『しらとりくんはてんこうせい』を読んだ
※結末は書いてないけど、内容はちょくちょく引用しています。
『しらとりくんはてんこうせい』
枡野浩一・文 目黒雅也・絵
もともと著者の枡野浩一さんの短歌が好きで、「児童書も書いてるんだ!」とびっくりして手に取った本。
タイトルの通り、しらとりくんという転校生の男の子と、俺(主人公)が出会って交流する話。
枡野浩一さんの体験談かしら!?ってくらい、心の動きを細かく捉えていて面白い。
この自己紹介で、クラスのみんなは「えーっ」と笑ったのだけど、主人公のおれは、
と、冷静に観察している。
この物語の地の文や会話は、こんな調子で率直で自由。こどもっぽさも伝わる。
あと、読んでて全体的に懐かしかった。
しらとりくんの体操着だけブルーのラインが入っていて、しらとりくんはもじもじしてる感じとか、「そうそう、転校したら制服とか体操着とか最初は違うのよね~!」ってほわんとした。笑
そして、主人公が「それ かっこいいね」って羨ましがるのもわかる。 (私は転校したことがないから、主人公くん側の気持ちがより共感できる笑)
主人公はしらとりくんと仲良くしていくうちに、「こういう人もいるんだ」「こんな感じ方・考え方もあるんだな」を体感していく。今までの友達のように、ただ野球したり遊んだりって仲とも少し違う、少し特別に感じる存在。
自分と他人は違う、違うって面白いねって淡々と受け入れる感じが読んでて心地よいです。
あと、しらとりくんが「家に遊びに来てよ」じゃなく「ひみつのパーティー」っていって主人公を誘うのが、奥ゆかしくてかわいいです。笑
絵も、主人公の指にシュークリームのクリームがついていて誇らしげな表情の絵とかすごくかわいいです。
楽しい本でした。
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