山中裕貴 バリューコンサルタント Value Consultant

飽和の時代において、価値の最適化/差別化が重要なテーマ そして価値を提供する先は従業員…

山中裕貴 バリューコンサルタント Value Consultant

飽和の時代において、価値の最適化/差別化が重要なテーマ そして価値を提供する先は従業員・顧客の両面となる そんな時代を乗り切るための付加価値のコンサルティングを行っています。 株式会社HRBrain EXサーベイグループ マネージャー HRStrategy 事業責任者

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「現場の組織改善」への大きな勘違い

こんにちは、山中裕貴です。 先日、下記のイベントに参加させていただきました。モデレーターの1人が人生でまたとない飲み友達であり、晴れて抽選に当たり、参加する事ができました。 LTにて社会にどのような影響を及ぼしたいのかという「欲望」が大事という話に感銘を受けていました。その話を踏まえて自分の「欲望」である「現場主導の組織改善を確立する」について引き続き記事を書かねばと奮い立ちました。 「現場主導の組織改善」はなぜ必要か?月並みなことを言いますが、個人の多様性拡大に伴い、

    • 神経科学から考える管理職が嫌われる理由

      こんにちは、山中裕貴です。 今日はとある製造業の社長とお話をさせてもらいましたが、従業員サーベイを用いて行うべきは全社視点というより現場視点の改善であると仰っていました。しかし一方では、何をやっても上司が信頼されていければ何の意味もないというお話をいただきました。 マネジメントに向けられる視線非常に耳の痛い話ですが、やはり管理職というのは嫌われやすい役割だと思います。昨今では「罰ゲーム化する管理職」というキーワードが吹聴され、本まで出版されています。多くは業務負荷などに焦

      • プロダクトドリブンの組織開発とは?

        はじめに自己紹介 皆さん、こんにちは。山中 裕貴と申します。 株式会社HRBrainでEX Intelligenceの立ち上げ(企画設計・分析設計)から顧客の組織課題の解決を行うEXサーベイグループのマネージャーを担っております。 また2024年4月から、組織サーベイに留まらず全社的な組織課題の解決に向けたHR Strategyという新規事業の責任者を務めております。 本記事を書くに至った背景 いまはタレントマネジメントや従業員サーベイという領域は日本において多くの企業

        • 価値中心の経営とは?価値最大化経営というあり方

          前回の「価値の差別性を再定義する」において、まず価値の差別性がない企業の末路を説明した上で、価値が競合と異なって捉えられるために考えるポイントを2つ提示しました。 「誰と違うのか?」:5フォースを用いて競合を広く捉えることが重要 「どう違うのか?」:購入前→購入時→購入後のプロセスで自社・競合・共通の価値を整理することが重要 それぞれを簡単な事例を用いながら説明させていただきました。 価値を起点とした経営活動(価値最大化経営)とは?ここまでの3つのNoteコンテンツを通じて

        「現場の組織改善」への大きな勘違い

        マガジン

        • 理想の組織状態について
          5本
        • 組織開発の実践ナレッジ
          6本
        • ちょっとした考え事
          6本

        記事

          価値とは何か?価値の差別性を再定義する

          前回、企業のミッションを定義するために「価値」というものを検討し、「付加価値の最大化」が共通するミッションであると整理しました。 企業のミッション └投入資源に対する付加価値を最大化すること 「価値」の前提 └①価値とは一つではなく、複数付与されるもの └②価値は伝達だけでなく、実感が重要である 企業活動における価値 └①アウトプットとしての価値:競合との差分でしか価値は認識されない └②プロセスとしての価値:バリューチェーン全体で価値が付与される ■事業環境

          価値とは何か?価値の差別性を再定義する

          価値の創造とは?価値から企業を再解釈する

          前回、企業の目的はドラッカーの「顧客の創造」よりむしろ「価値の創造」であるという内容のNoteを書かせてもらいました。 ドラッカーは「顧客の創造」を重要としたため、企業活動においてマーケティングとイノベーションが重要だとしました。では「価値の創造」を目的とした企業においては何が重要となるのでしょうか?企業運営におけるポイントはどこになるのでしょうか?これらについて検討を深めたいと思います。 企業のミッション(使命)とは? 多くの企業でミッション・ビジョン・バリュー(MV

          価値の創造とは?価値から企業を再解釈する

          「企業の目的」とは?顧客の創造から価値の創造へ

          ■「企業の目的」と言えば…? 企業の目的は?と聞かれたら、皆さんは何と答えますか? マネジメントに関して一定の知見のある方は、P.F.ドラッカー 『現代の経営』から下記の一説を思い浮かべると思います。 この定義に関して、時代背景を踏まえて一定賛同するところがあるものの、現代においては適合していないように感じています。もちろん顧客の課題解決をするためにビジネスをしていますし、そのためには顧客を創造しなければならないという点で変わらぬ真理だとは思っています。ですが「説明しきれ

          「企業の目的」とは?顧客の創造から価値の創造へ

          理想の組織とは?(理論とは何か?)

          理論に求められることとは何か? サーベイプロダクトを企画・設計から携わり、顧客に対して課題解決に向けた議論をしている身としては、どのような組織を構築するべきなのかについて議論をする機会に恵まれる。そしてその際に必ずと言っていいほど話に上がるのは「どのような組織が理想なのか?」という問いである。 この問いに対して絶対的で明示的な答えはなく、企業ごとに異なるというのが正直な所感である。しかしコンサルタントとして価値を発揮すべく顧客と向き合うためには、相手の思考における複雑性を縮

          理想の組織とは?(理論とは何か?)

          データ主導の人材マネジメントを実践する方法_読書サマリ

          はじめに人的資本開示を進めていくにあたって、人事データを適切に分析し、間違いの無いように示唆を抽出することが重要になります。そのためにもデータを用いて人材マネジメントをどのように行うのかについてハーバード・ビジネス・レビューを紹介したいと思います。 https://dhbr.diamond.jp/articles/-/8100 1:将来を見据えてビジネスクリティカルな職務を定義する 今後の事業環境の中で、数少ない職務が、企業の戦略実行や成果創出において大部分を占めるように

          データ主導の人材マネジメントを実践する方法_読書サマリ

          人的資本開示とは何か?(事業との関係①)

          はじめにHRBrainにおいて、とある従業員エンゲージメントサーベイを企画・設計し、分析サポートのマネージャーをしています。多くの企業様と人的資本についてお話をする中での関係性について整理していきたいと思います。 そして「人的資本開示=サーベイ」「人的資本開示=ラーニングシステム」のような支離滅裂なことではなく、どうすれば人的資本開示という機運を用いて企業成長を実現するのかについて考えていきます。 人的資本開示元年2022年は人的資本開示元年といっても良い年だったと思います

          人的資本開示とは何か?(事業との関係①)

          「2:6:2の法則」は本当に正しいのか?

          はじめにHR領域にいると度々耳にするのが「2:6:2の法則」だと思います。その法則を聞くたびに本当にそうか?と思うことがあるので、そのもやもやを整理したいと思います。 2:6:2の法則とは何か?この法則はもともと経済学における所得分布を表す「パレートの法則」と呼ばれている理論が起点になっていると言われます。「パレートの法則」では、社会全体で見ると資産の8割は上位2割の人に集まり、残りの2割が下位の8割によって生み出されているというものです。そこから「80:20の法則」として

          「2:6:2の法則」は本当に正しいのか?

          『賢い人の秘密』賢者の思考法(思考の育て方)

          はじめにここまで推論の手法である「演繹・帰納・推論」、そしてそれらを支える観点としての「意味・実体・証拠」を説明してきました。 これまで多くのビジネスマンと接してきて、かつ自分自身も新たなプロダクト開発やサービス開発などに携わってきた中で、思考力がある人とそうでない人というものが明確に分かれるなーと思っています。 思考力がある人というのは、創造的思考ができることだと思っています。これまでにどのような考えが主流になっているかを分析し、その良し悪しを評価しながら新たなものを生み出

          『賢い人の秘密』賢者の思考法(思考の育て方)

          『賢い人の秘密』賢者の思考法その6(証拠)

          はじめに「実体・意味」において、推論の対象やそこから抽出できる意味合いについて正しく捉えることの重要性を説明させてもらいました。これで推論が完璧に行えるかというとそうではありません。 ボタンを掛け違えるかのように入り口を間違えると、推論はまったくもって意味のないプロセスに成り下がる可能性があります。 その最後の防波堤であり、推論の入り口となるようなものが「証拠」になります。 この本の立ち位置はなぜ賢者の思考法としてアリストテレスに着目しているのかについては、『賢い人の秘密』

          『賢い人の秘密』賢者の思考法その6(証拠)

          『賢い人の秘密』賢者の思考法その5(意味)

          はじめに「実体」において、推論の対象を正しく捉えることの重要性を説明しましたが、それだけでは正しく認識することはできません。 話がズレないというだけではなく、すり合っている中で適切に議論できる状態を目指す必要があります。 これが3つの強力な思考のためのツール(演繹・帰納・類推)を使いこなすために必要な問いの2つ目「意味」です。 この本の立ち位置はなぜ賢者の思考法としてアリストテレスに着目しているのかについては、『賢い人の秘密』賢者の思考法その1(演繹)の内容をご確認ください

          『賢い人の秘密』賢者の思考法その5(意味)

          『賢い人の秘密』賢者の思考法その4(実体)

          はじめにここまで推論という分かっていないことを推測した上で、議論するための方法論の3つ(演繹・帰納・類推)を説明してきました。これらを目的に合わせて巧みに使い分けができるようになれば、ロジカルポケモンとしてかなりのレアモンスターになれるようになります。 ですが、この3つを超完璧に使いこなせるようになったとしても、ペテン師と言われてしまうリスクがあります。 ビジネスにおいて話をしている際に「そういうことが聞きたいのではなく…」と言われる人が多数います。アポイントに同席していると

          『賢い人の秘密』賢者の思考法その4(実体)

          『賢い人の秘密』賢者の思考法その3(類推)

          はじめに論理の基礎中の基礎である演繹と帰納に関しては、これまでのアウトプットでまとめてきました。改めて日々意識をしてみると、まだまだ言葉にこだわり切れていない部分があったなと気づかされます。 「自分の持つすべてのテクノロジーを、ソクラテスと一緒に午後を過ごすことと交換するだろうね」 これはAppleの創業者であるスティーブ・ジョブズの言葉ですが、今回のまとめている本の内容はそのソクラテスの弟子の弟子にあたる天才アリストテレスの内容をベースにしています。 それだけ「研ぎ澄まさ

          『賢い人の秘密』賢者の思考法その3(類推)