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姫路のマニアックな博物館『あずきミュージアム』を見て、商標の争いを思い出した話


国宝城の町にある謎の博物館

 国宝城は、日本に5基あります。
 中でも、兵庫県姫路市にある姫路城は圧巻です。
 築城から約400年、ほぼその姿を変えずに、そびえ立ち続けています。
 真っ白で優雅な佇まいから、白鷺城とも呼ばれています。

姫路城

 そんな姫路には、ちょっと変わった博物館があります。
 あずきがテーマの博物館「あずきミュージアム」です。

約1時間、ひたすらあずきのことを学ぶ

 「あずきミュージアム」は、工場街の中にあります。
 運営しているのは、回転焼(今川焼)のメーカー・御座候です。
 あずきについて、生物学や歴史の観点から分析した資料が、並んでいます。

 生物学的には、あずきは豆類の中ではマイナーな植物です。
 あんこのお菓子は当たり前にあるので、意外ですね。
 歴史的には、あずきはアジアの大陸からやってきて、日本の風土に合うものに変わっていきました。
 米と同じですね。

 目玉となる展示物は、大きなエリモショウズ(あずきの品種のひとつ)の模型です。
 えんどう豆などと同様、さやに収まった状態で実るのが分かります。

商標「あずきバー」の、登録までの長い道

 あずきで思い出すのは、商標「あずきバー」についての、井村屋(井村屋グループ株式会社)と特許庁の争いです。

 井村屋は、指定商品「あずきを加味してなる菓子」について、「あずきバー」(ロゴ化していない)を商標登録出願しました。
 特許庁はこの商標に対し、「あずきバー」は「あずきを使用した菓子」の品質を表しただけの商標であると判断し、登録を拒絶します。

あずきのイメージ

 井村屋は、特許庁の判断を覆す審判(拒絶査定不服審判)を請求します。
 その際に、「あずきバー」には全国レベルの高い知名度があり、多くの需要者が井村屋のアイス菓子であると認識できることを、証拠とともに主張しました。
 この主張により、特許庁は商標「あずきバー」の登録を認めることとなりました。
 誰もが知っているあずきのお菓子も、苦難を経て商標登録されたんですね。

まとめ

 あずきがテーマの博物館は、和菓子が好きな方なら楽しめると思います。 
 姫路城の後に、訪れてみてはいかがでしょうか。

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