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『ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた』

『新人世の資本論』で資本主義の限界と脱成長という新しい理想を説いた東大准教授で思想家の斉藤幸平氏が、2年間かけて日本の「現場」をめぐり、実際に「コモン」を実践している人々に出会ったり、自ら体験してみたりした記録。
毎日新聞に連載されたものを加筆修正して出版したとのことで、一つ一つのエピソードが読むのにちょうど良い長さで構成されており、肩肘張らずに読める本になっています。
本のタイトルになっているように、実際にウーバーイーツの配達員になってギグワークを経験してみたり、コロナ禍時代に流行した「あつ森」をやってみて、メタバースで原資共同生活を楽しめるのかと思いきや、そこにもとんでもない格差社会が生まれていることを知って愕然としたりとか、男性メイクや昆虫食を試してみたりとか…
理想と現実の隔たりを身をもって確認したり、未来への小さな手応えを感じたり。斉藤氏の優れた文才と相まって、楽しみながら考えさせられる一冊でした。

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