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ヒーロー、ベッカム

朝の5時に、泣いた。

Netflixのドキュメンタリー番組「ベッカム」を観ながら洗濯物をしていたのだが、手が止まってしまって、目が釘付けになってしまって、私は泣いた。

1日の始まりがいつも洗濯で、その作業をしながら録画していた番組を観るのが、私の朝の楽しみでもある。

「ファッション通信」「スリースタイルティーチャー」「アメトーーク」「突然占ってもいいですか?」

この4番組が、私が唯一毎週観ている番組である。

この統一感の無いラインナップ・・・。

そりゃあ、友達少ないよな・・・。

でもたまに、特番編成だったり休止だったりで録画番組が無いことがある。

そんな時に、とりあえず点けてみるのが「Netflix」だ。

このNetflixのレコメンド機能の精度がすごくて、今回真っ先に出てきたのが「ベッカム」だった。

ベッカムはあのサッカー選手の、ベッカムヘアーの、「ベッカム」です。

彼の輝かしいサッカーキャリアと当時の私生活とを振り返るドキュメンタリーだった。過去の映像を使ったり、様々な関係者のインタビューから当時の裏側・真相を探っていく。

なんとなく、直感的にこれは面白そうと思い、チョイスした。
そして、まんまとハマることに。

私の中のベッカムの記憶はやっぱり、金髪のベッカムヘアーをしたイケメンってこと。日本でもベッカムブームが来て、社会現象にもなった。あの時の記憶が彼のすべてだった。

でもその頃の彼は、サッカーのキャリアとしてはもう既にベテランに達していて、プロとしての歴史はもっと長く、もっともっと若い頃からマンチェスターユナイテッドに所属し活躍していたのだ。

13歳くらい?にスカウトされ、それを機にまだ幼い子どもの頃から親元を離れて生活する。

そんな過去も詰まっていた。

彼の凄まじい技術は、素人の私から観ても驚かされたし、本当にどこまでもサッカーを愛してる姿に胸を打たれた。

特に、21歳の彼が初めて試合に出たシーン。
彼はハーフウェーラインより後ろからシュートを蹴り、まさかのまさか、華麗にゴールを決めてしまう。
その映像は、今まで観たことも無いようなすごいシュートで、「世紀のシュート」と言われた。まさにその名の通り、ベッカムを世界に知らしめたシュート。

番組冒頭で早速その凄まじいシュートの映像が流され、こんなに凄い人のドキュメンタリーがこれから始まるんだ、と一気に引きつけられる。

でも、私が涙を流してしまったのは、その後のストーリー。

彼がアルゼンチン戦でレッドカードを出され退場となり、ファンのみならずイングランド国民全員からもひどいバッシングを受けることになる。それは何ヶ月もの間続き、彼は罵声・ブーイングをひたすら浴び続けた。当時は精神的なケアをするドクターもいない。チームや監督、家族が守り、支えた。そのブーイングの矛先が妻・ビクトリアにまで向けられた時、彼に火が付き吹っ切れ、逆に自分自身のプレーを取り戻す。それどころかむしろ、以前よりも強くなって完全復活を遂げるのだ。

その完全復活を遂げた時の試合。

あんなにブーイングを言っていたサッカーファンの客席から起こったコール
”唯一無二のベッカム!唯一無二のベッカム!”
サポーターがようやくベッカムを許した。
ベッカムがその声援に答えるかのようにシュートを打つ。
それが、見事に入る。

凄まじいプレーとドラマのような展開。

今までの苦しいバッシング。
それにただ1人、耐えて耐えて、試合に出続けた。
そして、乗り越えた姿がカッコよすぎて泣いてしまった。

それが、私の涙の訳だ。

私なんて、全然辛くない。
幸せ。
幸せすぎる。
もっとやれる。
もっと頑張れる。

ものすごく熱い気持ちになった。

その日の朝食、
自分で言うのもあれだが、なぜかすごく美味しくご飯ができた。

一気に話しがスケールダウンして申し訳ない。

でも、それで思わず言ってしまった。
「んー、本当に美味しい!あぁ幸せ!」
恥ずかしいけど、完全にベッカムを観た高揚感を引きずっていた。

そして、「僕も!!」と、りとが続いく。

こいつ~!(笑)

その後、主人にこの「ベッカム」のドキュメンタリーの話をして、例の「世紀のシュート」の映像を観せた。

私:
この映像すごくない?ベッカムってこんなに若い時に、既にこんなシュートを打ってたんだよ!すごくない?もう私感動してビックリしたよ!

と興奮気味に話していたのに、

”ブゥ~~~”

???

本当に信じられないが、立派なおならで返事をされた。

思わず、「おならで返事するなよ!」とツッコみ、我が家に爆笑が起こる。

「はぁ、信じられないわ。」

と、息切れしながら言うと、

「いや~俺のお腹の中のハーフウェーラインを通過していってしまって。」

その返しは上手いんだけどさぁ。もうまったく。(笑)

そんな会話が生まれた。

(お下品な話しが出てきてしまいましたことを、深くお詫びします。)

出会ってから今もそう、彼は本当に面白い。

どんな形でも・・・まぁいい。
家族に”笑い”をもたらしてくれる。
1番最高なことだ。

我が家にベッカムあり。

1人は、優しく温かい言葉をくれる。
もう1人は、笑いを放つ。

間違いなくヒーローですよ、本当に。(笑)

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