見出し画像

精進料理に目覚める3歩前#80 アカツキオボユ春眠二ヤソウスル草枕


たんぽぽ

キク科の多年草
蒲公英
カラダに籠った余計な熱を冷ます寒性で苦味と甘味のお仕事をしてくれるらしい
消化不良や胃炎 便秘やむくみと戦ってくれて 民間療法ではとにかく胃の味方として大活躍しているとか


たんぽぽ

春の訪れを足元からほっこり知らせてくれるふわふわで柔らかくて身近な植物 たんぽぽさんである

ハチもその魅力にプンプンと吸い寄せられて行く春を届けてくれるそのふわふわ感とは裏腹に空洞になっている花の茎を笛にしようと口に含んだ途端にふわふわ感が消えて代わりに現れるのが優しさのカケラも無さそうなグエっとした屈強な苦味である


ああ
そうだった


その淡い見た目にホイホイ釣られ手を伸ばして口を苦味に支配されてまざまざと春を思い知らされる

この苦味支配の思い出があるので どんなにたんぽぽの葉がアオアオと美しくあろうとも 食べられるとは存じ上げていようとも手を伸ばさずにただひたすら風に舞う綿毛を見送りながら夏を迎えてきたのである

何故だか今年は手を伸ばすのを我慢出来ていない

幸い4月を迎えてからワタクシのずぼらな鼻は春の香りを遥か遠くに感じながら長い永い春休みを続けている

春の風にブンブン振り乱されてすっかりリズム感を見失っている肝である

普段はハナから向き合う事のない香りグリーンを以て氣滞さんに対抗する絶好のチャンス到来である


氣まぐれな春の風によって
肝将軍のお仕事である【疏泄】が
すっかり"疎"泄と"阻"泄になり
肝はメキメキ不調を顕にして
キタイさんも絶好調にカラダをバルーンにアートし始める


絶賛長期休暇中の鼻のお陰で習慣を大きく超えた大冒険の選択が出来るようになる

見えない攻撃"張り"を仕掛けてくるキタイさんに必殺技ニルイホルイによって こちらも見えない香りをもってグリーンな攻撃を仕掛けて行く

香り野菜
【セリ】【セロリ】【パクチー】【ミツバ】【春菊】【ニラ】【ネギ】【パセリ】

ひたすら不調を提供し続けるミビョウファイブ

この5つのうちキキョさんを除いた4つのお存在にイッキに闘える【パセリ】はとにかくヒーローである


オケツさん
スイタイさん
ケッキョさん

【春菊】が旬菊として春の不調と戦ってくれるのならば 同じくキク科の【ヨモギ】が食材としても生薬としても幅広く活躍出来ちゃうならば

生薬 蒲公英となる【たんぽぽ】も活躍してくれるに違いないなどとアオアオしているたんぽぽを横目に妄想しながら野原を歩いてみる

繰り返し繰り返しそんな妄想ばかりしながら暮らしていれば当然目の前には素敵な本が現れてくれるのである


【草と野菜の常備薬】
一緒に旅に出られるよう
是非とも電子書籍に変身していただきたい

一条ふみさんの【草と野菜の常備薬】

足元でわんさか芽吹いている春たちの活躍先をイラスト付きで紹介してくださっているワタクシの妄想を全て形にしてくれたような理想的な書である

代々お台所で受け継がれてきた おばあちゃんの知恵の結晶みたいな民間療法アイディアがキラキラと散りばめられている

たんぽぽはお茶にして おひたしや天ぷら炒め物やふりかけにして楽しむ方法

根から採って乾燥させて葉を煮出して根を削って煎じ薬のように使う方法や茎を折った時に出る白い液を切り傷や腫れ物に使う方法を話し言葉で優しく紹介してくだっさっているのでワタクシのカチコチ頭にもするりと内容が入って来てくれる

初めてのたんぽぽは先ずおひたしから

たんぽぽのおひたし
黒い

まあ当然苦いがその苦味ですら胃の味方になってせっせと働いてくれるとするのならばありがたく思えてくるのは不思議なものである

とはいえ おひたしではひたすらに苦味であるのでその苦味を遠ざけるためおひたし同様にたんぽぽを茹でて水にさらして絞ってから刻んで塩で揉んで梅干しと共にここのところお氣に入りの混ぜご飯へ

たんぽぽごはん

たんぽぽご飯ならば苦味を遠ざけつつそれなりの量も摂る事が出来そうである

それにしてもなかなか苦味の手強いたんぽぽはその葉ですらも強そうに見えてくる

たんぽぽの葉

アオアオとした柔らかな春の緑は 苦味フィルターを通して観ると見た目が完全に棍棒である

この色と味はたまごやシーチキンや油やマヨネーズやバターがあれば易々とその苦味を丸めこめて色合いまでも活躍出来ちゃうであろう

マヨネーズたっぷりのたんぽぽとシーチキンのタマゴサラダならば刻んだ玉ねぎも入れて ブラックペッパーとカラシもプラスして 出来上がったタマゴサラダをたっぷりパンに挟み込んでサンドイッチにしても良さそうである

ふと野草をこの上なく美味しく魅せてくれる本を思い出して久しぶりに開いた有川浩さんの『植物図鑑』の巻末にあるレシピにもたんぽぽは【おひたし】【炒め物】【天ぷら】に変身していらっしゃる

いつかチャレンジしてみよう


しかしながら今はワタクシのへっぽこボディのヨウジョウが最優先である
へっぽこボディでは消化にヒイヒイしがちな油も卵も小麦粉もない方が嬉しいらしい

棍棒スタイルのたんぽぽの葉
このカタチならば鬼が持って居ても違和感など無いであろう

鬼にたんぽぽ

鬼握るたんぽぽ
どうやら見た目にも音にも相性が良さそうである


ワタクシも音だけ真似をしてたんぽぽご飯を握ってみる

たんぽぽおにぎり

たんぽぽおにぎり
これなら春の野原を駆け巡るのに持ち歩き易い

目の前で春の氣まぐれな風に揺られてそよそよワサワサしているたんぽぽを拝みながら頬張ることも出来るであろう


刻んで混ぜ込むスタイルならば油無しでもコーティングしてもらう事も出来るであろう

納豆たんぽぽ

刻んで塩に揉まれてくれればたんぽぽさんはいつでも活躍してくれるはずである



ハマダイコン

アブラナ科のハマダイコンは言わずもがな花も豆も葉もダイコン味なので辛味食材で胃腸の調子をコントロールするのが上手なはずである

お腹の調子を整えるには生のまま花も豆もカラダの冷えなどの負担が出ない程度にシャクシャクしても良さそうである

茹でハマダイコン


シラスと混ぜて旬のハッサクのドレッシングであっさり和え物

しらすとハマダイコン


そしてもちろん塩で揉んで混ぜご飯へ

ハマダイコンご飯

ハマダイコンの量が少ないのはうっかり旬を終えかけて硬くなりかけている豆を避けてちまちまと柔らかいお豆を選んで居たのが一因であろう

タイミングを逃すなかれ

色を保つべくさっと湯掻いて冷水で締めて絞っておけば もちろんお味噌汁とも抜群の相性を発揮してくれる

ハマダイコンと高野豆腐のお味噌汁
生食サラダはお腹を冷やさぬように少しだけ
和え物?
ミントとタンポポとハコベとハマダイコン
ハマゴウとシロツメクサとカタバミの0円新芽サラダ

毎年毎年シーズン終わり頃になって漸く出逢うハマダイコンさんに来年こそ旬を先取りして迎えに行くと誓ってはいる
そして今年も来年こそ旬に出会えるよう祈っておこう



ツワブキ

キク科ツワブキ属の常緑多年草
暖地の海岸を中心に自生している

ふわふわの産毛が愛おしい生まれたてのツワブキさんもいつかブーケで飾りたい美しさである

雨粒がはの表面を叩いているワタクシの頭上にそんな淡い妄想に付き合ってはくれなさそうなので必要分だけちゃちゃっとお迎えして軒下に籠った方が良さそうである

野草とは山菜とはコツコツと愛情を込めて胃袋迄たどり着いて貰う尊いお存在なのである

つまりそれなりに手間がかかる


その手間の工程を全て愛おしく思えるならばさぞかし野草ライフを謳歌出来るはずであるが
そこはキキョさんにこよなく愛されているワタクシである


エネルギー蒐集家キキョさん

野草採取に夢中になっているうちにキキョさんはワタクシの微々たるエネルギーをせっせと集めているので 大抵いざ下処理を始めようとする頃にはワタクシにエネルギーが殆ど残っておらず電池切れ寸前でヘロヘロである

ヘロヘロならまだしも視界すら白黒に点滅し始めることすらあるのだから軍配は大抵キキョさんに上がっているのだろう

採れば誰かが喜んで処理してくれた幼少期以来 愛おしいけれどなかなか手を伸ばせない存在に遠ざかっていたのが野草であり山菜であるらしい

氣力が沸いて来ないのはやる氣が出ないのはキキョさんによってすっかり氣が枯れているからと分かれば 氣が配れそうな範囲の野草さんをお迎えすれば良いのだが

どれもこれもキラキラと旬の魅力をアピールして輝いてくれているのでワタクシの意思に反して手が勝手に動いてしまうのである

少しだけお迎えしたツワブキさんは軽く湯掻いてお水の中でアク抜きしながら皮を剥く

コロコロサイズに刻んで塩で混ぜてそのまま得意の混ぜご飯へ

ツワブキの混ぜご飯

茎の色が緑に紫ぬ白に鮮やかでお美しい
キク科のツワブキさんならではのこっくりした香りは長期休暇中の鼻にさえどことなく香りを届けてくれている

何故無性にツワブキをご飯に混ぜ込みたくなったのか不思議に思っていたけれど どうやら先程開いた小説『植物図鑑』 の巻末でフキの混ぜご飯のレシピを見かけていたからであろう

ツワブキでも混ぜご飯に相性抜群である

ワタクシの鼻には届いて来そうにないが ごま油を数滴垂らしても香りが際立ちそうである


ここまで何とか辿り着いたのは幸運である
大抵野草が器に辿り着く前にキキョさんに屈するのがワタクシの體力のスタンダートである


刻んで塩しておいたツワブキさんはヨウジョウ食材と共に白ご飯の上へドカドカと上がって貰おう

ツワブキの養生どんぶり

野草を採るべく屈み続けて悲鳴をあげているであろう腰にメンテナンスブラック食材のキクラゲさんを

海の中から届く春の旬であるワカメはキキョさんにピタリと寄り添っているスイタイさん対策に

なんだかこの日妙に氣になったなめこと納豆は血液サラサラ食材で瘀血さんに立ち向かってくれる筈である

どんぶりの真ん中を彩るツワブキさんは香りと解毒と健胃に

同じく真ん中に咲いている鮮やかな梅干しはヘロンヘロンになったカラダの疲れを回復してくれるであろう


カラダのメンテナンスブラック食材
むくみメイカースイタイさん
ドロドロ血作家オケツさん

この日のヨウジョウ食材を軽く下味をつけておく氣力もなく ドカドカ載せただけのどんぶりに お醤油発祥の地ならではの美味しい無添加調味料を豪快にトポトポかけて頂こう

湯浅醤油さん
たまごかけごはん醤油

ツワブキさんの活躍の場は胃袋だけではないらしい
葉は軽い火傷のお手当てにも活躍してくれるらしい

内からも外からも活躍してくれる暮らしの味方となってくれる薬草である




アロエ


ユリ科アロエ属の熱帯植物の総称がアロエであるらしい
イメージはアロエイコールとにかくひたすら苦いから細切れになってヨーグルトのまろやかさに包まれていて欲しいと願ってきた食材である

カラダを冷やして潤いを与えてくれる寒性のお食材でぬめぬめは胃の粘膜を潤して保護してくれたり 便秘の解消も得意としている“医者いらず”と呼ばれる程の植物であるらしい

アロエ

一条ふみさんの『草と野菜の常備薬』によると
アロエは胃のトラブルの強い味方で神経性の胃の痛みや食べ過ぎや胃のもたれ、一般的な胃の不調に大いに力を発揮してくれるらしい

7〜8センチに切り取ったアロエをさっと水洗いして横についているトゲトゲを取り除いて1日ひと切れくらいカットして食べていれば良いらしい

胃への活躍を期待するならば食べて損は無さそうであるがとにかくアロエも苦いのである

かつて南の島暮らし中に出逢ったずんぐりむっくりなアロエは皮を剥いでザブザブと滑りを洗い落としてあっさりわさび醤油で頂いていたが今目の前にしているのは華奢でスマートなアロエさんなのでかつてのようなガサツな扱いは好まれぬであろう

皮まで余すことなく活躍して貰おう

1日一切れが適量ならばその一切れをそのまま口に放り込めば良さそうであるがせっかく皮に美しい緑を纏ってくれて居るのならばその緑を活かして貰いたい

アロエさんの相棒は

ハッサク

八朔さんにしよう
同じく苦みを抱えるもの同士仲良くお皿の上を鮮やかに彩って頂きたい

因みに今回のハッサクさんは3つで100円大セールのものである

個性豊かな八朔さん
紀三井寺参道で出逢った盛り盛り大サービス柑橘

苦みの強い薄皮をざっくり剥いたらぷりっぷりの果肉が輝いている

ハッサク
ハッサク

敢えてハッサクの薄皮の苦みも少し残しつつひとかけら分のアロエさんを更に細かくしたものとお氣に入りのたまごかけ醤油で和えて盛り付けて頂きにお海苔にお乗りになって貰う

ハッサクとアロエと海苔の和え物

瑞々しいハッサクによって醤油が弾かれてしまうので全て混ぜて ノリノリの海苔がハッサクから溢れ出た果汁によってパワーアップしたたまごかけ醤油を吸い込んでハッサクとアロエに絡んでアロエを穏やかに胃袋まで誘導してくれるのである

しれっと胡麻も忍ばせているのでワタクシの飽きっぽいアゴであっても歯応えに退屈しないであろう


食べる以外にアロエの果肉は直接 切り傷や腫れ物や湿疹に働いてくれるらしい

お酒に浸けて強壮剤になってくれたり
アロエを採り終えた幹は乾燥してお茶になってもくれるらしい

皮を剥いて使ったならば剥いた皮を水につけておいて卵のカラでも入れれば畑や鉢植えの肥料にもなってくれるらしい

食す以外の活躍の幅が広いのがアロエさんの魅力であろう



ハコベ


春の七草で有名なハコベさんはナデシコ科の越年草であるらしい
一条ふみさんの『草と野菜の常備薬』では食べ方は若葉を汁の実に和え物に天ぷらにと紹介されている

民間療法では石ですり潰した生の汁は息切れや心臓の弱りの味方になってくれるらしい

これまで姿かたちがちんぷんかんぷんなまま七草粥で頂いてきたハコベさんであるが 見た目はなんとも可憐なお姿である

ハコベ

食べちゃいたいくらいどうにも愛らしい見た目ならば胃袋にお迎えするには見た目を楽しめるサラダがいい


ハコベのサラダ

無農薬の甘夏さんにキタイさんに抗って貰えるよう期待して 黒キクラゲさんに腎養生で老化防止の働きを依頼して 紫キャベツさんに元氣を貰い 真っ赤な枸杞の実さんにケツを補って貰う


ケッキョさん

ドレッシングは頂きものの手作り梅酒と

梅酒
梅酒

万能過ぎるたまごかけご飯醤油さんを掛け合わせよう


ドレッシング

紫キャベツさんとキクラゲさんはザブッと一瞬お湯でカラスの如く行水して貰う 行水キャベツのお出汁の溶け出したお湯はそのままお汁に再利用する

食べちゃいたいくらい愛おしいハコベさん
次回はたっぷりお迎えしておひたしにもお味噌汁にも もちろんお粥さんにもお迎えしよう


ハコベさんはどうやら歯の様子まで氣にかけてくれるらしい
炒って粉状にしたものを塩と混ぜたハコベ塩が歯磨き粉になってくれるんだとか

いつの日か歯のメンテナンスも依頼してみよう



ミント


シソ科ハッカ属の総称であるらしい
爽快な清涼感のイメージがあるように涼性で熱を冷ましてくれたり 香りグリーンの一員なのでキタイさんによるムネやハラの張りやイライラの撃退が得意であるらしい

ミント

冷えに傾いているワタクシのカラダには生のミントから香りをキタイさん用に頂きたい


カタバミ

カタバミ科カタバミ属の多年草
漢字にして酢漿草
漢字表記にもその酸っぱさが滲み出ている

酸っぱい野草であるらしい

可愛らしい見た目であるがシュウ酸を含んでいる為お飾りとして活躍して頂こう



シロツメクサ

マメ科シャジクソウ属の一年草あるいは多年草

柔らかなお花はお飾りに

野草サラダ

【たんぽぽ 】【ハマダイコン】【アロエ】【ミント】【ハコベ】【ハマゴウ】【シロツメクサ】【カタバミ】の春の芽吹き満載ミニサラダ

このサラダを更に瑞々しくしてくれたのが

八朔ドレッシング

和歌山 由良町の八朔ドレッシングである
ゴロンゴロンに転がるハッサクがたっぷり詰まっていて野草の苦みを包み込んでくれたりミントの香りを引き出してくれたり野草サラダにとことん寄り添ってくれるドレッシングである

肝将軍は酸味を欲する事で不調をアピールしてくれるのであるが アロマなシトラスは香りグリーン同様にキタイさんに挑んでくれる食材なのである

ミントと八朔の強力な協力によってキタイさんに大人しくしてもらえるよう期待しよう



ハマヒルガオ


ヒルガオ科ヒルガオ属の多年草
名前のハマが表すように典型的な海浜植物であるらしい

花も葉も食せるようである

海沿い


砂浜にも

初めましてな今回は葉を少しばかり頂いて

ハマヒルガオのおひたし

先ずはおひたしからスタート

濃い緑色から硬さを連想していたが湯掻いてみると特に硬さが氣になる訳でもなく 出てきた滑りを楽しめるぬるぬる野草である

こちらのハマヒルガオさんも鼻が香りをキャッチし始めたら改めて活躍の場を探してみよう




アケビの蔓

アケビ科の蔓性落葉低木の一種
アケビ属に属する植物を総称してアケビと呼んでいるらしい

アケビの葉

アケビは秋にパカっと開くプリっとした実ばかり追いかけてきたがどうやら蔓の先を頂くことができるらしい

アケビの蔓


ハマヒルガオとアケビの蔓

どちらもたまごかけ醤油さんにお世話になってシャキシャキ感を楽しませて貰おう

秋に身をつけた状態で再会出来るならばアケビさんには焼酎に浸かって貰ってアレルギー薬に利尿の薬に変身して貰おう


あけび


ツユクサ

ツユクサ科の一年草
開花期に全草を乾燥させたものが生薬オウセキソウ(鴨跖草)となるらしい
煎じ液は解熱 利尿 熱性下痢 浮腫に働きかけてくれるんだとか

一条ふみさんの『草と野菜の常備薬』でツユクサさんは腎臓の不調に働きかけるのが得意であるらしい

畑のお邪魔ものとしてガスガス雑に引き抜いて来た過去のワタクシにゲンコツをぽこぽこ落としたい

ツユクサさん 0円にして有能過ぎる

4月〜5月の幼葉は茹でておひたしや汁の実にして食べられているらしい

根っこごと採ったものを風通しのいいところでよく干しておけばお茶として長期保存できるらしい

この根も茎も葉も丸ごとのお茶を煎じて飲めば尿がドッと出て行ってくれるらしい

ツユクサ

芽吹き色鮮やかにまだ虫さんの手が伸びていない美しいものを少しばかり頂いて行こう


相変わらず野草散策に没頭して氣づけばキキョさんがべったり憑いている

つまりあれこれ種類の多い野草をひとつひとつ丁寧に下処理してお皿との相性を考えて行くほどの氣力が不足している

こんな時には必殺ヨウジョウどんぶりごはんである

ヘロンヘロンなワタクシの写真はしっかり歪んでいる


キキョさんがワタクシのカラダから収集して行った氣を補充出来る食材さん達にガッチリ味方して貰おう


氣を補うのが得意な【ご飯】【鮭】【山芋】を盛りだくさんに

野草を頂くべく折り曲げ続けた腰を労わるべくメンテナンスブラック食材の【黒キクラゲ】さんを

散策中に少なからず汗をかいたであろうから潤いホワイト食材から【山芋豆腐】さんを

疲労回復の得意な【梅干し】さんと

春のデトックス野草はキキョさんに消化エネルギーもうばわれているはずなので胃袋の味方【たんぽぽ】さんと

そして腎臓の味方ツユクサさん
縦に線の入った頑固そうな見た目であるがさっと湯掻いた新芽はクセのないシャッキシャキな鮮度に満ち満ちた歯応えを届けてくれる

これからお付き合いを濃くして行きたいお食材のツユクサさんである



ツルナ

ハマミズナ科ツルナ属
つる性の多年草
海岸あたりに肉厚な葉をプリップリにして生息している
別名ハマヂシャ

ビタミンとかミネラルとか鉄分とか豊富に抱え込んでいるらしい
シュウ酸も抱えているので茹でて胃袋へお迎えする

ツルナ
ぷりぷり

ここで日本語に迷子である
湯掻くと茹でるを何となく使い分けているが どの辺りに境界線があるのかだけはしっかり曖昧である
更に湯通しなる言葉さえあるではないか

どうやら“茹でる”は
食材の芯までじっくり火を通すことで

“湯掻く”は
食材のアク抜きなどの下処理や臭み消しの為に短時間サッとお湯にお世話になる事で食材の食感を残したい時に使う

 “湯通し”は
おおよそ湯掻くと目的地を同じにしているが目標タイムが30秒くらいであるらしい
鮮やかな色を保つためにするのも湯通しらしい

ワタクシのパセり行為と紫キャベツは 湯温は鈍いがどうやら湯通しで良さそうである

ツルナはシュウ酸とお別れして貰うべく軽く茹でて水に浸って貰ってからお皿にご案内しよう

ツルナと海苔
ツルナどんぶり

食べ応え抜群な肉厚ぷりっぷりの葉はメインで白飯の上にご招待しても堂々と主役で居てくれる


酢味噌和え
ツルナのお味噌汁

下処理が楽で鉄分も豊富らしいのでケッキョでズボラなワタクシとは相性の良さそうなお食材である
今後ブンブンと活躍の幅を広げて頂こう



ヨモギ

ヨモギさん愛おしの蓬さんである
暖冬暖冬浮かれて年明け前から芽吹きを追い続けてきたヨモギさん
キク科ヨモギ属の多年草
道端から草むらから空き地から駐車場から 何処からでも見守ってくれている野草の薬草のエースである

3月の蓬
成長期


芽吹き
海の傍でも

諸説あるらしい蓬の名の由来のひとつに"よく萌える"からヨモギである説があるらしい

福島誠一さんの著書『食べられる野草と料理法』の惚れ惚れしてしまうヨモギの紹介をここで少し追いかけたい

目に味に香りに血液に傷に風呂にヨモギを愛でて癒されるるに飽きたらず 文字にもヨモギを求めて出逢えた素敵な本である


『食べられる野草と料理法』

この本を手にして蓬のページを開いたワタクシのちっぽけなアタマに沸く想定の遥か彼方から現れてくれたのが芭蕉である

"両の手に 桃と桜や草の餅"

松尾芭蕉

料理法を求めたはずの本で思わぬ芭蕉である

文学音痴のワタクシに意味はちんぷんかんぷんなのでとことん解説に頼りたい

3月3日の節句に草餅を食べる習慣はヨモギに邪氣を払う習慣があるとする中国の考えに影響されると言われている らしい


奈良月ヶ瀬のヨモギ餅

芭蕉の次に登場するのが『万葉集』の大伴家持である
 
ひたすらうつらうつらしながら過ごしていた国語の授業内容がヨモギ経由で輝く瞬間があるとは 枕たる教科書に顔を埋めていた当時のワタクシの夢にさえそんな未来は描けそうにない

“ほととぎす 来鳴く五月の あやめ草 蓬かつらぎ 酒宴 遊びなぐれど” 

『万葉集』大伴家持

酒宴 さかみづき 
なぐれど 慰ぐれど

読み方の音でさえワタクシのボキャブラリーの遥か外側で展開されているらしい

こうなると両の手のひらをぴったり合わせて解説を読んでいきたい

ホトトギスが来て鳴く5月 アヤメグサとヨモギを髪に飾り 酒宴を開いて遊び 氣晴らしするけど…

何処にでも生える事のできる生命力に溢れたヨモギさんはキヨウなもので恋の歌の中でも映えることが出来たらしい

そしてこのウタはヨモギさんの日本の文献デビュー作とされているらしい


この後 確か難波恒雄さんと久保道徳さんの『薬になる植物』の中のヨモギの薬効が紹介されている

“これほどいろいろな薬効を持っている薬草は他にありません 生の葉は虫刺さされや切り傷によく 乾燥した艾葉はあらゆる出血症や食あたり冷え症に用いられます 痔で困っているとき この葉を煎じた汁で腰湯をしますと とても楽になります”

『薬になる植物』

ひたすら味方であってくれるらしい

それならば こんなに活躍の幅を効かせているヨモギさんがいつでも力を発揮出来るよう準備しておこう

インテリアグリーン

白と緑を纏うお迎え当日のヨモギさんはお洒落なインテリアグリーンとして春の陽氣なエネルギーをむわむわに放っている

一条ふみさんの『草と野菜の常備薬』によるとヨモギはカビが生えやすいカラダ日光と風によく当ててあげることがヨモギ乾燥のポイントなんだとか
とはいえ日光が強すぎる時には風通しのいい少し斜めから陽が当たるようなところに移動させてあげる方が素敵な乾燥をしてくれるらしい


根も葉も茎も乾燥中のヨモギさん


乾燥したヨモギをお茶にして飲んでいると糖が出なくなって来るとか

高血圧も動脈硬化も肝臓病も胃腸病も下痢も頭痛もリュウマチも貧血も熱をも氣にかけてくれるらしい

ヨモギの根も茎も葉も乾燥させた生薬が"艾葉"で[婦人科の要薬]と言われるように月経不順や月経痛や月経過多や不正出血に不妊に手を差し伸べてくれるらしい


ヨモギをザクザク刈り取って布袋に入れてお風呂に浸かって貰えば爽やかに香る入浴剤に

入浴剤に

乾燥ヨモギを煮立てて塩を入れて熱いうちにタオルを浸して腰に当てれ温湿布として冷えを癒してくれるらしい

乾燥ヨモギの煎じ液はもちろん入浴剤にもなって薬湯を提供してくれる

更に乾燥ヨモギさんの葉を両手に挟んで手をくるくるスリスリ柔らかく揉んで行くと綿毛のようにふわっと纏ってモグサに進化してくれるらしい

ワタクシのヨモギさんはまだまだ日光浴しながら風に当たっていたいようなので 鞄で待機中の"せんねん灸"さんを呼び出そう

せんねん灸

水を追い琵琶湖を渡って竹生島にご挨拶した後 長浜の街並みに見惚れてふらふらと歩き回り偶然辿りつけた魅力スポットがせんねん灸さんのショールームであったらしい

長浜市はお灸のふるさと伊吹山を東方に望むことの出来る場所なんだとか

なんともありがたい場所で人生初のお灸にご縁を繋いで頂いたようである

確か伊吹山がうっすら白を被っていた時期だったはずなので 琵琶湖を駆け抜ける風でキンキンになっているワタクシの頑固な冷えはお灸の熱すらもあっさり跳ね除けていた

揺るぎなきトドコオリの存在を自覚する

どうやら現代には火を使わないホッカイロ型で確か4時間も温め続けてくれるお灸があるらしい

ホッカイロ型のお灸をお迎えしたところ おまけに火を使うタイプのお灸さんも頂けたのである

お灸いろいろ

冷え冷えガチガチな腰へホッカイロ型のお灸さんは温もりを贈ってくれて 陰の季節からワタクシの冷え切ったカラダを陽の季節に向かってほっこりと送り出してくださった

長時間ほっこりを継続してくれるホッカイロ型のお灸さんにべったりだったので 火を使うタイプのお灸さんは巾着の中でひたすらワタクシの旅の道中 カラコロカラコロと待機してくれていたらしい

カラコロ揺れていたお灸さん達に活躍して頂く為に まずは火を手に入れよう

ライターを入手出来る場所があやふやである

どうやらお灸も初めてお迎えすると同時にライターをお迎えするのもhajimemashiteらしい

コンビニと名乗るくらいだからライターにも出逢えるであろうと飛び込んだコンビニには偶然にもローカル感が溢れ出ている

 ドアを押し開けて店内に一歩足を入れた途端に目が開いて止まる どうやら幸運にもライターを捜索しなくて良さそうである

ドアを開いてすぐ目に入った レジの乗る台の端にライターのきっちり整列している箱がちょこんとしている

あっさり出逢えたライターさんをお迎えして

ライター

お灸に着火してもらう

指先で着火


手のひら

お灸の活躍の舞台は自分のカラダの盛り上がっているところを押してみて硬かったり痛かったりするところからはじめてみる

経絡ツボ云々は今のところワタクシにはちんぷんかんぷんなのでこの方法がちょうどよかろう


ここで傷口と生のヨモギの絞り汁話へと寄り道しよう

生のヨモギさんの絞り汁が切り傷やすり傷虫刺され 痒みに効くと知った頃 ちょうどタイミングよく手のひらがピキっと切れていたので道端のヨモギさんを少しばかり頂いて アクで手は黒くなるであろうが 両手のひらのでゴロゴロと丸めながら潰して その汁を手のひらの傷口に染み込ませていく


丸めて
アクまみれ

傷口に汁を届けるべく手のひらに挟まれて丸まってぐるぐるするヨモギさんは転がりながらゴリゴリと手のひらが凝り固まっていると主張し始める

眼が開いている間手は殆ど休む事なく ひたすらせっせと動き続けてくれている

動き続けているがマッサージや癒やしのような時間を儲けて貰いそびれがちなのが手であるらしい

ゴリゴリになるまで動き続けてくれていた手のひらに 動かずのんびり出来る癒しの時間をお灸さんはプレゼントしてくれるようである

お灸さんの活躍の舞台を掌に
手と腕の癒やし旅はまたいつか


癒しのスペシャリストであるヨモギさんは頭にまで配慮を届けてくれるらしい

春眠暁を覚えずな筈の春であるが肝将軍がすっかりリズム感を見失っているので陽の短い冬にあんなに楽しみにしていた睡眠がどうにも陽氣な日々に押され遠ざかっている

布団に入って時計が日付を跨いでも眼はパチクリしていて 朝になれば陽氣な太陽さんが有無を言わさず布団からワタクシを引きずりだす


陽氣なタイヨウ

肝将軍が不調であると暁を覚えずに居られる絶好の時期を不眠が支配してしまうらしい

ワタクシのポンコツボディは眠ってこそ春である

一条ふみさんの『草と野菜の常備薬』に頭の具合の悪い時やのぼせるときには乾燥ヨモギをぐるぐると布に包んで枕にして眠る方法が紹介されている

さっそくヨモギぐるぐる巻き枕に頭を載せて匂いを忘れてしまいがちな鼻にさえ 何とか届く香りに包まれながら布団に入ったところまでは記憶があるが 目を開いた刻は陽氣な太陽も雨雲に遮られたことも幸いして すっかり暁を過ぎている

ヨモギ枕はどうやら春眠を提供してくれるらしい
もうヨモギ枕無しの春は過ごせそうにない



ヨモギさんの活躍の舞台をカラダの内側へ移そう

温めて上手なヨモギさんはまだまだ冷える雨の日や朝晩には大活躍である


ヨモギのお粥

ヒヨワなワタクシの朝ごはんにヨモギ粥である

この日はヨモギの相棒に梅干しさんである
温め上手な生姜さんやシナモンさんも ケッキョさん向けに落花生もスイタイさん向けに小豆さんもヨモギさんと仲良く茶碗に入って貰っている


ふんわりした香りと見た目でほっこり温め食材あるがしっかり苦味のお役割をも併せ持つのがヨモギさんの優れたところである

湯掻いて水に浸かって貰っていたところでそう易々と苦味を手放してはくれない

胡桃和え 炒め物となったヨモギさんをも受け入れられるよう試行錯誤していこう



ハマゴウ

シソ科ハマゴウ属
常緑小低木で砂浜や海岸に生育する海浜植物
果実は蔓荊子と云う生薬で鎮静 消炎を得意としているらしい

ハマゴウ

香りの優しいハマゴウさんの新芽を遥か上空に貼り付けた写真でミントやハマダイコン たんぽぽと共にサラダの器へお迎えしている

香りの素敵なハマゴウさんは葉をお茶用にに乾燥して貰っていたが どうやら薬湯として神経痛や腰痛 筋肉痛 肩凝り カゼ 頭痛 冷えを癒やすことが得意であるらしい

薬湯に葉も果実も活躍してくれるようである
採取時期のおすすめは夏以降なので今は新芽を喰んでおこう


すっかりヨモギ枕の虜となって暁覚えぬ春眠を提供頂いているワタクシが貪りを再開した惰眠にご機嫌とハマゴウさんについて調べていく

どうやらハマゴウさんは枕にモッテコイの野草であるらしい

コルク質である果実は吸湿性があって香りが良いので平安時代の貴族からも愛された枕になってくれるそうである

旅先で枕が変わってなかなか寝つけない時にぐっすり眠れない時にハマゴウの実の枕は大活躍してくれるらしい

今すぐにでもハマゴウの実をかき集めたいところであるが生憎実ができるのは秋で更にその実を日干しする必要がある

ワタクシの手元に居るのは乾燥したハマゴウの新芽であるがハマゴウはハマゴウであるとしてヨモギ枕用の布袋にハマゴウの葉を迎え入れる

もう完全に草枕である

草枕とは何だったのかと文学音痴っぷり全開に調べて見ると夏目漱石の小説であるらしい

物語の内容はもちろん存じ上げていないが漱石さんの紡ぎ出す言葉はワタクシの石アタマには難解であろうことは想像に難くないどころか 春霞の中のぼんやり頭にさえも柔らかい

恐る恐るページを開いて少しだけお出かけ中の主人公を覗き見る

春は眠くなる
猫は鼠を取る事を忘れ 人間は借金のある事を忘れる 時には自分の魂の居所さへ忘れて正体なくなる 只菜の花を遠く望んだときに眼が醒める
雲雀の声を聞いたときに魂のありかゞ判然する
雲雀の鳴くのは口で鳴くのではない魂全体が鳴くのだ
魂の活動が声にあらはれたものゝのうちで あれ程元気のあるものはない
あゝ愉快だ

『草枕』

主人公が眠いのならば漱石とて春は眠いであろう

偶然にも草枕を開いたワタクシの旅先は街中のあちこちに坊ちゃんを感じる漱石所縁の道後である


道後温泉駅
坊ちゃん列車
坊ちゃんの登場人物が踊るカラクリ時計
道後温泉本館
道後温泉本館


学生時代に机上の枕のどこかに居たであろう漱石さんを無視して春眠を貪ったワタクシの未来は草枕に導かれて漱石に繋がっていたらしい

ハマゴウの実による安眠枕の完成まではハマゴウの葉による草枕にお世話になろう

長期休暇中のワタクシの鼻へさえ香りを届けてくれた律儀なヨモギさん同様芳香を届けてくれるはずである


ドクダミ


ドクダミ科ドクダミ属の多年草
花期の地上部が生薬の十薬となるらしい

ドクダミ

長期休暇中のワタクシの鼻にまで届けられる強烈な臭いをブイブイ広範囲に放っている

ニオイが強烈なだけでなく作用も幅広いようで十薬と呼ばれているらしい

一条ふみさんの『草と野菜の常備薬』によると茹でて水にさらせば臭いは消えてくれるので料理に使うことも出来るらしい

強烈すぎる香り故にドクダミからついつい顔を背けてしまいがちだが食べられるとなれば一度は胃袋にお迎えしてみたいとは思うが まだまだ心の準備に時間がかかりそうである

ハナの開きそうな時期にお迎えするドクダミさんが最もパワフルなんだとか

この時期のドクダミさんはトイレに行けば臭い消しとして タンスに入れば虫除けとして もちろん乾燥してお茶として飲んでも良いらしい

生の葉を採ってきてトロットロになるまで煮詰めて塩を少し入れてビンに詰めておけば軟膏としてケガや膿 虫刺されや水虫などのトラブル時に活躍して毒をちゅっと吸い出してくれるらしい
(妊娠中や産後には使えないんだとか)

ドクダミの生の葉は蓄膿症にすら挑んでくれるようで揉んでハナに直接突っ込んでおけば鼻汁をドボドボ出しているくれるんだとか

生葉を少し炙って柔らかくなるまで揉んでペタペタと眉間の周りに貼るのもおすすめらしい

ああこの素晴らしきお情報を世界がどうにも異臭に包まれていると云うビッグイシューに首を傾げていた昨年の今頃のワタクシに届けたい



ドクダミの花

アトピーさんの溺愛を受けていた頃に頂いたのが確かドクダミのお花の焼酎漬けである

冷蔵庫でひんやり待機して貰っていたそのドクダミエキスをお風呂あがりのホクホクアトピー肌にお迎えした時のスーッとした感じは忘れっぽいワタクシの頭にさえ爽快に残っている


ちょうどドクダミのベストシーズンである
内側からも外側からもお世話になってみよう

美形なドクダミさん




ユキノシタ

ドクダミが鼻に入るのが得意ならば耳に入るのが得意なのがユキノシタさんであるらしい

ユキノシタ

ユキノシタ科の半常緑多年草
水の流れ落ちる言わば岩場のようなところに群生しているユキノシタさん

今年は出逢いそびれているがいつでも胃袋にお迎えしたいお手軽野草さんである

そんなユキノシタさんは耳のトラブル処理が大の得意で鼻をかみすぎて耳がおかしくなったときや耳が痛いとき キーンとする時 中耳炎や外耳炎にも対応してくれるらしい

ユキノシタをちょっと火に炙ってしんなりさせてからよく揉んで汁わ出してくるくる丸めて耳にクッと入れておくと良いらしい

外耳炎には耳の周りや後ろにペタペタと貼り付けておくと熱を吸収してくれるとか

水分たっぷりのユキノシタをカラカラに乾燥させて作るお茶は腎臓と膀胱の味方になってむくみをや出にくくなった尿のトラブルに手を差し伸べてくれるらしい


スギナ

トクサ科の耐寒性の多年生草本
ツクシの相棒
根は良質な水を求めて2mも伸びていくんだとか
スギナの根は地獄の底まで繋がっているとの噂がワタクシの耳にまで届く程である

スギナ
スギナ水?

一条ふみさんの『草と野菜の常備薬』によるとスギナは下痢やベンピや肝炎や腎臓病に 咳や痰が止まらない時に 関節炎や神経痛に ガンに 内臓の痛みに 子宮トラブルにも月経トラブルにも手を差し伸べてくれるらしいが活躍の幅がとにかく広範囲なので覚えるよりも使い方を知っておくのがおすすめなんだとか

スギナをビンに詰めて焼酎につけておいてエキスを盃一杯くらいずつ飲んだり 飲めない時は臓器の上から塗ってもいいらしい
エキスを飲み終えてビンに残ったスギナはキザんでご飯に炊き込んだり天ぷらにして再び活躍してくれちゃうとはなんとも頼もしい

スギナの乾燥は太陽光が少し斜めに当たる感じの風通しの良いところで陰干しするんだとか

干し上がったものをそのままお茶にして内臓の痛みを癒やして貰ったり 粉にしてごはんのふりかけやおにぎりにも出来ちゃうらしい

生のスギナを蒸してタオルに包んで腰痛 お腹の不調 子宮・月経トラブル 冷えの患部に当てるのを何度も繰り返す方法やスギナを煮立てた煎じ液で腰湯する方法などスギナさんの輝き方は幅広い

神経衰弱さんに向けにスギナは枕になってもくれるらしい

スギナ

ここまで癒やしを提供してくれるとは存じ上げずにガスガス引き抜いて来たけれど これからは手を合わせて迎えに行くとしよう


ビワの葉


バラ科の常緑高木
涼性でカラダの熱を冷ましてくれる

ビワの葉


ビワの実

ひたすらビワと一緒にいたい季節の到来である
大きくて強い緑の葉の間に揺れるオレンジがかった黄色の粒が太陽に負けじと輝く姿を見上げては毎度毎度懲りずに惚れ惚れデレデレニヤニヤを繰り返す

リズムを乱しがちな肝将軍を抱えるワタクシのカラダは酸味のキュッとした丸くて中が白いタイプビワに眼がない

白ビワ
ビワ色づき待ちのウズウズ期

暦の上での夏に実る果物であるから冷蔵庫さんにひんやりさせて頂いたものよりもサンサンの太陽さんに照らされてぽかぽかに温かさを保ったまま口へとお迎えする贅沢を味わいたい

今年は少しだけ視野を広げよう

ビワは葉も実も種も薬用に出来るらしい
どうやら葉が活躍してくれるらしいとうっすら知りつつも実ばかり追いかけて口の中へ瑞々しいビワの甘みと酸味が溢れ出た途端にビワの葉の存在をすっかり脳内から追い出してしまうビワの"ハ?"な習慣から抜け出そう

民間療法ではビワの葉を焼酎に浸けて打ち身や神経痛やリュウマチなどの痛みを癒やして貰ったりカブれぬよう裏のケバケバを取った葉の表側を痛みのあるところに貼って鎮痛して貰う事もできるらしい

ビワの葉をお迎えする為のタワシが必要そうである

願ったり叶ったり擦ったり磨いたり

タワシ

あれよあれよとご縁を頂いて辿り着いた生石高原の頂きにある売店さんに手のひらにすっぽり収まるジャストサイズの束子がリーズナブルに売られている

和歌山の生石高原

枇杷葉用にお迎えして揚々とビワ葉のある暮らしに展開して行こう



イタドリ

タデ科の多年草
根茎は虎杖根と呼ばれる生薬

生石高原の緑緑しい風景の一翼を担っているであろう野草がイタドリさんである

イタドリイコール散歩中に酸っぱさを味わう道草野草として楽しんできたが 料理に薬にそしてティッシュとしても活躍できてしまうらしい

一条ふみさんの『草と野草の常備薬』によるとイタドリティッシュはイタドリの葉を日陰に放っておいてしなっとしたら出来上がりらしい

鼻をかむのにキモチ良さそうである
いつか鼻から水が流れ出るタイミングがあればイタドリに鼻を預けてみたい

葉や茎を陰干しにしておいてお茶に
焼酎に浸けて咳止めに
葉を揉んで切り傷に


料理にはシュウ酸があるのでアク抜きが必要であるらしいが新芽は皮を剥いて塩をつけて生食も出来るようである

新芽の時期はとうに過ぎ去ってしまっているはずなので今年もまたイタドリに向き合いそびれたがそこは得意の願ったり叶ったり出逢ったり向き合えたりである

徳島にて朝ごはん散策をしていたところ"朝昼ときどき晩ごはんDoor!"さんに辿り着く

朝昼ときどき晩ごはんDoor!さん

その消化能力によって基本的に受け入れられる朝ごはんがお粥さんに頼りがちとなるワタクシのポンコツボディであっても 脾胃さんのご機嫌次第では朝ごはんにご飯を食べる事が出来る時期である


季節の陰陽

嬉しすぎる事に基本の朝ごはんセットに小鉢を選んで追加していくワタクシのポンコツボディにも安心な提供スタイル

小鉢の棚を覗き込んで見た目に謎の小鉢をみつけて店員さんに正体を尋ねてみるとどうやらその正体不明の小鉢の中にいらっしゃるのがイタドリさんであるらしい

朝ごはん

願ったり叶ったり出逢ったり向き合えたりである

イタドリ

イタドリさんをいただける極上の朝ごはん
イタドリさんはクセを脱ぎ捨てて柔らかに抜群な味付けが施されて絶品に変身している

こんなイタドリさんに出逢えてしまったら来シーズンからはイタドリさんを横目にしつつもサクサク素通りなんて出来そうにない




フキ


キク科フキ属の多年草
雌雄異株
湿ったところを好んで生える

フキ
お粥のお供にきゃらぶきさん
ワラビと蕗

一条ふみさんの『草と野菜の常備薬』にフキノトウから葉・茎・根まで全部使えると紹介されているフキである

蕗の葉をすり潰して絞った汁を盃一杯ほど作ってそこへ梅肉をひとつくらい擦ったのと卵黄1個と盃一杯の酒を入れてすり混ぜたものを飲むと中風予防となってくれるらしいが“中風”とは初めて出逢う単語である

どうやらフウジャが侵入する事によって起こる脳卒中とか脳血栓などの脳血管の疾患のようである

苦みをたっぷり抱えて胃袋にお迎えするまでたっぷりお世話の必要なフキさんはどうにも上手な方に丁寧にお世話して頂いているものがどうしても愛おしいのだが この脳の血管トラブルに救いの手を差し伸べてくれる中風レシピは試してみよう

フキノトウは咳や痰 氣管支喘息に フキは血圧に そして苦味は胃腸を丈夫にしてくれると言われているらしい

ふきのとう

フキの根は解熱が 葉や茎は血圧を安定させるのが得意であるんだとか


福島誠一さんの本『食べられる野草と料理法』にも民間薬としてのフキの活躍は煎じ液にて咳止め ぜんそく 胃腸病と紹介されている

フキ料理の下処理は
板ずりして
たっぷりの熱湯に塩と重曹を少々入れて茹でて
茹で上がったら水に入れて冷やして
手がアクで染まらぬよう水の中で皮剥きをして
しばらく水にさらしてアク抜きをする

キキョさんに愛されているワタクシが野草散策を終えてからヘロンヘロンの状態で始めるには果てしない工程である

更にここからここからコトコトと煮付けや佃煮に向かってもらうのだから ベテランさんの愛情をたっぷり受けているであろう商品が愛おしい


愛媛 内子町の山ぶきさん

山椒が程よく効いてピリピリとしていたり 
濃厚な味付けによって保存の効くご当地無添加なものが多いのも魅力である


ワラビ

ワラビさんまで語り出したら夏休みまで到達してしまいそうなので 写真に留めておこう
サクッと野草の写真を増やそうの追加を始めたつもりが既に17,000字目前である

すっかり大きくなったワラビさん



ハルジオン

キク科ムカシヨモギ属に分類される多年草の1種

食せるのは存じ上げているが なんと言ってもワタクシの未熟な舌に縁遠いキク科な苦味を持っているハルジオンさん

しかしながら見た目は頗る愛おしいのでついついお迎えしたくて手が伸びてしまうのである

春のキク科野菜は名前の通り春菊であろう
春菊さんの行き先のひとつであるすき焼きはワタクシの脾胃がヒイヒイしてしまうお肉が入っているイメージ故に距離を置いていたが 肉が無くとも魚すき焼きにしてハルジオンさんをお迎えするのも楽しそうである


こごみ

こごみ

補腎ブラック食材に助けて貰いながらようやく重い腰をあげられた今年 初めて胃袋へお迎えしたこごみさんである

クセもなく手間もかからず見た目のイメージから想像していたもそもそ感もなく 柚子味噌さんと良い相性を魅せてくれたこごみさん

来年は迷わず迎えに行きます


オカヒジキ


ヒユ科オカヒジキ属の一年草

オカヒジキ

出逢えることを予期せずに砂浜をボフボフ歩いていたところ偶然遭遇出来たオカヒジキさん

あれは
まさか 
もしや

そう思って写真を撮りつつも明確なお迎え方法を持ち合わせて居なかった為再会を宣言してお別れする

どこから何処までお迎えできるのかもう少し予習してから迎えに行きます


クレソン

クレソン
クレソンもサラダ

清流の傍に佇むクレソンさんの活躍の幅も開拓して行こう

ハマボウフウ

ハマボウフウ

ハマボウフウさんは生食出来るそうなので道草喰らうところから近づいて行きたい

ミツバ

ミツバ

お野菜として馴染みあるミツバの自生さんは毎度毎度赤だしへと招待したい

オオバコ

オオバコ

オオバコさんはいつの日か煎じ液を目からお迎えしてメグスリとして絶賛酷使中の眼を癒やして頂こう

スミレ

スミレ

スミレさんは胃袋に歓迎できるよう品種の予習を始めよう

ツバキ

椿

ヤブツバキさんどうやらお花を天ぷらにできるようである
天ぷらスタートが叶うのならば行き先変更もお願いしてみたい

サクラ

サクラ

桜さんは是非とも塩漬けて器の真ん中にご招待したい

桜葉

桜葉さんも塩漬けして 何が何でもその淡い香りをクッキーにお迎えしたいのである

れんげ

レンゲ

出逢う度に見かける度にひたすらこのちんまりした瞳が飛び出さんばかりにグングン瞼を押し広げて奇々喜々と刮目してしまうのがレンゲさんである

胃袋にもお迎えできるなんてこれ以上の喜びはないであろう

今はもう田に鋤き込まれて肥やし活動に勤しんでいるだろうからまた来シーズン迎えに行こう


草枕から映し出された夢に導かれた旅先で奇遇する

姿社
少彦名命

少彦名さん
日本神話における医薬の神様である


加太 淡島神社さん


氣になっていた葉っぱ療法を野草するのはまたいつか



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?