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地域に個人店がある意味。高齢者や子どもの見守り。

地域の個人店の多くが店主とか店主と奥さんとか家族で経営している。ある程度経営していると店に常連さんがついてくる。定期的に店に来てくれる常連さんが来なくなるとすぐにわかるのが個人店の良いところ。

キッチンカーと朝市

僕が経営している市場カフェでキッチンカーも持っている。イベントがあれば出店して、県内各地を中心にコーヒーやクレープの販売をしているのだ。

コロナ前は、船橋市地方卸売市場内で毎週日曜日に開催する「船橋市市場の日曜朝市」に出店。8時~11時まで常連さんに珈琲を振舞っていた。

コロナ禍によるイベント自粛で「船橋市場の日曜朝市」も中止に追いやられたのだ。「多くの人がきている」「感染の原因になる」などと中傷電話が船橋市役所に寄せられたそうだ。

この船橋市場の日曜朝市は、マグロ問屋による「鮮魚販売」。青果店による「青果販売」を軸に「生花」や「惣菜」「弁当」などの事業者を徐々に巻き込み、僕もここに市場カフェのキッチンカーで出店し、コーヒーを振舞っていたのだ。

常連さんの存在

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この朝市にいつも来るおじいさんがいた。

陽気なおじいさんで、鮮魚店の販売する寿司を買って、僕のコーヒーを飲んで1時間~2時間くらいゆっくりしている。「三橋美智也」が好きで、気分がいい時には何曲も歌ってくれる。アカペラで歌うのだけどかなり声量がある。いつも気持ちよさそうに歌っている。

コロナで朝市が中止になって1か月程度…

このおじいさんが行方不明になっていると分かった。

コロナ前だったら毎週のように来ていた常連さんなので、1週間姿を見ないと「あれ?どうしたかね?」とすぐに気が付いたのだけど、2か月程度朝市やっていなかったので気が付かなかったのだ。

地域の個人店は見守りの機能も

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地域の個人店は、そこに店御構えることで常連がつく。

常連さんは、平日の昼間にやってくる人が多いので、必然的にお年寄りや主婦、子どもになる事が多いだろう。時にはサラリーマンの人が食事に、食後にというのもあるだろう。

何にしても、僕たち飲食店側では常連さんの顔を覚える。

この人たちが「店に来なくなった」「街で見かけなくなった」とか…「ちょっと様子が変だぞ」など変化に気が付く事も大切な業務だと思う。

お年寄りの見守り、いつもお母さんと一緒にやってくる子ども…変化に気が付けることで「じゃあどうする」というアクションが生まれる。「そこまで余計なことに首を突っ込まなくても…」という意見もあるだろう。

僕は地域で活動する個人店だからこそのコミュニケーションが存在すると思っている。

そういう細かい人と人とのつながりが地方を活性化し、地域をより一層住みやすいものにすると思う。また、地方ではなくあえて地域という言葉を使ったのは都会でもこの役割は同じだと思っているからだ。

個人店が営利だけを考えて店を経営するのではなく地域の中の一員としてどんな役割を持っているのか。そこに思い至って、店を開けること、継続できるように工夫を凝らし続けることが必要だと思う。

自分の営利だけを考えて経営していると適が増える。

皆の中での役割を考えながら経営をしていくと仲間が増える。

仲間が増えると楽しくなるし、厳しい時にも支え合える。「皆の為にも店をつぶせないから準備をしなきゃ」と経営に本気になる。甘いようだけど、僕はそうやって15年地域で小さな事業を続けてきた。

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