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【考察】リモートワークでシステム屋の成長は阻害されるのか?

コロナ禍になってから基本的に毎日リモートワークをしている。
リモワについては以前こんな記事を買いた。

改めて読んでみると元も子もない記事だなとは思う。
ある程度の経験がある人を念頭に書いたので、社会人になった時からリモワだった人は、「ダメな人」にならないためにどうすればよいのかという観点は入っていない。
今回はその部分を考えてみたい。

リモワのいい点

私はベテランになってからリモワ中心になったので、ほぼデメリットなしでリモワのメリットを享受できている。

通勤時間が不要
②家庭の事情で中抜けが容易
(夕食後に「残業」で巻き返すなど柔軟なスケジュールで対応)
③会議室予約や会議室の移動が不要

メリットは主にこんなところだ。
他にもあるかもしれないが、今回はメリットについて深堀りはしない。

リモワの欠点

欠点もある。

①物理的接触がないことによる関係性構築の難しさ
(=要はランチや飲み会といったコミュニケーションがないと仲良くならないよね問題)
②ちょっとした質問や、ちょっとした状況伺いがしづらい
③同じ空間で同じ課題に向かうという経験をしづらい

①物理的接触がないことによる関係性構築の難しさは、もはやノミニケーションの時代でもないだろうという意見もある。
オンライン飲みとかネトゲを一緒にやったりとかでも関係性は作れるだろう。なので代替手段がないわけではない。

②ちょっとした質問や、ちょっとした状況伺いがしづらい点は確かにハードルはあるが、それでも「ちょっと困ったら遠慮なくチャット」とか「1日に1回1on1で課題を拾う」とか、ルールの徹底でなんとかなる部分がある。リモワネイティブとでも言うべき令和世代なら割と簡単に適応できるのかもしれない。

最後の③同じ空間で同じ課題に向かうという経験をしづらいについては少々抽象的だが、一番の課題かもしれない。
もちろん同じ課題管理ツールやWBSをオンラインで共有してプロジェクトを進めれば、形上は同じ課題には向かっているし、オンラインも一つの空間だと考えれば同じ空間だともいえる。

ただ、例えば同じ会議室でホワイトボードに向かってマインドマップを書きながら「あーでもない、こーでもない」と先輩が悩んでいるその空間を共有ているうちにその課題が自分ごとになっていくのを実感したり、自分が詰まったバグ修正を先輩が代わりにステップ実行しながら直してくれるのを横で見ながら修正方法を学んだりすることは、同じ物理空間にいるのといないのでは感じる密度・深度が違う。

これらは一言でいうと「思考プロセスの伝承」なんだと思う。
今自分が当たり前のようにできている資料の作り方、課題の分解方法、データ差異の調べ方なども、振り返ってみると過去の先輩たちがまさに「手取り足取り」教えてくれたことばかりだ。厳密には作業を見ながら「盗んだ」のかもしれないが、それも含めて教えてもらったということだろう。

じゃあ入社時からリモワの新人は一体どうすればいいの?となる。
以下のいずれかになるだろう。

①出社日を作る
そもそも出社できる場所があること、先輩社員も出社してくれることが前提にはなるが「週1回でも集まりませんか?」と提案してみるのもいいだろう。そしてなるべく先輩たちの思考に直接触れる時間を作りにいこう。

②思考プロセスを「盗める」時間・空間を作りに行く
プログラマでいえば「オンラインペアプログラミング」みたいなイメージだろうか。
コンサルタントで言えばパワポのダメ出し修正を、先輩に投影してもらいながらその場で直してもらうのを眺める感じ。その際、なぜダメだったのかをなるべく言語化して説明してもらうとベストだ。
そういう機会を遠慮せずに積極的に「レビューお願いします!」「進め方のご相談でお時間ください!」と先輩に声掛けして作りにいってほしい。

③職場以外で思考プロセスを学ぶ
1を聞いて10を知れる人、自学自習でよい成績が残せる人向けではあるが、世の中には思考プロセスそのものを説明しているビジネス書があるので、自分の仕事に合いそうなものをAmazonやブクログのレビューを参考に探してみるのもよいだろう。

まとめ:リモワにおける成長阻害要因は「思考プロセス」を学びづらいこと

恐らくこの問題はすぐには表面化しない。
若手の頃は小手先のマニュアル対応で言われた通りにやっていればなんとかなってしまうだろう。
だが、30代・40代になって、自分で仕事の進め方を考えて指示しないといけない世代になったとき、思考プロセスが稚拙だと大きな壁にぶつかることになる気がする。そうならないためにも上述の打ち手を参考に意識的に思考プロセスをインストールしていってほしい。
リモワ中心の若手のみなさんにとって、課題認識の一助となれば幸いである。

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