1年4か月で大手企業を辞めて2人だけのベンチャーに飛び込んだからこそ思うキャリアの選び方__6_

あまり気づかない、SNS採用の功罪。

最近Twitterを始めとしたSNS経由の採用がトレンドになってきています。

この方法は僕の支援先でもオススメしている企業さんはあるので、手段を否定する気はサラサラありません。

使い方次第ではこれほどコストをかけずに狙った人にアプローチできる方法はなかなかないでしょう。


が、Twitter採用は使い方次第では「諸刃の剣」です。


タイトルにある「SNS採用の功罪」の「罪」の方の問題は、

長期的な目線を常に持たないと採用が属人化してしまいかねないので、「その人がいなくなるとその会社の採用が止まる」ということが起きる可能性があること。

だと思っています。


めちゃめちゃフォロワーがいてその人がいれば採用し放題!のような人事がいた時に、その方が転職・休職・辞職などをした場合、そこからのチャネルがガッツリ無くなることになるので一気に採用力は落ちる可能性があるのが、諸刃の剣である最大の理由です。

人気バンドのカリスマボーカルが抜けてソロ活動し出したら、そのバンドは大体売れなくなるのと同じようなイメージを持っていただければと思います。


とはいえ、そんな悲観していても仕方ないので、解決策を考えました。


これを回避するためには2つステップがいるかなーと思っています。

キーワードは「ブランディング」「発信力の担保」です。


Step1.企業のブランド(CI=コーポレート・アイデンティティ)をしっかりと視覚化して社員全員(最低でも採用に携わる人全員)で共有・認識・理解する。
Step2.採用に関係する全員が各人のTwitterなどで企業の魅力を発信しながら、全員が発信力を持つように個々人をブランド化・タレント化して発信力を高めていく。


まず、①に関して。

そもそもの企業ブランドの理解をしていないと、採用に関連する人たちだけでなく他のOB訪問や面接に携わる人たちも含めて好き勝手に会社のことを話してしまう可能性が高くなります。

なので、しっかりと「うちの会社らしさってなんだっけ?」「それってなんでそういう"らしさ"があるんだっけ?」「そもそもなんでこういうビジョンなんだっけ?」と考えるプロセスが必要です(これがガチンコでやると超大変で手間がかかるところですが...)

逆にそれをみんなでしていれば、「うちの会社はこういう会社だよ」「こういうことを成し遂げたくて会社やっているんだよ」と、それぞれがそれぞれの経験に基づいて話すけれど、「話す内容の本質はみんなほぼ同じ」というのが一番メッセージ性の強い方法です。

「ブランディング」という言葉がむやみやたらに使われる昨今ですが、本来はここまでやる必要がありますし、もっとやらなければならないこともあります(今回の記事ではこの採用ブランディングの詳細が論点ではないので、興味のある人は直接聞いてください。お茶しましょう。)

事例で言えば、ウェディング事業でお馴染みのCRAZYさんとかはこれを最近まですごく時間かけてやっていたようですね。(事例の細かい話は長くなるのでこれも別途興味ある人は聞いてください)



そして、②に関して。

これは難しいところですが、CIの部分とPI(パーソナル・アイデンティティ)の部分を掛け算して、個々人が「独自の価値・市場」を見つけて発信していくことに最終的に着地するかと思われます。

ここは分かりにくいと思われるので、少し噛み砕いて説明します。


Twitter採用がうまくいっている方は、だいたいみなさん他の人が持っていないような独自の価値を、Twitter上の発言ないし実務で発揮してそれをnoteなどにまとめてコンテンツ化して発信しているかと思われます。

このnoteの最初にあったツイートのウインナー人事こと西島さんも、とてつもない熱意で応募者と向き合う姿勢を見せたコンテンツで人事界隈のTLにて話題になっていました。

つまり、このような「その人だからこそできること」を自分以外の人事もしくは採用に携わる人たちも各自見つけ、それを武器に発信していけばいいわけです。(西島さんはおそらくここもやろうとしている感が見受けられるのでさすがです...。)

そうすれば、①でCIを全員が共有しているので伝えるべきメッセージはブレないし、②で複数人そういう人がいれば誰かがいなくなってもすぐにチャネルが機能しなくなる、ということはなくなりにくくなります(そりゃそういうプロが1人辞めたら多少は採用数も減るでしょうが...)。


ただ、この②も一朝一夕ではうまくいきません。なかなかに難しいです。

ZOZOの田端さんの「ブランド人になれ!」が出版された後から急激にブランド人になろうと沢山の方が暗中模索の日々を送っているかと思いますが、ブランディングの観点からいけば、正直なかなかブランド人と呼べないような方もいらっしゃいます。

例えば、アカウント名を見て@マーク以降の肩書きが気になるのに、全然@マーク以降の肩書きに関するツイートをしないで誰でも言えるような内容をツイートし続けている人などは、言葉が強いかもですが「ハリボテ系ブランド人」にイメージは近いです。


じゃあどうするのか?となりますが、

仕事としてブランディングをやっている人に相談するのがぶっちゃけ早いです。


ただ、それも億劫な人もいるかと思うので、以下に僕なりのちょっとしたオススメ方法を紹介します。

一つの指標として「自分のツイートでエンゲージメント率が高いカテゴリー・ジャンル」を見つけてみてください。それは、もしかしたら「あなただけしか経験していない話」だからこそ他ユーザーから反応されているものかもしれません。

これは僕が最近自分で実験してみたのですが、あえて自分でもない誰かが言えるツイートをした時にはエンゲージメント率が30〜50%ほど落ちました

逆に自分でしか言えないものに関しては、フォロワー数の割にいいねの数が平均して多い方な気がしています。

で、そのツイートの大半は僕の強みや特徴である「採用・ブランディング・キャリア面談・学生の本音・ロックミュージック・うつ病・社会的構造への怒りと悲しみ」あたりに分類されます。

(僕の場合、これらは全て複合的に絡み合っているので、実は切り口が違うだけで言っていることの本質は全て同じです。)


・・・

話がとっ散らかっちゃいましたが、まとめれば「会社らしさとは?」「自分らしさとは?」「それを掛け算して発信するとは?」をきっちり自分以外の人も出来る体制を整えるという王道且つシンプルなところが解決策の1つだと思っています。

というわけで、属人化すると本人のためにはなるけど企業のためにはならないこともあるので、ちょっと注意した方がいいかも...というnoteでした。

おしまい。


-----------------------

ブランディングやPR、その他もろもろ呟くTwitterもどうぞ!

(お仕事等のご依頼もTwitterのDMからいつでもウェルカムです!)

Twitter:@yhkyamaguchi


【ブランディングについての理解を深めたい方向け】

・【5分でサクッと理解できる】忙しい人のためのブランド/ブランディング論

・欅坂46から学ぶ!ベンチャー企業のためのブランドPR戦略

・「ブランディング」の認識、食い違い過ぎ問題。


【採用ブランディングについての理解を深めたい方向け】

・「思想の言語化」が鍵だった!採用ブランド戦略の構築フローを紐解く。

・【3ヶ月で125%増】企業ブランドを採用フロー全体で伝えるには?〜採用ブランド構築事例〜

・採用ブランディングとロックミュージックの本質こそが今の若者を惹きつける最大の理由

サポートされた分、誰かをサポートしたいと思います。