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喰らう記録

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畑の野菜で作る昼飯の記録。週の半分通う中里自然農園にて。
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#エッセイ

モロッコインゲンとの出合い、その後。

モロッコインゲンとの出合い、その後。

よくわからない野菜との出合いの記録。それでいて来年も、きっとその先も、出合い直し続けていきたいと心をメラメラ燃やしている。

朝八時半、ビーチサンダルから地下足袋に履き替える。親指ソックスも、五本指ソックスもない。普通の靴下の、親指と人差し指の間を無理やり押し込んで、地下足袋を足にはめる。

高知県の真ん中より少し西寄りの小さな町、中土佐町・久礼(くれ)の海に面した小さな集落に、わたしが週の半分通

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失敗と成功の境ってナンだ。

失敗と成功の境ってナンだ。

キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン

時計の短長針がてっぺんに重なる時、学校のチャイムと同じ鐘がこの小さな街に鳴り響く。オカワカメの収穫を終えて、農園の釜屋(ダイニング)に帰る。

わたしが週の半分通う中里自然農園は、高知県の真ん中より少し西寄りの小さな町に位置する。中土佐町・久礼(くれ)の海に面した小さな集落。
南国土佐という字面に相応しいエメラルドグリーンの海が青空の下に広がる

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春よ、来い

春よ、来い

いただきますをする前の味見ってなんであんなに美味しいんだろう。

寒さ極まる冬に感じる春の暖かさが嬉しいのもそんな類なのかもしれない。
春になったら、夏の猛暑を予感して、暖かさへの期待はどこかに飛んでいくのに。

ここ一週間、春を予感させる暖かさが続いた。
おかげで、春の訪れを待ち望んでいる自分をはっきりと自覚した。
そりゃあ田舎の人が、春になったら山菜採りに行きたくなるのもわかる。

知り合いに

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