マガジンのカバー画像

村の昔の生活史

10
昭和43年から続く小さな村の広報誌。ページをめくると大野見の歴史や民話、暮らしぶりが記されている。 そこには歴史の教科書に出てくる偉人など一人もいない。
運営しているクリエイター

2023年9月の記事一覧

つながりが断たれる心地よさ、つながりを感じる安堵感

つながりが断たれる心地よさ、つながりを感じる安堵感

悲劇の神童 庄三郎①に続く後半。
奇才がゆえに皮肉にも、悲運を辿ってしまった庄三郎の最期はどうなるのか。
そして、改めて思う、「何でもない土地」に昔話が残っている愛おしさを言葉にしてみた。

逃げ続ける庄三郎が見たもの
 どこをどう行ったのかただ夢中であった。
喘ぐような庄三郎のはく息と落葉をふみしめる音が交差しながら、上へ上へと登って行った。

どれだけたったかはじめて振り返った時、神母野の人家

もっとみる