困り事の早期解決を可能とする相談者ペアリング技術 つくばフォーラム 2023

<困り事の早期解決を可能とする相談者ペアリング技術 つくばフォーラム 2023>
カテゴリタイトル:みんなのDXで業務が進化 備忘録
 
NTTのつくばフォーラム 2023という展示に行ってきた。その備忘録である。
 
リモートワールドのような遠隔勤務中心に仕事をする世の中になってきた。そんな世の中では企業の職員はいわゆる在宅勤務をしている場合が多い。在宅勤務では通勤時間を取られることなく柔軟な働き方を執行できる。その一方、在宅勤務では、情報セキュリティを担保しつつ、一人で仕事をする場合が多い。
 
上記のように一人で仕事をしていてこんな事態はなかったろうか。仕事をしていて困ったことが出てきた。このことって誰に聞けばよかったろうか。仕事上の大きな悩みは上長に連絡すればよいであろう。そうではなく仕事上のちょっとしたこと、たとえば仕事のコツみたいなことを聞きたくなることがある。上長では知ってなさそうなことだ。今までであれば職場にいる同僚に直で聞いてみたりしていた。そんな仕事のちょっとしたコツだ。在宅勤務になって一体誰に聞けばよいのだろう。
 
こんな事態だ。こんな事態に直面する人は少なくなさそうだ。これからもっと増えていくに違いない。
 
つくばフォーラム 2023 の本展示、困り事の早期解決を可能とする相談者ペアリング技術はこのような事態を解決すると謳っている。
 
スラッグというビジネスチャットツールのデモ展示を飾っていた。スラッグというビジネスチャットツールがあるのをご存じであろう。ビジネス用途のチャットツールだ。
 
ネットワークに接続して在宅等で仕事をしている「相談者」がいる。ネットワーク越しには「相談候補者A」や「相談候補者B」などがいる。「相談者」や「相談候補者A」や「相談候補者B」の仕事で使っている端末はネットワークに接続したままである。
 
在宅勤務をしている、ある「相談者」に困り事「あ」が出てきた。上述したようにちょっとした仕事のコツがわからなくなっているのである。どうしようか。こんなことは上長には聞くことではないな。職場の同僚でも知っている人はいるのだろうか。誰か知っている社員はいないかな。
 
困り事を抱えている部署「1」の「相談者」はスラッグに自分の悩み「あ」を投げてみることにした。しばらくすると、困り事の早期解決を可能とする相談者ペアリング技術を使ったスラッグから返事が来ている。部署「1」の「相談候補者A」が「あ」のことを知っていそうです。また部署「2」の「相談候補者B」も「あ」の関連のことを知っているかもしれません。連絡してみるといいでしょう。そうか、わかった。AやBにスラッグで「あ」についてチャットして聞いてみよう。どうもありがとう。
 
一方「相談候補者A」や「相談候補者B」のスラッグには「相談者」からの悩み「あ」で相談に乗ってやってくれないかという主旨のチャットが表示される。部署「1」の「相談者」が「あ」の件で悩んでいるな。よし助けてやろう。すると早速「相談者」から「あ」の件でスラッグのチャットが飛んできた。
 
こんな具合である。具体的なデモの展示では、施工保守の現場のニーズをよく捉えていた。思い当たる節もあろうかと存ずる。
 
本展示の困り事の早期解決を可能とする相談者ペアリング技術を使うと、こんな調子で「相談者」と「相談候補者」がいわゆるペアリングされて、すぐにでもやり取りが興ってくる。在宅勤務主体の遠隔勤務を執り行っている企業内の課題解決に役立つばかりでなく、コミュニケーションの活性化までできてしまうのである。
 
上記を技術的な外観で見てみる。企業の各社員は「相談者」にもなり得るし「相談候補者」にもなり得る。相談したりされたり、両方の役割を担っているのはいうまでもあるまい。
 
企業の各社員は端末でオフィス系の仕事やWEB系の仕事をしている。また企業の各社員の端末はネットワークに接続されている。
 
各社員の端末では、各々の端末内において、オフィス系の仕事・WEB系の仕事如何によらず、それぞれの社員が見ていたり入力されたりしている内容が随時蓄積されている。見ていたり入力されたりしている情報は分析されて整理整頓されて、各端末にて各社員個人それぞれにつき蓄積・更新されている。上述したように各々の端末内にて蓄積・更新されているので情報の外部への流出は原則ないことになる。
 
いざ、「相談者」に困り事「あ」が出てくる。「相談者」が困り事「あ」をスラッグならスラッグに投げ込む。すると、スラッグ内のソフトウェアツールか何かが、困り事「あ」をキーワードとして、「相談候補者」である社員個人の各端末に読み込みにいく。困り事「あ」について一体誰が知っているのかと検索して回るのである。
 
各社員個人の端末では情報が分析された上で整理整頓されている。従って、ネットワーク側から困り事「あ」について検索されに来ても、すぐに答えを出せる状態にある。端末側ですぐに答えを出せる状態にあるからこそ、困り事「あ」に関してよく知っていそうな人がすぐに割り出せる。「相談候補者A」や「相談候補者B」がすぐに割り出せるのだ。
 
そうして割り出された「相談候補者A」や「相談候補者B」という情報を「相談者」に返してやり「相談者」のスラッグに表示してやる。また一方、「相談候補者A」や「相談候補者B」のスラッグには、「相談者」から困り事「あ」について相談があるよとスラッグで表示してやることになるのだ。ここでも上述したように各々の端末からは外部への情報の流出は原則無いことを付け加えておく。
 
このようなことがこの困り事の早期解決を可能とする相談者ペアリング技術の外観である。非常に見事な仕掛けである。
 
具体的なデモの展示では、施工保守の現場のニーズをよく捉えていたと記した。ここではその詳細には触れないが、施工保守の現場ということからして、割と閉じた組織におけるニーズを満たしていたと言ってよい。ネットワーク経路も比較的単純なもので、複雑な経路を介した仕掛けではなかった。そういう意味ではネットワークが複雑になった時に、すぐに相談者を割り出せるかどうかと言った課題は残っている。
 
しかし、この困り事の早期解決を可能とする相談者ペアリング技術の応用範囲はかなり広いと言えるのではないか。しかも中・大規模の組織において役立つのではないかと考えられる。この技術は、世間でいう所謂ナレッジを知っている人を素早く挙げてくれるのだからである。
 
コロナは終息宣言が出たとはいえ、在宅勤務を活用したワークスタイルは定着した旨とらえてよいとも言える。そんな在宅勤務を活用している比較的規模の大きな中・大規模の企業では、上述したように一人で社員が勤務している可能性が高い。しかもその社員は助けを求めている可能性も高い。誰に聞いたらよいのだろうか。そんなことを考えている社員は多そうである。誰に聞けばよいのかが早く分かればそれに越したことはない。
 
そんな時にはこの困り事の早期解決を可能とする相談者ペアリング技術を応用すれば、素早く困り事に対する相談者をペアリングしてくれて、企業の課題を早期に解決してくれる。かつ在宅勤務におけるコミュニケーションの活性化も見込めるというものだ。
 
上述したようにネットワークが複雑な経路を辿るときに、すぐに相談者を割り出せるかどうかといった課題はありそうである。しかし、中・大規模の企業で答えを知っている人がいそうでなかなか見つからないという状況も散見されることからして、この展示で示されていたメリットは、デメリットを上回って、必要とされるに値すると思われる。
 
対抗企業はいるのだろうか。展示員の説明ではあまり聞いたことなくオリジナルなものではないかということであった。そうであれば引き合いも多そうであるので、うまく展開すれば流行る可能性もあるのではないかという感触であった。
 
この困り事の早期解決を可能とする相談者ペアリング技術に関する展示はかなり先行き明るい感触であると言えるではないかと記して結んでおく。
 
以上

おちゃ11