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今後の市民参加の手法とアカウンタビリティを高める評価手法について一般質問しました(令和5年第3回三鷹市議会定例会の一般質問)

三鷹市議会議員の山田さとみでございます。

令和5年第3回三鷹市議会定例会の一般質問で、今後の市民参加の手法とアカウンタビリティ(説明責任)を高める評価手法について、以下のように一般質問しました。(正式な議事録ではありません)

市民との「協働」から「共創」への取組について

(1)参加型評価・協働型プログラム評価の導入について

 令和5年7月8日、「三鷹市市民参加でまちづくり協議会~Machikoe~」から政策提案の提出がありました。大変意欲的な活動と、その成果として極めて有意義な政策提案が多くなされました。その中では、今後の市民協働についての政策提案もあり、私は、大きく3点のポイントがあると捉えています。

  • 1点目は「市民が参加する機会を作り続けて欲しい」、「新たな協議会を設置したい」といった、今後も市民協働の継続を求めるご提案です。

  • 2点目は、新たな市民協働の仕組みづくりの方向性についてです。「各団体の役割を明確化し、それぞれの団体の強みを活かし、全体として大きな方向性に向かう(ことで)スピードアップを達成したい」「各地区・団体が継続的に活動している『小旗の風』 が、日ごろからの結びつきで『大きな風』になるよう戦略的に仕掛けていく」「三鷹という土台で各セクターが有機的につながり、市民、行政、企業、大学など地域に関係する人々が共に創り上げる『共創』を通じて『なりたい姿』の実現を目指したい」といった、行政と市民、団体との「有機的・継続的なつながり」を重視するご提案です。

  • 3点目は、「あるべき姿と現状のギャップ」について、「市民からも見えるようにし、具体的な進捗を、行政・関係者・市民がチェック、共有できるようにする」といった、市民が行政の施策を理解し、適切にチェックできる分かりやすい評価制度の導入の提案です。

 市は、提言をしっかりと受け止め、市民協働の仕組みを強化していくべきです。
 マチコエのご提案は、様々なバックグラウンドを持つ参加者が、共通の社会課題の解決のために協働して取り組む「コレクティブ・インパクト」を目指すものと言えます。

Q1. このようなお声を実現していくためには、継続的な市民参加の取組を行っていく必要があり、そのためには協働促進役となる職員を育成、配置することが必要と考えますが、見解を伺います。

A1. 市長
 7月にマチコエから提出されました政策提案では、マチコエのような市民参加の取組の継統、協働の取組に対する提案を幾つかいただいている。マチコエは基本機想改正や、基本計画策定に向けた新たな市民参加の取組として実施したものだが、今後も様々な場面で市民の皆さんの声を聞く機会を想定している。これからまた続けたいという方も、ここでやめるという方もいらっしゃるので、いろいろ議論をしていきたい。
 また、協働についても多様な主体が目標を共有し、相互に連携・協力しながらまちづくりを進めるもので、市民参加と同様に、まちづくりには欠かせないものとなっている。まちのあるべき姿を多様な主体と共有し、それぞれの役割を明確にして分担しながら、対等なパートナーシップの下で協働のまちづくりを進めていくためには、多様な資源をつなぐコーディネーター役としての職員の役割が重要となる。単なる事務局ではなく、それらを結んでいく職員というのはそれなりの素質というか、役割になってくるので、そういう意味での、異動で単にそこに来たというんではなく、学習をしながら学んでいく必要性があると考えている。 と同時に、参加と協働を一体的に進めていくために、推進体制の整備など、つまりその職員を孤立させない全体・全庁的な体制づくり、組織づくりも検討が必要となっていく。マチコエの新たな協働 の在り方、市民参加の在り方について、まだ結論が出ているわけではないが、市民の皆さんの声を聞きながら、在り方について深めていきたいと考えている。

次は、先ほど述べた3点目のポイントである、市民が行政の施策を理解し、適切にチェックできる分かりやすい評価制度の導入について伺います。

 これまでの事業評価は、主に市の職員が指標を設定していたと考えますが、市民参加を強化する観点から「参加型評価」の取り組みが有効と考えます。これは、市民・三鷹市行政をはじめ、共に汗をかいて下さる、地域の利害関係者でワークショップを行い、アウトカムの設定も含めて協働し、政策やプログラムの改善について、共にPDCAを回していく評価の手法です。
 兵庫県豊岡市では、2013 年度から、行政評価に、「参加型評価」を活用した「協働型プログラム評価」を導入しています。この評価手法は、ロジック・モデルの手法を用いて、目指す姿(アウトカム)を明確にしたうえで、目的達成に強い因果関係を持つ手段を選択して体系化し、体系そのものを PDCA サイクルで検証しています。豊岡市では、このロジック・モデルの手法を、「基本構想」「地方創生総合戦略」「行財政改革大綱」「老人福祉計画・介護保険事業計画」など、多様な計画に盛り込んでいます。この参加型評価・協働型プログラム評価のこれまでと異なる点は、市民が目標設定から参加することで継続的な協力が期待できる、市民が指標をつくるので市民も理解しやすい指標になる、行政の縦割りを打破した政策に取り組むことができる、現場の実践知を政策に盛り込むことが出来る、多様な利害関係者が一堂に会し、議論をすることで、お互いの理解が深まり、横の連携が深まる、などであり、市民参加の質の向上が期待できます。三鷹市の行政評価において、市民への説明責任を果たす観点から、事業評価の分かりやすさの向上や、市民と協働して設定したアウトカムを達成出来たのかという視点でPDCAを回していくツールとして、「参加型評価」を導入すべきです。

Q2. 令和2年8月の三鷹市議会 総務委員会において、当時の企画部長は、「目標指標については、アウトカムをどのように表現するか、あるいは基本計画における目標指標とどのように関連づけるかなど、幾つかの課題がある。この点は、第5次基本計画の策定に向けた検討の中で整理していきたい」と説明しています。三鷹市は、第5次基本計画の策定に向けた検討の中で、評価の手法について、どのような検討を重ねてきているのか伺います。あわせて、「共創型」の市民協働の手法である「参加型評価」を導入すべきと考えますが見解を伺います。

A2. 企画部長
 事業評価手法の検討状況について答弁する。 アウトカム指標は施策を実施することでどのような効果が生じるかを測定するものとして、定期的に行っている市民満足度調査と連動する形で設定することを考えている。複数の事業の効果が施策全体に及び、満足度となって現れることで、アウトカムを捉えることとしている。その一方で、アウトプット指標については、施策全体の効果を上げるために、個別事業が着実に進捗しているかを評価するための数値指標となる。第5次三鷹市基本計画の策定にあたり、アウトカムとアウトプットの両指標を組み合わせて設定することにより、単年度ごと、そして計画期間における進捗や効果を明らかにし、まちづくりに反映していきたいと考えている。参加型評価については、市民協働の視点で有効な手法と思われるが、基本計画は広範囲に及ぶ総合計画で、短期間での策定が求められることから、運用面でも課題があるものと捉えている。個別の分野での導入が可能かどうか、他市の事例も参考にしながら検討を深めていきたいと考えている。

(2)発達支援施策への参加型評価導入について

 この「参加型評価」を発達支援の取り組みに導入している自治体として、千葉県習志野市があります。習志野市では、市民との協働によるソーシャルインクルージョンの理念に基づく市の発達支援施策を推進することを目的として、保護者、町会・自治会、学識経験者、障がい者団体の構成員、障がい者地域共生協議会の委員、市職員、などが構成員となり、「習志野市市民協働こども発達支援推進協議会」を設置し、「発達支援施策に関するロジック・モデル」を策定しています。
 これまで、発達支援について一般質問をしてきましたが、令和4年 第4回定例会では、保育所等訪問支援事業について、私立の保育所、幼稚園ともさらに連携を進め、地域で育つ子どもたちのよりよい育ちにつなげていくべきと求めました。市長は、子ども発達支援センターに関して「何らかの形でさらにノウハウを積み重ねて、横展開もできるようにしていきたいと思っている」と答弁されました。さらに、子ども政策部長から「学校と、子ども発達支援センターを含めた就学前の施設、そして保護者の3者が連携を図り、学校で取り組めること、家庭で取り組めることを具体的に共有しながら進めていくことが有効である」「地域の多様な主体の参画と協働による子ども・子育て支援施策の推進に取り組んでいく」と答弁がありました。
 令和5年 第1回定例会では、三鷹市・三鷹市教育委員会の発達支援施策において、福祉と教育の縦割りによる弊害が生じている点について指摘し、連携の強化を求めました。教育長からは「関係諸機関と引き続き密に連携を図っていく」と答弁がありました。 
 このように、市側からは、様々な答弁を頂いてきましたが、地域全体で発達支援に取り組むという視点では、十分な進展が見られていないと考えます。今後はさらに市長部局と教育委員会の連携を深めると共に、発達に課題感を抱えているお子さんを取り巻く地域の利害関係者とも連携を深めていくべきです。三鷹市全体で大きな一歩を踏み出すためには、「参加型評価」を発達支援の取り組みに導入すべきと考えます。

Q3. 三鷹市においても、発達に課題感を抱えているお子さんを地域全体で支援していくため、利害関係者を洗い出し、例えば、当事者、子ども発達支援センター、障がい者支援課、教育委員会、小・中学校の教員、地域子どもクラブ、幼稚園、保育園、町会・自治会など、三鷹市の地域全体で発達障がいのお子さんと関わる利害関係者で構成する協議会を設置し、「参加型評価」を実施すべきと考えますが、見解を伺います。

A3.子ども政策部長
 発達支援施策への参加型評価の導入について答弁する。 参加型評価の手法は、多様な利害関係者が一堂に会し、議論することで、お互いの理解が深まり、横の連携が深まる点が特に優れているということなので、そうした点では発達に課題があったり、障がいがあるお子さんを、その家族が暮らす地域による理解と支援により支えていく障がい児支援施策とは、親和性の高い評価手法であるというふうに考えている。三鷹市にも現在、子どもや障がい者の施策に御意見をいただく市民会議や審議会などあるが、これらは行政や学識経験者、また、関係団体の代表者により構成されているところである。地域における隣がい児支援のさらなる充実のため、当事者の生活の場である地域社会を支える町会や自治会関係者、また、直接の利害関係者の参加を求めるという視点はこれまで持ち合わせてこなかったため、提案された手法については、例示のあった実際の事例などを参考にしながら、今後研究をしていく。

Q4. 同様のことについて教育長にも伺います。

A4.教育長
 発達支援施策への参加型評価の導入について答弁する。 三鷹市では教育支援プランを平成19年に策定したときから、障がいのある子もない子も、学校、家庭、地域の力を得て、次代を担う人として心豊かに育っていくことを支援していくという理念を掲げている。また、発達に課題のあるお子さんを地域全体で支援していくためには、学校と家庭だけではなくて、地域の理解や協力が不可欠であると考えている。そのための今の話のように、利害関係者のネットワークというのは非常に重要だと受け止めた。現在、教育委員会では、教育支援推進委員会を設置し、関係者の御意見をいただく機会を設けてはいるが、一方で、入学前の児童・生徒の保護者など、関係者や地域の方のお考えをお聞きするためには、既存の委員会では十分ではないというふうに考えているので、提案のように、地域全体で発達障がいの子どもと関わる利害関係者で構成される協議会の設置については、屋上屋を重ねることなく、実効性のあるものとすれば、大いに期待ができるものと考えている。

再質問(自分の持ち時間の中で、行政側から頂いた答弁を基にさらに質問をすることが出来ます。ここからはアドリブになります。)

山田
 第5次基本計画の中での参加型評価の導入について、「全て網羅的なので難しい。部分的に個別分野で検討していく」といった答弁をいただきました。私も、そうであれば部分的に取り入れていただければと思っています。
この部分的というのは、2つの論点があります。
 1点目は、この参加型評価の導入については、最初は特定の政策から始めてみるのはいかがかなと思っています。例えば、市長肝いりの重点政策であったり、多様なセクターの協働が不可欠なヒューマンサービスの分野の政策などから始めてみて、除々に参加型評価を導入することが効果的と考えられる政策に取り入れていくということを提案しますが、見解を伺います。
 2点目についても一気に聞きたいと思います。2点目の論点としては、第5次基本計画の中で、参加型評価の評価手法の一部を取り入れるということです。具体的に申し上げますと、先ほど申し上げたマチコエの、今後の市民協働についての政策提案の3つ目のポイントです。ポイントの3つ目、市民が行政の施策を理解し、適切にチェックできる分かりやすい評価制度、つまり、市民への説明責任、アカウンタビリティーを高めるための評価制度という視点で、参加型評価の中でツールとして使っているロジックモデルを評価制度に取り入れるということです。第5次基本計画について、もしくは個別事業でも構わないんですけれども、今後、職員と市民が同じ目線で評価を行えるように、計画が目標達成するに至るまでの論理的な関係を体系的に図式化することを提案します。 この図式は、目指したい社会の変化、状態である、上位目的である最終アウトカムを設定した上で、それを達成するために必要となる戦略、作戦の中間的成果、作戦の目的となる中間アウトカムを設定し、中間的成果を達成するために必要な活動「アウトプット」の達成によりもたらされる 直接的な変化、プログラムの手段である直接アウトカムを設定し、直接アウトカムに貢献する個別施策を設定し、三鷹市が何を目指していて、どのような作戦を立てて、どのような施策につながっているのか一目で理解できるようにすることが、市民への説明責任、アカウンタビリティーを向上することにつながると考えますが、見解を伺います。

市長
 現在やっている市民参加でまちづくり協議会のマチコエというのは、分か りやすく言うと、市長が事業を実行する前に市民の皆さんの意見を聞いて、それを職員にも参加してもらって一緒の計画をつくって、そしてまたそれを評価してもらいながら実行に移すという方法ですけれども、基本的に私はこの市民参加というのは、選挙というのが一番の政治的な分野でございますけれども、この評価の仕組みの根本にあるというふうに思っています。ですから、行政の段階で、そんなに詳しくしちゃうことがいいのかどうか。その結果責任は、議員の皆さんもそうですし、選挙で選ばれる市長も同じように、市民の方に理解してもらわなければ評価してもらえないわけでございますから、そういう意味で、基本は選挙であるというふうに思っています。これが民主主義の根幹であって、私どもが市民参加で事業を行う、あるいは計画をつくるということの根底は、選挙がある中で、市長はそれなりの権限を、あるいは議会の皆さんも分任しているわけではございますけれども、特に行政の場をつかさ どっている市長というのは、それなりに権限というよりも、事業そのものが膨大にあるわけですよね。 ですから、私どもがというか私が常に考えなければいけないのは、選挙でどうなったかということで、全てのことが市民の皆さんから任せられているわけではない。そのことを肝に銘ずるべきでございまして、市民の皆さんから委ねられた権限で事業を執行するに当たって、個別の細かい分野については、それなりの、やはり市民の皆さんの御意見を聞いたりすることが重要であるというような立場で、市民参加、協働というものを行ってきている、そういうふうに思っています。 そういう意味で、やらなければいけないことが行政というのはたくさんありますから、したがって、先ほどの議員さんの御指摘で言えば、様々な分野でやっていかないといけない。そうじゃないと、抽象的な話でやっていっても、なかなか市民の皆さんは個別の自分の生活の中でぴんとこないんですよね。 意欲が湧いてこない。やっぱり自分のまちのこの範囲の中で、あるいはこの分野のことについてはすごく真剣になるというのが当たり前の普通の人間の姿でありますから、そういう分野ごとで、御指摘のあったそういう仕組みを、いろいろ活用してやっていくことが必要だというふうに思っています。 ただ、この間私が改めて市長になって感じたのが、市民参加もやり過ぎるとよくないんですよ。それは行政もそうですし、市民の人も同じです。我々は給料をもらってやっているわけですよね。そうすると、職員と市民が同じ目線で立ってという、それは比喩で言われたんだと思いますけれども、なかなかそういうわけにはいかない。やっぱり市民の人はどんどん自由に言ってもらうのは、私はそれは市民参加の根本として絶対に必要なことだというふうに思いますけれども、職員はそれを受け取って、自分たちがいろいろな法的な規制とか財源的な規制がある中で、どういうふうにそれを具体化できるかというのはちょっと違う目線になるはずなんですよね。 ですから、それは両方必要であって、職員も、自分の職務だけじゃなくてもっと自由にならなきゃいけないし、市民の人もそういうことを理解してもらうための分かりやすい資料づくり、評価制度というのは、おっしゃるようにすごく必要なことだと思っていますけれども、共通の基盤を完全にできるというふうには私は思っていないので、それぞれの視点があって構わない。そうでなければ、それぞれの役割、特に職員であれば、私もそうですけれども、給料をもらって、市民の皆さんの税金を使ってやっているわけでございますから、日中の一番の時間をそういうことに専念できるわけでありますので、そういうことをしっかりとやっていかなければいけない。 だから、市民参加でやり過ぎるとそういうところが曖味になってきて、職員は職員の自覚、我々は我々の自覚で行政をしっかりと委ねられているというその基盤は、やっぱり選挙でありますから、そこでその自覚をしっかり持って進めていくことが大切だというふうに思っていますので、ぜひそういう点を御理解いただいて、我々もしっかりといろんな知識を得ながら頑張っていかなければいけないという ふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。

山田
 ありがとうございます。多分、お気持ちは一緒だと思うんですよ。 何でもかんでも参加型評価というのは、もしかしたら向かない施策もあるかもしれないですし、先ほど 御答弁があったように、個別の分野で検討していったりとか、あと先ほど子ども政策部長もおっしゃったとおり、この事業だと親和性が高いとか、そういったこともあるかとは思います。職員は政策にコミットしていただいて、でも、やっぱり市民も思っていることがあって、現場で起こっていることというのが、なかなか政策に反映されていかないなというような不満があったりとか、なかなか横の連携ができていないなというところで、何かもったいなさみたいなものを日々の政治活動の中でヒアリングしていると(感じている)。もっとみんなで一緒に話し合えば、もっと理解が深まって、もっと一緒の方向に向いていけるんじゃないかなというふうに思っております。そこはきっと今、分かっていただけているのかなと思いますので、ぜひ今後、御検討いただきたいなというふうに思います。

山田
 協働促進役について申し上げます。協働促進役も御検討をされて、在り方を深めていく、職員が学んでいく必要があるというような御答弁をいただきましたけれども、協働促進役の役割は、評価に関する主な利害関係者の選定であったりとか、参加型評価に関してですね。参加型評価のワークショップでファシリテーター、評価の設計、データの収集・分析などを担う人材のことを指します。先ほど御紹介した 豊岡市では、市の職員がこの役割を担えるように研修を受けています。市民との協働を深化するため、協促進役を担える職員の育成と、必要な部署への配置を可能とすべきと考えますが、見解を伺います。 あともう一点、豊岡市では、一気に職員を育成するのではなく、毎年この研修を行って、協働促進役になるためのファシリテーターの研修を受けています。こうすることで、参加型評価を担う人材が毎年増えて、人事異動にも対応できますし、市側の知識の積み重ねによって、将来的に参加型評価ができる 政策が増えていくと考えます。協働促進役を担う職員育成について、見解を伺います。

副市長
 この間いろいろと再質問を含めていただいているんですけれども、一応 念のため誤解のないように申し上げさせていただきますと、そもそも今の段階で我々は、今回のマチコ エ、この活動が取りあえず12月で終わります。そして、その後の新たな参加と協働の仕組みをどのようにやっていこうかという、そもそも論の議論を始めたところです。ですので、参加型評価等々について、具体的にまだ我々はそこまでの議論をしているわけではございません。 そのことはちょっと前提にしていただきたいんですけれども、そういった観点での協働促進役となりますと、やはりこれからの参加と協働の取組をどのようにやっていくのか。例えば、市民協働センターが三席市にございますし、ネットワーク大学の民学産公の連携のいろいろな取組もございます。そういったものを活用するのか、新たな仕組みをつくるのか、そもそも論のところでそこをしっかりと議論させていただいて、そこでのこれからの参加と協働の取組が、方向性が見えるプロセスの中で、じゃあ評価ということについても、市民参加って果たしてできるのかどうか、やるんであればどのような方向があるのか、そこをもう一度考えさせていただきたいと思いますので、御提案は御提案として今受け止めさせていただきますけれども、そういうことについて、今こうしますという方向が出ている状況ではないということだけは御理解いただきたいと思います。

山田
 ありがとうございます。では、御検討のほどよろしくお願いいたします。
次に、数育長から御答弁いただきましたけれども、参加型評価について、前向きな御答弁をいただいたと思っています。市長部局とともに参加型評価に参画して、今後も継続的な協働をし、発達障がい、またはグレーゾーンの児童・生徒に対してしっかりと寄り添った支援をしてくださると、こういう理解で よろしいでしょうか。

教育長
 結論から言いますとそのとおりですが、それが必ずしも教育委員会が中心になるのがふさわしいかどうかというのは検討する必要があると思いますが、特に発達障がいのネットワークということになりますと、既に子ども家庭支援センターのような、それを中心としているところ(※)もありますので、そことの連携をやはりしっかりしていく必要があるなというふうに考えます。 それから、もう一つは、参加型の評価というのはとても大事だと思います。数育委員会では以前から、コミュニティ・スクール委員会、学校運営協議会、そういった面でまさに参加型の評価をしています。 確かにおっしゃるように目標を設定して指標を決めて、プラン・ドゥ・シーでというふうな、そこまでのいわゆるかちっとしたものでやっているということはまだありませんが、全体として、先ほども市長の答弁でお答えになったように、ふわっとしたというふうな、そういうふうな扱いで、改善しながら進めているということは間違いありませんし、そういった手法はいろんな場面で拡大して、教員たちのいろんな研究授業の後の話合いなんかも、ある意味参加型と(思う)。 ただそこで大事なことは、教員なども、例えば授業をやって、授業について成果が出ているのかどうか、子どもがちゃんと理解しているのかとか、そういった面での評価をきちんきちんと、毎時間本来すべきなんですが、評価のための評価というふうなことになっちゃうと、なかなか続かないんですよね。 それで結局はおじゃんになっちゃいますので、その辺はやはり状況を見ながら、管理者のほうは持続していくような、本当に改善に役立つような評価手法を、自分流というか、我が市なりのものを編み出して、そして実効性のあるものにしていくことが大事ではないかなというふうに思いますが、でも御提案 の趣旨はよく分かりますので、前向きに受け止めております。
(※山田は、この表現は、発達支援センターの事を指していると捉えました)

山田
 ありがとうございます。評価疲れという言葉もございます。評価のための評価というのは私もよくないと思っておりますので、持続的に改善ができるような、そういったものをぜひ三鷹型ということで、三鷹モデルということでやっていただきたいなと思います。 今、教育長から発達支援センターという言葉が出ました。ぜひ発達支援センターを中心として、こうした発達障がいのお子さんを取り巻く利害関係者を集めて参加型評価をしていただきたいと考えますが、もう一度お伺いいたします。

子ども政策部長
 先ほどもちょっと答弁の中でというか、御質問の中にあったように、多様な利害関係者を集めてということになりますから、当然対立する意見であるとか異なる立場の意見、そういったものを相互に理解をしていく。そのためにいろいろ可視化をするということで、先ほどロジックモデルのようなお話もあったかと思います。そういう中では、やはりそれを実現していくために、今ちょっと前に議論のあった ファシリテートとか、そういった技術というか手腕を身につけることも非常に重要かなというふうに思っています。ソーシャルインクルージョンとか発達支援について、昨日もいろいろ議論があったところでございますけれども、本日はその実現に向けた具体的な提案というのをいただいたわけですので、私 どもとしてもそれをしっかりと受け止めて、先ほど答弁したとおり、しっかりと勉強して、研究をして、検討につなげていけるよう取り組んでいきたいというふうに考えています。 以上です。

山田
 ありがとうございます。前向きな御答弁いただいたとは思っているんですけれども、やっぱり「検討します」、「勉強します」って、やっぱりちょっと議員にとっては怖い言葉で、本当に検討してくれるのかなとか、いつ具体的にお示しいただけるのかなとか、これは本当に事案によって様々だとは思うんですけれども、ちょっと確認させてください。どのように研究して、いつまでに御決断いただけるのか、お示しできたら。難しいと思います、いきなり質問しているので。お示しできたらお願いします。

子ども政策部長
 参加型評価、私も今回御質問をいただいて、初めて少しずつ調べ始めたような状況です。実際に習志野市の事例などを御紹介いただきまして、資料なども拝見しましたので、まずは先行して行っている自治体の状況などを確認しながら、あるいは今、三階市が取り組んでいる、そういう発達支援の事業、取組の状況とか、その辺をもう一回さらい直して、そういうところからいろいろ研究していきたいと思っています。既存のそういった会議体などもありますので、それを活用するとか、先ほど屋上屋というような話も出ていましたけれども、そういうことにならないように整理をしていきたいと思います。そういう中で、じゃあ実際にこれを取り入れていけるのかどうか、そこも含めた検討がありますので、ちょっと今この場で、いつやるというのはなかなか申し上げるのは難しいところですけれども、先ほどお答えしたように、発達支援の分野とは非常に親和性が高いというふうには思いますので、その辺りはしっかり前向きに捉えて取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

山田
 答えにくい質問に答えていただいてありがとうございます。 ワークショップでは、例えば、参加者同士の発言でエンパワーメントが生まれたりとか、あとは新しい意見がいっぱい出て、それで新しいアイデアが生まれたりとか、すごくいい側面もありながら、やっぱり声の大きい人だったりとか、話の長い人とか、なかなか発言をするのが難しくて発言をしないまま、何か抱えたまま終わってしまうようなこととか、そういうことも懸念されるとは思うんです。ただ、うまくファシリテートして、そしてロジックモデルというような、みんなが分かりやすいような論理をつくることで、話の方向性を1つに持っていくことができると考えております。
これまで様々に発言しました。評価手法、そしてこれまで発達支援様々に、何度も何度も一般質問でしてきましたけれども、ぜひ参加型評価を導入していただきまして、いい事業にしていっていただきたいと思います。
ありがとうございました。


質問の様子は以下から視聴可能ですので宜しければご確認ください。

今回から、バリアフリーに配慮し、AIにより自動で生成された字幕がついています。完璧ではありませんが、即時で字幕がつく点において優れています。

三鷹市議会録画中継のスクリーンショット

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