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山形ブランディング思考VOL.1 深堀考察レビュー

昨日開催されたトークイベントで登壇ゲスト側として感じた学びをシェアします。このイベントを通してブランディングの必要性を参加された企業様がどのように受け止めるとより効果的な学びになるのか?私の視点で「中大規模企業」と「小規模・個人事業主」に分けて少し深堀したいと思います。

今回は山形県内のみならず宮城県からも総勢40名ほどの企業経営者や経営幹部の立場におられる方が参加し、企業経営においてブランディングの必要性や経営理念の社内浸透について古窯グループの事例を通じて学びを得てもらうというのがトークイベントの主旨でした。
ただし、それぞれの事業規模、現状の立ち位置や企業の成長フェーズが異なる中でイベント内全会一致のアウトプットを見出すのはそもそも難しいだろうという部分は開始前から想像出来ました。

そのような背景下の中で、我々古窯グループの実践してきたこれまでの取組みをどのように咀嚼変換して自分事へ吸収するかは大切なポイントになると思います。まず事業規模別の話をする前に全社共通で今回のイベントでポイントになるマインドセットをまとめます。

①思考(理念やビジョン)の言語化・映像化
→社内推進力の中心メンバー(経営幹部や事業長)の"腹落ち感"
経営者や社内メンバーが共感できでない・できそうにない理念やビジョンは一瞬で形骸化することになる。
②経営理念の立ち位置を経営業績よりも上に据え置けるか
→経営者自身の本気度、自分よりブランディングに傾倒できるか。基本的にブランディングや経営理念は経営トップも含めて属人化せずに、永久機関として組織が回り続ける仕組みである。
③理念浸透のタッチポイント作り
→理念を伝えたい相手へ量・質共に十分な情報接点を作れているか。顧客や社員にどういう想いをもってもらいたいかの設計。

トークイベントではこの辺を中心に先代経営者との関係性や葛藤などを踏まえ必要性を展開していった形です。

では、ここから具体的に分けて話したいと思います。

中大規模企業の場合
ここでは既にブランディングや経営理念の浸透を進めているが進捗が芳しくない、もしくはこれからその方向に進まねばと考えている仕掛前のケースが想定されます。なので吸収すべきは理念浸透の手段と浸透したらどんな変化があってそれが自社にどんなメリットを与えてくれるのかの明確化。だから自社において理念浸透が必要なんだというロジック設計が重要です。

いわゆる「なんでそれをやるのか?」という社員の意見に対する明確なアンサーを経営者や経営幹部が持ち合わせていないとそれを聞いた社員スタッフは「あー、なんだ結局上司もやれって言われてやってるだけなのか」と冷めてしまいます。

小規模事業と違い、規模の大きい会社は所属する人材の数も多くなります。多くの人が関わると人の数だけ考えが生まれ、意見も生まれます。そして人の数だけそれぞれが向く方向数も増えます。だからこそ一つの北極星を明確に示すことで多くの人の考えを同方向に収束させることで生産性の向上やコミュニケーションコストの軽減、団結力といったシナジー効果が生まれることを「物差し」に例えてイベント内で弊社代表が話をさせていただきました。

ここで重要なポイントは、規模の大きい会社は「伝える人の数が多い」という点です。社員メンバーだけではなく、パートアルバイトもいるし取引業者や商品を購入する顧客ですら伝える相手に入ってきます。そうなると源流の腹落ちしている理念や応援されるブランディングか?ということももちろん大切ですが、下流まで水が流れ切る設計になっているかが大事です。

この流れ切る設計に関しては、理念を作る段階から考えておかないと後で苦労します。人に伝えにくい言葉だったり、受取手によって真逆の意味で受取られてしまうワード選定など。

イベント内での我々の紹介した事例は、ブランディングや理念へのタッチポイントをどうやって仕組みとして増やせるかの具体的な方法でした。これらの接点作りをどこまで愚直に実行できるかと、これから理念を組み立てていきたいというフェーズの方は紹介した具体アクションを想定して設計できるので暗中模索で進み続けてきた私たちよりも効率的に進捗できるはずです。

我々の紹介した事例が絶対とは思いませんが、わからない中でも可能性を信じて実行してきた一例として受け止めて頂けると幸いです。

小規模・個人事業主の場合
こちらになるとブランディングや理念浸透といった領域は少し受け止めのニュアンスが変わります。なぜなら伝える相手の数が極端に少なくなり、想いを伝える相手が社員よりも顧客にシフトするという点で向いてる方向が中大規模事業者とは根本的に違うからです。加えて自分で全て決めることができて決裁権も全て自分にあることも要素としては大きいです。

では、何もしなくても良いのか?というとそうでは無く、経営者も人間です。いくら自分で決めたと思っていても、日々微妙にニュアンスが変化していきます。そんな時に源流に立ち戻るための、理念やビジョンの言語化が絶対的に必要になってきます。

小規模や個人事業主の場合、「商品=自分(経営者)」になることが多く想定されます。自社商品のブランディングは顧客との約束を意味しますので、毎回ブレるでは信用してもらえません。自分自身がブレない為にも戻れる場所というものをあらかじめ作り育てておくことが大切ですとイベント内でも紹介させて頂きました。

規模が小さい分、商品へのこだわりや想いを強くできることがこの規模感の最大の強みです。それらの想いの強さを言語化・映像化して伝えることで「あ、この人なら信頼できる」「この人の商品を使ってみたい」と相手に思わせることも同じように重要です。自分自身の想いカタチにするためにも理念やブランドの言語化を行い、大規模事業では到達できないくらいの自社商品(経営理念)のファン化を目指していくのが良いと思っています。

小規模・個人事業主は、自身の想いや考えの言語化・映像化しながらいかにコアなファン(信者)へ育成していくか、そのためにはどのようなアプローチを実行すれば良いのかという部分を考える必要があります。直接顧客に届く日々のSNSでの言動や提供している情報は、自分の決めた理念やビジョンにしっかりリンクしているか、今の自分(商品)は顧客から自身が見られたいような姿で認識されているかを常にチェックしなければなりません。
属人化による発信力が強い分、言ってることとやってることの食い違いがイメージや品質にダイレクトに顧客に伝わってしまうのが小規模・個人事業主の運営の難しさだと思います。

ここまで、中大規模事業は社内への理念浸透、小規模個人は顧客への理念浸透のような話をしてきました。どちらもそれだけではありませんが、優先的に考える必要があることには変わりないと思います。

今回のイベントがそれぞれの立ち位置でこのような切り口で受け止めることで何かの気付きになれば幸いです。

最終的に「山形ブランディング思考」というイベント自体は、地域の企業経営者をはじめ山形という地域全体に関わる人達に”ブランディング”に対して思考する時間を増やすべしというメッセージ性が込められた有意義なイベントであると個人的に受け止めています。

10月開催予定の第2回も楽しみですね😊

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