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伍魚福ロゴに込めた思い〜デザイン監修:喜多俊之さん〜

デザイナーの北川一成さんにお世話になった話を前回書きました。

今回は、その2年前(2009年)からお世話になり、現在も使用する伍魚福ロゴのデザインを監修いただいた喜多俊之さんのお話です。
喜多さんは「監修」なので、実際に形にしたのは、伍魚福の契約デザイナーの池田領緒奈(イケダレオナ)さんです。

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ご存知の方も多いと思いますが、喜多俊之さんはプロダクトデザイナーとして大変有名な方で、シャープの液晶テレビアクオスや、三洋電機(当時)のエネループのデザインなどを手がけられました。
イタリア・日本で活躍され、2011年にはイタリア「ADI黄金コンパス賞(国際功労賞)」受賞。
2017年にはイタリア共和国より「イタリア共和国功労勲章コンメンダントーレ」を叙勲。
著書に「デザインの力」、「地場産業+デザイン」、「デザインの探険」などがあります。

神戸市がユネスコのデザイン都市になったことを契機に設けられた、神戸市の中小企業をデザインの面で支援しようという「デザインルネッサンス神戸プロジェクト」(主催:神戸市産業振興財団)というゼミナール形式の勉強会に参加したご縁です。

もう10年以上も前になります。時間が経つのは早いです。
伍魚福の主力商品であるチルド珍味のデザイン改良、をテーマに参加したのですが、そんな中でロゴデザインを見直すこととなったのです。

実際にデザイン案を起こして頂いたのは、伍魚福の契約デザイナー、池田家 CreativeLaboratoryの池田領緒奈(イケダレオナ)さん(当時は株式会社サンクリエーションに所属)です。

池田さんにもゼミナールに参加いただき、喜多さんのアドバイスをいただきました。

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旧ロゴはこんなデザインでした。
「ゴギョフク印」自体は、初代社長の山中直次郎が自分でデザインしたものです。
「伍魚福」の字体は、「くぎ煮」を土産物として商品化した昭和47年頃にデザインされたものだと思われます。
なかなか良いデザインだと思っていたのですが、当時と違って生ハムやソーセージ、チーズ系など洋風の商品も多くなっており、今見ると少し違和感がありますね。

新しいロゴの採用にあたっては、旧ロゴ・新ロゴ含めて一般の方に不美人コンテスト方式(嫌なものに票を入れていただく手法)で意見を伺い、新ロゴの方が嫌われる要素が少ないことを確認しました。

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プロトタイプの集合写真です。
喜多さんの友人のイタリア人カメラマンに撮っていただいたものです。
並べ方が日本人離れしています。
その昔、新婚旅行でルーブル美術館を訪れたときに、ピラミッドの前で白人の団体客が記念撮影をしていたのですが、それぞれが思い思いのポジションで立ったり座ったり、思い思いのポーズをとっていたのを思い出します。

日本人なら、すべての商品・ラベルがはっきり見えるように撮りそうなものです。

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喜多さんのアドバイスで、永く使えるよう、普遍的なゴシック体をベースに丸みを帯びた親しみやすいデザインとしました。

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文字それぞれにも思いを込めました。

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色も「Gogyofuku Blue」と名付け、定義を決めました。

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様々な商品に利用することを想定して、CI(コーポレートアイデンティティ)基準書にまとめて、2011年3月より使用開始したものです。

これに合わせて、本社ビルも池田さんにデザインいただき、改装しました。

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Gogyofuku Blueと新ロゴがマッチして、締まった感じになっていますね。

それから約10年経ちましたが、全然古びていません。

喜多さんからアドバイスいただいたことで大変印象に残っている言葉があります。
「家でテーブルの上にその商品を置いたときに、おいしそうに見えるでしょうか?」
今でも私がデザインを判断する際の、重要な指針となっています。

喜多俊之さんのおかげで今の伍魚福のロゴデザインがある。
これに北川一成さんの「珍味を極める」、「珍極」が加わりました。
具体的なデザイン、追加のロゴ、使用方法(サイズ・バランス・余白規定など)は池田家 CreativeLaboratory・池田領緒奈(イケダレオナ)さんに立案いただき、私が決裁して「コーポレートアイデンティティガイドブック」に落とし込む。

商品のパッケージのデザインは、池田さんはじめ、外部のデザイナー、伍魚福のデザイン部門のデザイナーなど、商品ごと、ターゲット顧客や特徴に応じてお願いするデザイナーに、売場でも映えるよう、利用シーンでも映えるようにデザインしてもらいます。

こんな風に、今の伍魚福はCI・商品デザインを考えています。

全員が広い意味でのTEAM GOGYOFUKUメンバーです。
ご縁に感謝です。



最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan