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#おすすめ名作映画「春のソナタ」~エリックロメール監督「四季の物語」シリーズ①~


春のソナタ(1990年)
エリックロメール監督作。「四季の物語」シリーズの第一作。
高校教師のジャンヌは、自分の部屋をいとこに貸したものの、彼氏の部屋は彼が出張のため一人でいるのが落ち着かない。そんな時パーティで知り合ったナターシャの家に居候することになる。
ナターシャは父親の若い恋人が気に食わない。そこでジャンヌを父親の恋人にしようとするが・・・。といった話。

この作品を観た当時は、ストーリーが大げさでない感じが心地よく好きだった。そしてなにより、フランスっぽい!お洒落!別荘も素敵!というビジュアル面に魅かれていたことは否めない。
ミーハーな気持ちといったらよいだろうか。映画「かもめ食堂」が好きっていうのと似ているかもしれない。(ちょっと違うかな・・・。)
北欧カラーの色彩は大好きだけれど、フランスのお洒落感も違った魅力がある。
ナターシャのファッションもパリジェンヌぽくて好きだった。

哲学教師のジャンヌの理屈っぽい会話や、自分の心に思考をめぐらす感じも、自然な感じがよかった。
そういうもの(知的なもの)に憧れがあったのだと思う。

お気に入りの作品で何度も観たと記憶している。

食事のシーンで、ワインとソーセージかサラミかハムっぽいものと、チーズか何かだけしか食べていなかったので、フランス人ってこんな質素で少食なのかしら?と当時思ったのを覚えている。それから、皆こんな哲学的な会話を普通にしているのか?とか。
すぐに実際はそうじゃないよね、と気づくことになるのだけれど。

考えてみれば日本映画に出てくるような日本人が本当にいるか?と言われたら、実際の一般人は違うでしょうって話と同じことだ。
現在はSNSなどで、いろんな情報が得られるので、そういった勘違いは昔ほど多くはないかもしれないけれど、フィクションだとわかっていてもイメージとは結構大きな影響を与えるものだと思った。

話が逸れてしまったが、私は、四季の物語の中でこの「春のソナタ」が一番好きだ。四季の物語以外も含めて、好きな映画を教えてと言われたら、いくつか思い浮かべる作品の中には必ず入っている。
春はいつも憂鬱になりがちだけれど、この作品のような春のイメージは心地よい。
悲劇でも喜劇でもなく、激しくない、煩くない作品なので、お勧め作品としても紹介しやすい映画だ。


春が近づいてきて、この作品を思い出して、感想・紹介文を投稿してみようと思いました。

四季の物語シリーズ「冬物語」「夏物語」「恋の秋」の紹介と感想は、またの機会に。

<文・見出しイラスト/犬のしっぽヤモリの手>
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<© 2023 犬のしっぽヤモリの手 この記事は著作権によって守られています>
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