにでもある小さなアイデア。そのアイデアの一つ一つに「名前」をつけましょう。名前をつけることで、その小さなアイデアはレンガのように組み合わせることができる。

    • 『フィンランドはなぜ「世界一幸せな国」になったのか』

       フィンランドといえば、4年前に出張で2日ほど滞在したことがあるだけ。  そういえば、高校生の時にシベリウスのフィンランディアを歌ったことがあること。あとはムーミンとノキア、ミカ・ハッキネンその他何人かのレーシングドライバー…そんな知識レベル。  まあ、詳しくは知らないけど何となく優れた福祉国家というイメージだけはありましたので、「世界一幸せな国」というなら一体どんなもんだろう?と興味を持って読み始めました。  著者の岩竹美加子さんはフィンランド人の夫と1991年から30年以

      • 『両利きの経営』

         何年か前に「イノベーションのジレンマ」を読み、ナルホドと思いながらも、ではどうすればいわゆるサクセス・トラップを回避することができるのか?というところについては若干モヤモヤ感というか、「それができりゃ苦労しないよ」的な非現実感を覚えたものでした。  この本のタイトルである『両利き』とは、比較的成熟した既存事業の進化と、新しい事業への探索を両立させることを指しています。そのための処方箋を、それに成功した企業と失敗した企業の豊富な実例に触れながら紹介してくれます。内容も実践的で

        • 『企業不祥事を防ぐ』

           こんなに面白いコンプラ本があっただろうか?(て、これしか読んだことありませんが…)  多くの企業不祥事に関わってきた著者の國廣正氏(弁護士)は、真面目な日本企業が陥りがちな、管理強化が自己目的化し極端な形式主義に偏ったコンプライアンス活動は、やらされ感と士気の低下しか生まず、かえって不祥事の温床になるものだと強く警鐘を鳴らします。  この本では、コンプライアンスの本質は「企業が時代や社会の変化に伴う不確実性に柔軟に対応して生き抜いていくためのダイナミックなリスク管理の実践論

          『異端のすすめ』

           弁護士〜タレント〜政治家とさまざまなキャリアを積んできた橋下徹氏が20〜40代前半くらいまでの若手に送るメッセージ本。「異端のすすめ」というタイトルは誰がつけたのか分かりませんが、書かれている内容は決して奇抜な内容ではなく、ある意味とてもオーソドックスなものでした。但しそれは退屈な本だという意味ではありません。テレビで見る橋下さんらしく「クールで熱い」文章であっという間に読み切ってしまいました。  まてよ、これが普通に思えるということは僕が異端なのか?おかしいなあ。

          『シナリオ・プランニング』

           少し前に読了した本ですが。  「不測の事態」は起こる、ということを前提に、未来を決定づける様々な不確定要素の中から最も重要と思われる2つを厳選し、それを縦横軸として4象限のシナリオを緻密に描いておくことで、現実がどう転じても冷静沈着に対応出来るようになる、という思考術の紹介です。  未来予測は、当たるかどうかが大事ではないというスタンスが爽快で良いと思いました。実際、この本の中で紹介されている過去のケース・スタディは、結果から見れば少なからず「ハズレ」ていますが、4象限の幾

          『芝園団地に住んでいます ー住民の半分が外国人になったとき何が起きるか』

           住民の過半数が中国からの移住者で占められる芝園団地で、高齢化する日本人住民と若いIT技術者とその家族が多くを占める中国人住民が、さまざまな違和感やもやもや感を持ちながら共に暮らしている実情を描くルポルタージュです。  芝園団地は自宅(単身赴任先の浜松ではなく川口の)から近いこともあって、中国に住んでいた時代の懐かしい味を求めて何度か食事や買い物に出かけたこともあり、そこの実態には何となく興味を持っていました。  最近では、異文化共生を実現しているコミュニティとして賞をとった

          『人間の本性』

           人には理性の血と動物の血が流れている、という話から始まります。生物の歴史の中で人間だけが理性を獲得してからの時間は、それ以前の動物として生きていた時間に比べれば一瞬と言えるほど短く、それゆえ今も私たちを無意識に支配する動物の血を制御しながら生きることが大切、という話です。ストレスから自由になりたい、他人よりお金持ちになりたい、名誉や権力を手にしたい、自分をより良く見せたい、自分に不都合なものを見ないふりをしたり遠ざけたりしながら生きていきたい。そういう「誰にでもある綺麗事で

          『ドキュメント武漢』

           北京で活躍している大学の同窓生が著した本です。  武漢で新種のウィルスの感染が広がっているらしい、という「小さな噂」が聞こえ始めてから6月頃までの紆余曲折が、中国国内に住む記者の目線で記録されています。  振り返ってみると、わずか半年前、世界の誰一人としてこの変わり果てた今日を予想できた人はいなかったということに改めて深い感慨を覚えます。今頃僕たちは、東京オリンピック・パラリンピックの余韻の中にいて、様々な感動的なシーンにエネルギーをもらって、さあ僕達もいっちょ頑張るかと世

          『珈琲の世界史』

           コーヒーが好きすぎて、コーヒーの歴史に関する蘊蓄を一冊の本にまとめてしまった人がいます。  アフリカ原産のコーヒーが、中東イエメンのモカ港に渡り、オスマン帝国の交易を通じてやがてヨーロッパ人を魅了し、そのヨーロッパ人が新たな産地を求めて、品種改良などの試行錯誤を行いながら東南アジアや南米に伝播し、やがて新興国アメリカが南米を経済的に支配するためにその南米のコーヒーを買い支える。  このようなメインストリームともいうべき物語の傍で、コーヒー争奪戦に敗れて紅茶の国に宗旨替えを余

          『働くことに関する 9つの嘘』

          LIE#1 People care which company they work for. LIE#2 The best plan wins. LIE#3 The best companies cascade goals. LIE#4 The best people are well-rounded. LIE#5 People need feedback. LIE#6 People can reliably rate other people. LIE#7 People h

          『経済と道徳』

           明治時代に半沢がいた!  次期一万円札の人、そして来年の大河ドラマの主人公でもあるらしい人、渋沢栄一の思想を、その門下生たちが著した本です。(注:この文章はもともと2020年に書きました)  日本の多くの歴史ある民間企業の創設にたずさわり、その商才を遺憾無く発揮して現代日本経済の礎を築いた渋沢栄一ですが、生涯にわたって営利の追求と同じく大切にしていたのが、論語をベースとする道徳でした。金儲けを急ぎすぎるあまり、その事業が世のため人のための役に立っているかという目的を見失えば

          『机器之城 The city of robots』

           2030年代のアメリカと中国を舞台にした、4つの短編SF小説集です。SFというよりもディストピアという感じかな。  一部を「超訳」で紹介すると; 『ロボット大統領』  殆どの仕事がロボットに代替されていく時代背景の中、ついにアメリカで歴史上初のロボット大統領が誕生する。表面上は「完全に私心のない大統領による、完璧な直接民主制」が実現したように見えるが、その背後ではそのロボット大統領管理委員会首席のポストを巡って、政治家や天才ハッカーによる今と大して変わらぬ権謀術数が展開さ

          『東海道中膝栗毛』

           そうだ!東海道沿いに住んでる今こそこれ読んどこう、ということで。 言わずと知れた、弥次さん喜多さんの二人が江戸を発ってお伊勢参りに向かう珍道中を描いたコメディ小説です。  浜松を通り過ぎるあたりは、今切の橋は当然ながらまだ無かったので、舞坂から渡し舟で新居の関所に至る、ということになっています。物語はこの渡し船で乗り合わせた歳の頃五十位の乗客の懐に入っていた蛇が、乗客が居眠りしている間に這い出して船中大騒ぎになる、というエピソードです。この人騒がせなオジサンは蛇使いで、興行

          『同調圧力』

           演出家の鴻上尚史氏と、評論家の佐藤直樹氏の対談。  コロナ禍の今と戦時下の日本には共通点が多いといい、その背景にある日本独特の同調圧力というものの怖さを語り合っています。  二人は、日本には社会とは別の、世間という概念があると言います。世間は、多様性に対して極めて不寛容であり、これが生まれながらに個性的な私たち一人一人を束縛しています。ゆえに、政府がロックダウン命令を出したわけでもないのに、他人に迷惑をかけるなと教えられて育った日本人は「空気を読んで」外出を「自粛」します

          『Quit like a millionaire』

           文革世代の両親と共に7歳で中国四川省からカナダに移民し、貧困の中で育った著者は、31歳でミリオネアとなって「引退」し、世界を旅しながら幸せに生きています。  著者は極貧の環境で育ったので、就職してちょっといい給料を得られるようになると、まずは若い女性の例に漏れずブランドもののバッグなどを次々と手に入れる快感に溺れかけます。でもある時それに虚しさを感じ、お金と幸せの関係を見つめ直します。そうした試行錯誤を経て今のステータスを手に入れた著者の来し方を総括して「誰でも真似できるハ