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【Vol.2】自己紹介スライドは廃止!オンライン商談のメリット・マイルール

今回は私が前職で初めて挑戦した「オンライン商談」の主に冒頭・導入部分について紹介していきたいと思います。


対面商談、オンライン商談どちらが好き?

ずっと抱き続けたモヤモヤ

新卒で入社した会社では飲食店(SMB)向けの広告営業を担当。
ランチ終了後〜夕方の営業開始までの仕込み時間を狙って「飛び込み営業」

毎日通い詰める、覚えてもらう、仲良くなる。
中には受注したいお店に食事に行くメンバーもいました。事前に食事に行くことでお店の魅力を知り原稿提案に繋がる、という大きなメリットもありますが、なんだか言葉にできないモヤモヤ。


オンライン環境は「雑談が生まれにくい」ので、社内コミュニケーションにおいては、一定の対面交流を織り交ぜる必要性を感じています。

一方、対顧客においては、この「ちょうど良い距離感」を保ち「本題から入れる」オンライン商談が私の性に合っていました。
(ビジネスモデル、顧客の属性、取り扱う商材において異なり、この限りではありません。)




「一番時間がかかっている業務は何?」

東京在住時に転職し、2社目の会社でより広域を担当するようになると
1ヶ月のうち15日、日帰り出張したことも。
(当時、東日本:青森〜岐阜までを1人で担当。苦笑)


福岡にUターン直後の3社目では、まだ世の中は「対面商談」が主流。所属は九州支社。子育てを配慮いただき、私自身の担当エリアは福岡や熊本など新幹線開通範囲や佐賀長崎など近郊(?)を担当。
他メンバーは新幹線未開通の大分、宮崎、沖縄や離島の担当も。

何気なく「一番時間が掛かっている業務内容や時間は何?」と話していた際、全員が口をそろえて「移動時間」と回答

オンライン商談においては、これを「ゼロ」にできる。言うまでもない営業生産性の向上です。



誰よりも「オンライン完結」にこだわるFS

最大のメリットは、場所と時間の制約解消

育児という制約がある中で、他の人と同等・それ以上の結果を出すには時間の使い方が肝です。

前職では、受注顧客において98%を初訪、再訪含め全てオンラインにて商談完結。
もちろん、訪問で商談をしたこともありましたが「訪問すればオンライン商談よりも受注率が高くなる訳ではない」ことに改めて気づき、オンラインを徹底しました。

訪問ゼロを推奨するのではなく、訪問すべき商談を究極に見極める。対面商談となった場合は、商談形式以外のネックを事前に潰して挑むことが重要です。

オンライン商談におけるメリットを整理しました。

  1. 業務効率向上

  2. 自分の商談を客観視できる

  3. 育成観点でも有用

  4. 顧客にもメリットがある


1.業務効率向上
移動時間をゼロにできるので、圧倒的に効率が上がります。1日の実施商談数を増やすことができる(=より多くの場数を踏める)ことで自己成長のスピードアップにも寄与。

場所を問わず、より広域のお客様を担当できることもメリットです。


2.自分の商談を客観視的できる
録画し議事録として商談履歴を残せます。私はよく自分の商談を見返していました。

オンライン商談中は投影している資料に集中して、顧客の表情や重要なメッセージを見逃しがちです。
商談を見返すことで、商談中は気づかなかった重要なサインを掴むこともできます。

自分では一生懸命プレゼンしていても、相手に刺さらなかったポイントがあったり(苦笑)その箇所を次回商談から短縮・削除、とブラッシュアップも◎

再訪直前に前回商談の重要箇所だけ2倍速で予習するか否かで、継続商談の精度は変わってきます。
(どの顧客と何を会話したか忘れがちな私に欠かせないルーティーン)


3.育成観点でも有用
対面商談の場合は、上司・部下との同行にはスケジュール調整や商談先の立地など限界がありました(時間・費用ともにダブルコストになる)。

オンライン商談では、拠点を超えたメンバーと同席し合えるので、学びが広がり、刺激にもなります。また、FS同士だけではなく、ISがFSの商談に同席、FSがCSSの打合せに同席、と他部署への同席も(時間と場所の制約が解消されるので)より柔軟に。

初訪は1人で対応→再訪は上長に同席依頼する場合、FSが受注後にCSSに引き継ぐ場合も、商談時の録画を共有することで齟齬ない情報連携ができます。

また、フィードバックをもらうため自身の商談動画を共有したり、トップセールスの商談動画を見て自己学習に繋げたり…と、育成・成長観点でのメリットを挙げだすとキリがなさそうです(笑)


4.顧客メリット
「訪問して欲しい」と望む(対面商談が慣習的な)お客様にとって、オンライン商談を打診することは良くないこと、失礼になるのでしょうか。
それは「オンライン商談は顧客にもメリットがあることに、まだ気づいていない」のかもしれません。

今まで移動時間も含めての次回打合せ日を設定していたものが「隙間60〜90分」あれば日程を抑えやすくなる=複数回接点が持ちやすくなり、顧客に対してより頻度高く細かなフォローができるようになります。

前述の通り、録画しておくことで顧客にとっても前回商談から齟齬が少ない形で再訪を進めることができるのも大きなメリットです。

「対面商談だからといって、オンライン商談よりも受注率が高くなる訳ではない」と前述しましたが、これは私が「オンライン商談は(相手と自分の)双方にメリットがある」と強く信じていたからかもしれません。

「オンライン商談をこれまでやったことがない」お客様にもZOOMのダウンロードから接続方法まで案内し、初訪〜再訪〜受注までオンライン完結したお客様は多数います。
商談前日までに緩やかに関係構築にも繋がり「今はこんなこともできるんだ、便利だね」と言われた時は、自社のproductの成約に関わらず、IT化を一歩踏み出すお手伝いができたと思い、嬉しく感じていました。



自分に合う進め方、マイルールを作る

75分、と打診してみる

これまでメリットを中心的にお伝えしてきましたが、対面商談と比較し難しさや注意点もあります。

  • オンライン商談に慣れていない人の方が多い

  • 対面商談よりも集中力が持たない

  • 背景情報が読み取りにくい


フルリモートやオンライン商談が増えてきたとは言え、前職においては「対面商談しか実施したことない」「(一方的に視聴する)ウェビナーは参加したことあるが、オンライン商談などの双方向コミュニケーションは未だ実施したことがない」という顧客が多かったです。


また、訪問の場合1回のアポは「1時間」という暗黙の了解があったのですが、オンラインはそうではなさそう。


「興味がないけど電話が何度もかかってきて、とりあえずオンラインで話少し聞くくらいならいいかな」と、私が逆の立場でも一方的に話を聞く場合、集中力を保てるのは15〜20分が限界かもしれません。

相手がオンラインに慣れていない場合は尚更、集中力を途切れさせない商談構成が重要になります。
商談の進め方は常にアップデートしていましたが、下記の進め方に最終的に落ち着きました。


  • 所要時間、商談の構成、進め方の確認

  • アイスブレイク

  • 概要説明

  • ヒアリング

  • 提案

  • クロージング


一番最初は「所要時間、商談の構成、進め方の確認」を行います。

背景情報を読み取りにくい、のは自社だけではなく商談相手にとっても同じです。
少し大袈裟にいうと相手は「目隠しのままどこかに連れて行かれている感覚」なので、最初に端的にナビゲーションします。


「本日は概要説明、ヒアリング、デモ画面のご案内含めて60分ほど、質疑応答含めると75分ほどあれば十分ですが、この後のご予定問題ないでしょうか?」
冒頭でよく質問していた内容


ポイントは「75分」と少し幅を持たせて打診することです。
75分とアンカリングしておけば、60分=コンパクト。

そこで50〜60分以内に終わらせてほしい、と言われたら「では抜粋しながら、お時間内にしっかり進めますのでご安心下さい」
「午前中いっぱい大丈夫です」や「90分時間とってます」と言われた場合は、「それだけお時間あれば丁寧に進めても十分と思います、ありがとうございます」とお伝え。

これは商談の事前電話の際に確認していても、再度当日も進め方とともに聞くようにしていました。


(事前電話含め、商談準備について前回詳細ご紹介しています)



オンライン商談で気を付けていたことは訪問商談と違い「次また近くに立ち寄るときに」というような再訪設定できないので、初回でしっかりニーズアップできないと次に繋げる難易度が高くなります

そのため極力初回商談の時間はしっかり確保してもらうことを意識していました。



アイスブレイクは2番目、自己紹介スライドは廃止

もう一つのポイントは、個人的に「冒頭のアイスブレイクはあっさり」です。

相手のオンライン耐性によって、内容は変えていましたが
「こういうWEBでの打ち合わせは多いですか?」
「今回はどんな気持ちで打ち合わせのお時間いただけることになったのですか?正直電話しつこかったですかね?!笑」

繰り返しになりますが、不慣れな方が多かったのでプライベートな内容はほぼ話さず上記のような、ざっくばらんに聞く!が多かったです。

訪問商談の際は、相手の企業までに辿り着く道中見かけたもの、外観、社内に掲示されているものや、目についたものなど話題のネタはたくさんありました。
オンライン商談は下手すると5分前まで別の顧客と時間ギリギリまで打ち合わせをしていてからの切り替え!というケースも少なくありません。
アイスブレイク(商談の本題以外)を探す時間が自分自身にもなかったことも否めませんが(苦笑)

意図して「自己紹介スライド」も辞めました



自分の写真、経歴、中には出身地や趣味など記載。私も最初はオンライン商談のマナーなのかな、と取り入れていましたが、わざわざスライドを作成するほどの自己もないし、なんだか恥ずかしい。何より一方通行になりがちな気もしました。

ウェビナーと違い数十人、数百人の人が「この人の話が聞きたい!」と意志を持って臨んでいる場ではないので「私が何者か」は後からでよさそう、それより商談中は削れるものは削りたい


アウトコールからの商談作成の場合特に、(何度も電話かけてくるから、忙しい中時間作ったのに、こんな気合い入れたスライドいいから本題入って・・・)という顧客の心の声が聞こえてくるような。

問い合わせからの商談作成の場合も、相手の関心のベクトルはproductに対してであり、私個人の情報ではない。本題が聞きたいはず。

そう考え、思い切って削除しました!


自己紹介は口頭で簡単に
自社のproductにおいて、どの領域を担当しているか程度。
九州以外の顧客には初回商談からあえて「福岡在住です」と伝えない、社歴なども特に伝えない。役職も特に伝えてませんでした。

まずは顧客ニーズを引き出し、適切に提案し、その進め方と提案内容で信頼を得る。パーソナリティを知ってもらうのは、その後で良い。と考えています。


文字は読み上げない、空白の時間を提供する

繰り返しになりますが、オンライン商談は集中力が途切れやすいです。

「概要説明」においては、提案資料をシンプルに、文字を少なく作成することが大前提ですが

事例やメリットなど、思わず相手に伝えたくなる情報は、あえて読み上げないようにしていました。

「この事例、今回の企業にピッタリだ!」「事前準備でメリットをしっかり整理しておいた」こう言う意気込みがあるとつい、丁寧に説明したくなりがちですが、長々と説明すればするほど相手は集中力が切れてしまうことも。


自分で読み上げないようにしていました。
「御社にあう事例をまとめてきました。少し目を通していただいて導入前の課題や導入後のメリットで共通点や関心どころあれば教えて頂けますか?」と投げかけ、1〜2分待つ。
相手に目を通してもらう時間を作る方が、要点を見てもらえます。


今回は商談の冒頭部分を中心に紹介させて頂きました。
次回以降の記事で「概要説明」「ヒアリング」「提案」「クロージング」部分を数回に分けてお伝えてしていきたいと思います。

ここまで長文に目を通してくださり、ありがとうございました!



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