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弥生時代の戦略サバイバル!『むら』から『くに』への進化をゲームで体験!

今回は、過去に実践した完全オリジナルの歴史体験ゲーム「むら統一ゲーム」をご紹介します。

このゲームは、弥生時代の世界に飛び込み、むらを大きくし、豪族、そして王になるまでの過程を体験するものです。

歴史の教科書ではなかなか味わえない、臨場感あふれるシミュレーションを通して、戦略的思考と交渉術を磨くことができます。

授業参観などの機会に行い、保護者に参加してもらってもとても盛り上がるので、ぜひ参考にしてみてください。


(1)ゲームの魅力と価値

このゲームの最大の魅力は、自分が弥生時代の「かしら」となり、他のむらとの争いを通して、むらを拡大する過程を体験できることです。

カードを駆使して自らの「土地」を増やし、他のむらとの攻防を繰り広げる中で、歴史を体験しているような感覚が味わえます。友達と協力し合ったり、時には対立したりすることで、ゲームはますます白熱します。

この「むら統一ゲーム」は、単なる娯楽ではなく、歴史の知識を深め、戦略を練る力や他者とのコミュニケーション能力を養うことができます。

カードの使い方や交渉の仕方を工夫することで、状況判断力やリーダーシップも培うことが可能です。

小学校では、座学で学ぶだけでは退屈してしまう児童も多いため、こういったゲーム要素を取り入れた学習が有効です。

(2)ゲームのルール

・プレイヤーの目標

弥生時代のかしらとして、「むら」を発展させ、豪族、最終的に王になることが目標です。

むらを統一し、くにの王となることを目指す

各プレイヤーはむらのかしらとして、「武器」「土地」「米」のカードを使い、交渉や戦(攻撃)によって他のむらを吸収していきます。最後に残った2つの「くに」のうち、最も多くの「土地」を獲得した者が王となります。

・ゲームで使用するカード

このゲームでは、「武器」「土地」「米」の3種類のカードを使用します。

ゲームで使う3種類のカード

・武器カード
他のむらを攻撃する際や、他のむらから攻撃された際に使用します。より多くの武器カードを持っているプレイヤーが勝利します。
※「米」3枚で「武器」1枚に交換できます。

・土地カード
王になるために最も重要なカードです。最終的に最も多くの土地カードを所持することが勝敗を左右します。

・米カード
集めることで武器カードに交換することができるカードです。
※「土地」1枚を「米」2枚と交換できます。

・カードの交換レート
ゲーム内で使用する3種類のカードは、他のむらと交渉して交換したり、ゲームの進行役(教師)と交換したりすることが可能です。

交換レートは以下の通りです。
「土地」1枚 → 「米」2枚
「米」3枚 → 「武器」1枚

カード同士の交換レート

※矢印の逆向きに交換することはできません。
※最も多くの「土地」を持つことが勝利条件であるため、交換のしすぎには注意が必要です。

・ゲームの流れ

カードの配付
カードは封筒に入った状態で1人あたり2~3枚配付します。他のプレイヤーに持っているカードを見られないよう、事前に周知しておきましょう。

自由行動
カードを配付し、全員が中身を確認したら、自分の席を離れて自由に動くことを許可します。声をかけられた場合は、交渉・攻撃・防御のいずれかを選択します。

交渉
他のむらとの連携や交渉を通じて、カードの交換やむらの吸収・合併を行います。自分のカードや周囲の状況を生かして、有利な交渉を進めましょう。

むら同士の合体を決定した場合は、リーダーを一人選び、協力体制を整えます。

攻撃
武器を集めて他のむらを攻撃し、カードを奪います。自分より武器が多いむらに攻撃を仕掛けた場合は逆に吸収されるため、情報収集が重要です。

攻撃によって土地を奪われた場合、敗者は吸収を受け入れてすべてのカードを差し出すか、土地をすべて置いて逃げるかを選択します。

防御
武器の保持を確認し、攻撃を受ける可能性がある場合は防御策を考えます。攻撃を受けた際には、必要に応じて土地を置いて逃げることも戦略の一つです。

・ゲームの終了と勝者の決定

ゲームが進行すると、最終的に2つのくにに集約されます。ゲームを止め、2つのくにの「土地」カードの枚数を比較し、最も多くの土地を所有しているプレイヤーが勝者、すなわち王となります。

(3)実践の様子と工夫

実際に「むら統一ゲーム」を行った際の様子や工夫を紹介しておきます。

・カードの配付
学力や判断力、交渉力が高い児童には「武器」カードを渡さないなど、交渉が活発に行われるようにカードの配分を意図的に決めました。

最初の封筒に入れる武器カードは1枚または0枚ですが、交渉が難しい児童には特別に武器2枚で他のカードが0枚になるようにし、積極的に攻撃を行うプレイヤーが出現するようにしました。

・ゲームの進行
開始直後は相手の手札が分からないため、交渉が活発に行われました。

前述の武器を2枚持っている児童が積極的に攻撃に出たことで、他の児童たちも数人でまとまって武器カードを集めたり、交換によって土地カードや米カードを武器カードに交換するようになりました。

しかし、武器カードに交換しすぎると、最終的に勝敗を決める土地カードが不足するため、すべてを武器に振り分けることはできません。相手を少し上回る程度の武器がどれくらいなのか情報収集が重要になりました。

・保護者の参加
授業参観で行ったため、参加してくれた保護者には、武器カードが入っていない封筒を用意しておきました。これにより、保護者が交渉や攻撃を通じて場に供給されるカードの数を増やす役割を果たしました。

・結果と児童の感想
最終的には非常に盛り上がり、2つのくにに集約された後、結果発表を行いました。児童たちからは以下のような感想が寄せられ、ゲームを楽しみながら、くににまとまっていく様子を体感することができました。

【児童の感想】
「ゲームが楽しかった」
「小さいむらが集まって大きなくになることがよくわかった」
「武器と米、土地のバランスが難しかった」

(4)データの配付

実際にゲームを行う際に使える、カードのデータや子ども向けのルール説明プリントのデータの配付は、Googleフォームを使う方法で行っています。

上の記事をよく読んでいただき、記事内のGoogleフォームからお問い合わせください。

(5)まとめ

今回は、社会科の授業でむらからくにへ統合が進んでいく様子を体感できるゲームを紹介してみましたが、いかがだったでしょうか。

なるべくシンプルかつ短い時間で盛り上がるゲームということで考えてみましたが、子ども達にも保護者にも大変好評でした。

他にも、様々なゲームを実践してきたので、いつか紹介したいと思います。ご興味ある方は、フォローしてお待ちください!

今回の記事が、みなさんの参考になれば幸いです。

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