- 運営しているクリエイター
記事一覧
「地中海世界」(フェルナン・ブローデル編)−海−
今回で2回目の「文化の読書会」。-陸地-に続いて、地中海の-海-について。
地中海は、現代の私たちの感覚だと「湖」くらいの感覚になっているが、古代や中世の時代の人にとっては、とてつもなく広く、まさに「一つの世界」「一つの惑星」だった、というくらいそれが全てだったのだ。
この地中海は、-陸-でも触れられていたように切り立った陸地で囲まれているため、大陸棚のような遠浅の海がないため、海の幸は種類は
「地中海世界」(フェルナン・ブローデル編)−陸地−
もともとは仕事でもお世話になっている安西洋之さんと近畿大学の山縣教授の話から始まったという、1章ずつ本を読んで、その趣旨を1000字以内でまとめていくという読書会に参加の機会をいただいた。なかなか1冊ずつとなるとハードルも高いので、1章ずつというのは続けやすいし、感想の交換は個々の価値観の交換に等しいため、シンプルに楽しい。自分自身、毎週読書会をもう何年も開催しており、本の感想を言い合うことで価値
もっとみる『地中海世界』フェルナン・ブローデル - 陸地
これから定期的に本の「自分なり」の趣旨を章ごとに1000字で書いていきます。主に欧州の文化に関する本です。
先日、近畿大学で経営学を教える山懸正幸さんと話している時、会話が「あらためて、文芸史や美術史などを勉強したくなってきましたね」との流れになりました。というのも社会科学系の人たちの書くものばかり読んでいると、世界はとてつもなく大きな姿をした存在であることを忘れてしまうのですね。そこをやはり意
『地中海世界』フェルナン・ブローデルー海
21世紀の感覚で地中海をみると、見えないことがたくさんある。地中海世界の沿岸をおどおどしながら、それも自然の脅威からかろうじて逃れられる季節を選んで船で移動するしかなかった時代の風景を想像してみる。15世紀末、ヴァスコ・ダ・ガマが喜望峰を経由してインドに到達し、コロンブスがアメリカまで航海した事実だけを基準に、あの当時の地中海沿岸の漁民たちの心情を推し量ってはいけない(25世紀の人たちが、1961
もっとみる