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そう遠くない未来のコンセプトをデザイン -JAXA 宇宙編-


Space Life Conception Ver.1.0 -暮らしたくなる宇宙をつくるための、未来構想-

2023年にOFFICE Pは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の暮らし・ヘルスケア分野のビジネス共創プラットフォーム「THINK SPACE LIFE」の暮らしたくなる宇宙をつくるための未来構想「Space Life Conception」の参画企業の1社として参加しました。

新しい事業のタネを見つけて育てていく

宇宙開発は、スペースXのような新興企業が新しいイノベーションを牽引し、NASAと協力しながら宇宙開発を推進しています。日本も、これまでJAXAと一部の企業が主導してきた宇宙開発を、アメリカと同様に民間の知見を活かして共同開発が本格化しています。

そのため、これまでJAXAがおこってきた現状の宇宙生活課題を解決するフォアキャスティング型の活動に加え、「未来の宇宙の暮らし(目指す世界)」を描き、今からすべきことを発想するバックキャスティング型のイノベーション創出の起点とする未来構想が求められるようになりました。

この未来構想では、研究開発やビジネス創出を後押するアイデアの企画から商品・サービス開発に向けて、企業間・産学官連携を促進する横断的コミュニティ活動を通じて、宇宙時代の暮らしやヘルスケア分野の新しい事業のタネを見つけて育てていくことが目標です。

宇宙での暮らしをデザインしました

2023年10月、日本橋にあるJAXAのオフィスで、宇宙の暮らしに関する意見交換やアイデア創出、製品・サービス創出を共創しました。OFFICE Pは「月面基地の暮らし」を担当し、「地球での暮らしを懐かしむ」をコンセプトにしたアイデアを提案しました。このようなアイデアをベースに完成したコンセプトブックがSpace Life Conception Ver.1.0 -暮らしたくなる宇宙をつくるための、未来構想- ver.1.0です。

月面では、地球のような昼夜の変化が無い生活が強いられます。そのため、ストレスに感じていた通勤さえも懐かしく思うかもしれません。そこで、月面基地の自分の部屋から勤務する施設までの通路の壁に、例えば研究員が東京で利用していた山手線の風景を映し出して「通勤」を擬似体験します。他にも、高層ビルや繁華街、海や山などの自然の風景を時間や曜日に合わせて変えて、経験価値を提供します。

Space Life Conception Ver.1.0 -暮らしたくなる宇宙をつくるための、未来構想_JAXA_OFFICE P
Space Life Conception Ver.1.0 -暮らしたくなる宇宙をつくるための、未来構想 P33- 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)

このようなコンセプトを描き完成したのが、A.Feel the Presence:映像投影システム 、D.スカイディスプレイ:空の様子を投影するディスプレイ、H.ムーンモビリティ:基地内の移動に活用するモビリティです。

Space Life Conception Ver.1.0 -暮らしたくなる宇宙をつくるための、未来構想 P28- 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)

この映像演出は、部屋のQOL(生活の質)を高めることにも活用できます。このコンセプトも、I.環境転換プロジェクションマッピング:部屋の情景を変えるとして描きました。

この映像投影システムは、近年映画や特撮などで活用されているバーチャルプロダクションがヒントになりました。この技術は、大掛かりなセットを用意せずにも周囲のデジタル画面に映像を映し出し、まるで実際にそこにいるかのような演出が可能です。たとえば、大海原の船上や砂漠など、撮影に制約のある場所でも、バーチャルプロダクションを利用することでリアルなシーンを再現できます。

地球での当たり前も、月面では非日常となります。施設内にこのような擬似体験できる仕組みを設けることで、月面の単調な生活に変化や刺激をもたらし、滞在者のメンタルを整える効果をイメーシしました。

構想したTeamに掲載、そして共創

Space Life Conceptionを共に構想した企業・団体として、OFFICE Pも掲載されました(上から2段目、右から3番目のロゴです)。

Space Life Conceptionを共に構想した企業・団体_OFFICE Pのロゴ掲載
Space Life Conceptionを共に構想した企業・団体

現在の宇宙開発は、地図、航路、そして船もまだまだ未完成な状態でありながら、未知の領域に果敢に挑んでいた大航海時代に例えることができると思います。

人類は新たな世界を求めて宇宙への探求を進めています。OFFICE Pは、「知っているようで知らない、行けるようで行けない」から「知っているから行ける!」というミッションを掲げ、宇宙関連企業のコンセプトデザインと人材育成開発に携わっています。

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